小次郎講師の
週間チャート分析レポート

米中貿易協議進展に期待?NYダウ第5ステージ(下降相場の終焉)へ!

2019/9/3

皆さん、こんにちは。

移動平均線大循環分析でくりっく株365の銘柄を見てみましょう。米中の貿易協議への期待と懸念が交錯するような動きから膠着した動きを見せています。NYダウは第5ステージへ移行してきました。帯に傾きが出て間隔が広がってきていますが、短期移動平均線が帯に突入してきました。第5ステージは下降相場の終焉ですので、このまま第6ステージ、第1ステージへとトレンド転換してくるのか、それとも、再び第4ステージに逆行して下降期に移行するのかを見ていきましょう。

日経225は第4ステージを維持しており、帯に傾きが出て間隔が広がってきています。トレンドに勢いがあって「売り」にエッジ(優位性)がある状態の安定下降期が続いていますが、短期移動平均線が上向きになってきていますので、短期移動平均線と帯の関係が重要ですのでそこに注目していきましょう。

トランプ米政権は9月1日から中国製品に対する制裁関税「第4弾」を発動しますが、先週は米中の貿易協議の動向でマーケットが動いていました。トランプ米大統領は、中国との協議が近く始まるとした上で、合意すると考えていると述べました。そして、トランプ氏は中国側が電話で交渉再開を求めてきたと明らかにし、中国の習近平国家主席を「偉大な指導者」と呼び、ディール(取引)を望む習氏の姿勢を歓迎するとも発言したことで、米中協議の進展期待が高まりました。

しかし、中国外務省の担当者は米国との電話でのやりとりを確認していないと説明し、また、中国共産党機関誌・人民日報系の環球時報の編集長が、内需拡大に力を入れる中国から米国が貿易面で譲歩を引き出すのは難しいとツイッターに書き込んだことで、市場では協議再開への期待がしぼみました。ただ、29日、30日には中国外務省の担当者が、貿易協議をめぐり米国と「効果的な話し合いを続けている」と述べたことで、協議進展への期待が拡大するといった波のある動きとなっています。

米債券市場では長期金利の指標となる10年物米国債利回りが低下して、2年債利回りとの「長短金利逆転(逆イールド)」が一段と進んだことや、3カ月物TB(財務省証券)利回りが30年債利回りを上回る逆イールドが2007年以来初めて発生しました。このため、景気の先行きに対する不安感が強まりました。

ジョンソン英首相が10月中旬まで英議会の閉会を決めました。英国の欧州連合(EU)離脱問題で反対派の抵抗を封じて「合意なき離脱」の可能性が高まったと受け止められました。

米国では9月2日がレーバーデー(労働者の日)となりますが、この休みが明けると市場関係者が本格的にマーケットに戻ってくるといわれていますので、ここからの動きに注目していきましょう。

週間の概況

注目イベント

9月4日(水)10:30(豪国)4-6月期四半期GDP
9月4日(水)10:45(中国)8月Caixinサービス部門購買担当者景気指数
9月4日(水)17:00(ユーロ圏)8月サービス部門購買担当者景気指数
9月4日(水)18:00(ユーロ圏)7月小売売上高
9月4日(水)21:30(米国)7月貿易収支
9月4日(水)23:00(加国)カナダ銀行 政策金利
9月4日(水)27:00(米国)米地区連銀経済報告(ベージュブック)
9月5日(木)20:30(米国)8月チャレンジャー人員削減数
9月5日(木)21:15(米国)8月ADP雇用統計
9月5日(木)21:30(米国)4-6月期四半期非農業部門労働生産
9月5日(木)21:30(米国)新規失業保険申請件数
9月5日(木)22:45(米国)8月サービス部門購買担当者景気指数
9月5日(木)22:45(米国)8月総合購買担当者景気指数
9月5日(木)23:00(米国)7月製造業新規受注
9月5日(木)23:00(米国)8月ISM非製造業景況指数
9月6日(金)14:00(日本)7月景気先行指数、7月景気一致指数
9月6日(金)18:00(ユーロ圏)4-6月期四半期GDP
9月6日(金)21:30(米国)8月非農業部門雇用者数変化
9月6日(金)21:30(米国)8月失業率
9月6日(金)21:30(米国)8月平均時給
9月6日(金)21:30(加国)8月新規雇用者数
9月6日(金)21:30(加国)8月失業率
9月9日(月)08:50(日本)4-6月期四半期実質GDP
9月9日(月)08:50(日本)7月国際収支・経常収支、貿易収支
9月9日(月)17:30(英国)7月月次GDP
9月9日(月)17:30(英国)7月鉱工業生産指数
9月10日(火)04:00(米国)7月消費者信用残高
9月10日(火)10:30(中国)8月消費者物価指数、8月生産者物価指数
9月10日(火)17:30(英国)8月失業保険申請件数

*今週は日欧をはじめとする各国のGDPや米国の雇用統計に注目しましょう。新規失業保険申請件数の結果も確認しましょう。

チャート分析による銘柄診断

日経225分析

※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。

現在のステージ

第4ステージ
第4ステージは下降期です。

今後を読み取る鍵

短期移動平均線と帯の関係に注目していきましょう。
・上昇トレンドに移行する場合は、短期移動平均線が帯を上抜けていきます。
・下降トレンドに勢いが出る場合は、帯に傾きが出て間隔が広がってきます。
そこに注目していきましょう。

重要な価格

高値21,900円 安値20,036円
※抵抗線・支持線となりやすい価格です。そこを突破することに意味があります。

NYダウ分析

※移動平均線大循環分析の見方はこのレポートの最後にまとめてあります。ご参照ください。

現在のステージ

第5ステージ
第5ステージは下降相場の終焉です。

今後を読み取る鍵

短期移動平均線と帯の関係に注目していきましょう。
・上昇トレンドに移行する場合は、短期移動平均線が帯を上抜けていきます。
・下降トレンドに移行する場合は、短期移動平均線が帯を下抜けていきます。
そこに注目していきましょう。

重要な価格

高値27,392ドル 安値25,054ドル
※抵抗線・支持線となりやすい価格、そこを突破することに意味があります。

小次郎講師のVトレーダー養成講座

今週は前回からの続きで果たして買いよりも売りの方が有利なのかどうかを見ていきましょう。

買いエントリーしてから利益を獲るためには時間がかかりますが、売りなら短時間で利益が獲れます。

また逆に考えると、売りエントリーした相場では、損の発生は時間をかけてじわじわと進行していきますが、買いの場合は短時間で損が発生します。

チャートをじっくりと見てください。大陽線より、大陰線のほうが多いうえに、大きいことに気づきませんか。下げ相場は急落します。その結果、ロスカット注文を出していても、約定価格がロスカット設定価格を大きく下回ってしまうことがあります。

ところが、売り方のロスカットは違います。相場はじわじわと上がるので、設定したロスカットラインできちんと決済できる可能性が高いのです。この差は小さくありません。

また、一般的に、買い方には個人トレーダーが多く、売り方には資金が潤沢なファンドや機関投資家といったプロが中心という構図も見受けられます。つまり、買い方と売り方の戦いはアマ対プロになりやすいのです。一概にプロが有利とは言いにくい面もありますが、過去の例を見ると、やはり、プロはプロです。

もうひとつ、かつて、“売り将軍”と呼ばれた大相場師・山崎種二の言葉を紹介します。彼は、「買いで儲けた1億円と、売りで儲けた1億円では価値が違う」と言っています。

「同じ1億円に違いがあるのか」と訝しがるトレーダーもいるでしょう。しかし、よく考えてみてください。株やコモディティを買って1億円という大金を儲けたときは、世の中は概して、インフレ状況に見舞われているはずです。インフレなら1億円の価値は割り引かなければいけません。逆に、下げで1億円を儲けられるなら、世の中がデフレです。デフレ下の1億円は、いつもの1億円以上の価値があるはずです。

基本的に、すべての取引において買い方と売り方は同条件ですので、買いと売りを比べてどちらが有利か不利かは本来ありませんが、以上のことから、強いて言えば、やや売り方が有利かもしれないというのが私の持論です。

4、売買に規制がかかるマーケットと銘柄

例えば、株式市場の空売り規制がそうです。間違いなく下げそうな銘柄に限って空売り規制が入るのは不思議です。いずれにせよそういったマーケットでは、トレーダーは安心してトレードができませんね。

では、来週は小次郎講師流、取引銘柄の条件を見ていきましょう。

移動平均線大循環分析の見方(簡易版)

移動平均線大循環分析とは?

3本の移動平均線の並び順と傾きで現状を分析し、今後の展開を予測する指標です。価格変動の中で買いにエッジ(優位性)が発生する局面、売りにエッジが発生する局面を見つけ出すことができます。

移動平均線大循環分析

ステージとは?

3本の線の並び順は全部で6種類。それをステージ1から6と名付けました。(下図参照)
価格変動の中でステージは基本的に時計回りで推移し、ときに一時的に反時計回りで推移します。
つまり現在がステージ1だとすると、次に移行するのはステージ2というのが基本で、ときにステージ6に戻ることがあるということです。これ以外の展開はありません。これにより今後の展開が読みやすくなります。

売買チャンス

ステージ1で3本の線が右肩上がりのときは買いトレードにエッジ(優位性)があります。ステージ4で3本の線が右肩下がりのときは売りトレードにエッジがあります。

移動平均線大循環分析において中期移動平均線と長期移動平均線の間を「帯(おび)」と言います。帯は大局トレンドの状態を示します。

帯による分析

帯が傾きを持ち間隔が広がっている状態が、トレンドが勢いを持っている状態です。間隔が狭まったり傾きが緩やかになるとトレンドが勢いを失ったことがわかります。またもみあい相場では帯は横這いとなり、細くなります。
価格及び短期移動平均線が帯の上にいるのが買い時代、帯の下にいるのが売り時代を表します。

※3本の移動平均線は短期5日、中期20日、長期40日のEMA(指数平滑移動平均線)を利用しています。

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