新興株ウィークリー

「eスポーツ」関連銘柄をピックアップ!!

2020/1/8
投資情報部 長谷川 稔

新年明けましておめでとうございます。本年も投資家の皆様に役立つ情報を提供していきたいと思います。「新興株ウィークリー」をご愛読のほど、よろしくお願いいたします。

さて2020年の最初の回は、「eスポーツ」関連銘柄に焦点を当ててみました。これは1/11(土)~1/12(日)に「TOKYO eスポーツフェスタ」と銘打ったイベントが初めて東京ビッグサイトで開催されることを意識したものです。この催しがマスコミ等で報道されれば、eスポーツ関連銘柄に対する関心が高まることも期待できるのではないでしょうか?

eスポーツは、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉えたものです。日本はゲーム開発やゲーム機械では世界の先進国でありながら、eスポーツの認知度は決して高くはありません。しかし、世界の競技人口は1億人とも言われており、2022年のアジア大会(杭州)では、正式なメダル種目としてeスポーツが採用されることが決定した模様です。また、東京の次の2024年のパリ五輪でも、eスポーツは新種目として採用が検討されるなど、その普及ぶりには目覚ましいものがあります。

総務省が2018年3月に発表した「eスポーツ産業に関する調査研究報告書」によれば、世界のeスポーツ産業の市場規模は2018年で969億円。2021年には1,765億円に急成長すると予想されています。また別の観点からは、世界ではeスポーツが将来のビッグビジネスになるのではと捉えられています。

eスポーツは、SBI証券の「テーマキラー・投資」でもロングランテーマの一つとして、人気があります。また、昨年1年間のパフォーマンスは+45.6%(1/7現在)と、TOPIXの上昇率を2倍以上も上回る良好な成果を挙げています。皆様の投資のご参考になれば幸いです。

今回のポイント

1.急成長が見込まれるeスポーツ市場と関連銘柄

表1 主なeスポーツの種目

主なジャンル 内容
TPS/FPS シューティングゲーム、4~5人でチーム戦が多い。
「Call of Duty」シリーズなど
MOBA チーム戦で陣地制圧を目指す。高額賞金大会が多い。
「League of Legends」、「Dota2」など
格闘ゲーム 日本で流行しているゲーム、1人でキャラクターを操作。
「ストリートファイター」、「大乱闘スマッシュブラザーズ」など
スポーツ リアルスポーツをビデオゲーム化したもの。
「実況パワフルプロ野球」、「ウイニングイレブン」など
パズルゲーム ルールが簡単で誰でも楽しめ、eスポーツ種目採用。
「テトリス」、「ぷよぷよ」など

冒頭でも触れましたように、eスポーツは世界でもどんどん認知度を高めており、将来ビッグビジネスになる可能性を予感させています。既にアジア大会での正式種目と認定されたうえ、東京の次のパリ五輪での種目として検討されているなどの動きがあります。また海外を中心に高額の賞金大会(米国では優勝賞金300万ドルがあった)が数多く開催されています。また、選手サイドでもプロ化が進展するなど、大きな変化が訪れています。

ソニー生命が昨年8月に発表した、男子中学生のなりたい職業調査では、「eスポーツ・プレイヤー」が23%で2位にランクされています。ちなみに1位は30%のYouTuber(動画投稿者)、3位はゲームクリエイター、4位がITエンジニア・プログラマー、と続いています。

表1は、eスポーツの主な種目をジャンル別に整理したものです。これ以外にもたくさんのゲーム種類がありますが、「League of Legends」、「Dota2」、「Call of Duty」などのチーム戦が世界的には人気があるようです。

総務省が2018年3月に発表した「eスポーツ産業に関する調査研究報告書」によれば、世界のeスポーツ産業の市場規模は2018年で969億円。2021年には1,765億円に急成長すると予想されています。今後世界での認知度が高まれば、市場規模はさらに拡大するポテンシャルがあると思われます。

それでは関連銘柄を抽出してみたいと思います。抽出条件としては、「銘柄検索ツール」で「eスポーツ」をキーワードとして使ったほか、「新興株ウィークリー」が関連銘柄と思うものもピックアップしてみました。

また上場市場は、マザーズおよびJASDAQに限定しました。関連銘柄としてはソニー(6758)、任天堂(7974)、カプコン(9697)なども連想されますが、これらの銘柄への「eスポーツ」の業績寄与は相対的に小さく、むしろ新興市場上場の銘柄の方が株価も含めたインパクトが大きいと思われます。 抽出された関連銘柄を、ジャンル別に並べたもの(同一ジャンル内はコード順)が表2の銘柄群です。

表2 eスポーツ関連銘柄はコレ!?

取引 チャート ポート
フォリオ
コード 銘柄名 株価(円)
1月7日
eスポーツ関連内容
<ゲーム関連>
2121 2121 2121 2121 ミクシィ 2,063 大ヒット作「モンスターストライク」を有する
3760 3760 3760 3760 ケイブ 1,222 シューティングゲーム「怒首領蜂一面番長」
3904 3904 3904 3904 カヤック 592 スマホ向け賞金付き大会「RANKERS」開催
<PCなど機器関連>
3020 3020 3020 3020 アプライド 1,801 ゲーム用の高機能PCなどの販売店運営
3375 3375 3375 3375 ZOA 833 PCの小売販売が収益源
<サイト運営関連>
2436 2436 2436 2436 共同ピーアール 1,265 eスポーツ大会のPR活動など
2743 2743 2743 2743 ピクセルカンパニーズ 182 「e-sportsスタジアム」を開設
3990 3990 3990 3990 UUUM 4,675 YouTuberのプラットフォーマー
3995 3995 3995 3995 SKIYAKI 615 eスポーツプロチームのサイト運営
4308 4308 4308 4308 Jストリーム 728 ソフマップのeスポーツスタジオおよび技術提供
<チーム運営など>
3664 3664 3664 3664 モブキャストホールディングス 343 プロゲーマーチーム“Team mobcast”を発足
3911 3911 3911 3911 Aiming 309 eスポーツプロチームのメインスポンサー
7066 7066 7066 7066 ピアズ 2,192 eスポーツイベントの企画運営
7803 7803 7803 7803 ブシロード 3,685 自社IP、プロレス興行のノウハウ

※当社WEBサイトの銘柄検索機能、各社の公表資料等をもとにSBI証券が作成。

2.抽出銘柄のポイント

それでは表2で抽出された銘柄群のうち数銘柄について、チャートとポイントを簡単にご紹介したいと思います。

ミクシィ(2121)は、2006年にマザーズに上場しています。SNSの「mixi」で経営基盤を築きましたが、2013年に上梓したスマホゲームの「モンスターストライク」が大ヒットしました。同ゲームは世界累計利用者が5,300万人を突破しており、国内の高額賞金イベント「モンストグランプリ」を主催しています。業績面ではスマホゲームのピークアウトから減益傾向が続いていますが、キャッシュリッチ企業でもあり、現行水準での安定的な配当が期待できそうです。高配当銘柄(直近の株価水準なら予想配当利回りが5%以上)としても注目しています。

カヤック (3904)は、2014年にマザーズに上場しています。自ら「面白法人カヤック」と名乗るユニークな会社です。ネット広告などの受託制作とソーシャルゲームが主体の会社です。新事業としてeスポーツ(プロゲーマーのマネジメントやゲーム大会のプロデュースなど)ビジネスに乗り出して、市場開拓を進めています。新規事業の投資負担で前期決算は赤字継続となった模様ですが、2020年は受託制作の増勢とゲームの新作貢献で復調を目指しています。

共同ピーアール(2436)は、2005年にJASDAQに上場しています。企業などが行うパブリシティ活動(広報・PR)の支援およびコンサルティングを行っている企業です。スポーツPRに強みをもっています。新規契約の好調に加え、あらたに海外クライアントの獲得などが奏功し好調な決算となっています。 今期はペイドパブリシティ分野(新聞雑誌の特定ページを購入し顧客の意図する内容を記事形式で掲載する)が好調です。ゲームのPR代行会社として注目されます。

UUUM(3990);2017年8月にマザーズに上場しています。YouTuberの制作サポート事業を展開しています。動画視聴数連動のアドセンス、広告収入が経営の柱です。同社の強みは、「はじめしゃちょー」、「HIKAKIN」などの人気専属YouTuberを多数そろえていることです。新領域としては人気インスタグラマーによる動画広告の制作サービスも手がけています。eスポーツ関連の動画配信増加が期待されます。

ブシロード(7803); 2019年7月にマザーズに上場しています。エンターテインメント事業と新日本プロレスの興行を中心とするスポーツ事業の2つが経営の柱です。エンターテインメント事業は自社開発・所有のIP(著作権、商標権)を使ったトレーディングカードやモバイルオンラインゲームなどが主力です。「バンドリ!」、「新日本プロレス」、「ヴァンガード」などの主力IPが好調で、今期の業績も堅調と思われます。自社IPや興行ビジネスにおけるノウハウがeスポーツ分野でも生かされる可能性がありそうです。

図1 ミクシィ(2121)・日足

図2 カヤック (3904)・日足

図3 共同ピーアール(2436)・日足

図4 UUUM(3990)・日足

図5 ブシロード(7803)・日足

※図1から図5は、当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

3.【新興市場Now】新興市場は好調を持続

東証マザーズ指数の1/7(火)終値は893.27と、12/24(火)終値879.62に対して1.6%の上昇となりました。JASDAQ平均は2.8%の大幅上昇で引き続き昨年来高値を更新しました。同じ期間の日経平均は1.1%の下落でしたから、新興市場の好調が目立っています。中東情勢の緊迫化により、景気の先行き懸念が台頭し大型株が売られる一方、値動きが軽い中小型株が相対的に選好される形が継続しています。

マザーズ市場の時価総額の大きい銘柄では、ラクス(3923)が続伸となりました。またそのほかでは12月のIPO銘柄であるJMDC(4483)フリー(4478)JTOWER(4485)などの今後の主力級銘柄と目される企業の堅調さが目立っています。また、2Q決算が好調で、1/10(金)が決算発表予定日のエルテス(3967)の上昇も目立ちました。

JASDAQ市場の時価総額が大きい銘柄では、昨年後半好調だったワークマン(7564)が小反落となったほか、12/26(木)に株主優待の権利が確定した日本マクドナルドホールディングス(2702)も一服となりましたが、業績好調で1/31(金)に決算発表を控えている東映アニメーション(4816)が大幅高となりました。

※東証マザーズ指数について:東証マザーズ市場は近い将来東証1部へのステップアップを視野に入れた成長企業向けの市場です。マザーズ指数は、マザーズ市場に上場する全銘柄の時価総額加重平均型(浮動株調整後)の指数です。ただし、一部の時価総額の大きい銘柄の影響度が大きい点に注意を要します。ちなみに2019年12月末のマザーズ市場の時価総額に占めるそーせいグループ(4565)が6.6%、メルカリ(4385)が6.1%、ジーエヌアイグループ(2160)が4.7%、ミクシィ(2121)が3.6%などとなっています。

図6:東証マザーズ指数(日足)

図7:JASDAQ平均(日足)

※図6、図7ともに当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

表3:主要株式指標の騰落率(12/24~1/7)

指数 終値(1/7) 騰落率
日経平均株価 23,575.72 -1.1%
東証マザーズ指数 893.27 1.6%
JASDAQ平均株価 3,872.72 2.8%

表4:主要新興市場銘柄の騰落率(12/24~1/7)

コード 銘柄 終値(1/7) 騰落率
マザーズ市場の時価総額上位銘柄
4385 メルカリ 2,206 -1.7%
3923 ラクス 2,000 2.0%
3479 ティーケーピー 4,350 0.8%
4565 そーせいグループ 2,117 -4.7%
2121 ミクシィ 2,063 -0.7%
JASDAQ市場の時価総額上位銘柄
7564 ワークマン 10,110 -0.9%
2702 日本マクドナルドホールディングス 5,270 -0.9%
6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ 5,170 -0.2%
6425 ユニバーサルエンターテインメント 3,650 -2.1%
4816 東映アニメーション 5,590 10.7%
直近上場銘柄・市場で話題の銘柄
3967 エルテス 1,946 6.2%
4593 ヘリオス 1,515 3.6%
6027 弁護士ドットコム 5,710 -1.6%
4478 フリー 3,440 9.9%
7806 MTG 829 4.5%

※表3・表4はBloombergデータをもとにSBI証券が作成。騰落率は12/24(火)と1/7(火)終値の比較による。時価総額は12月末基準。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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