新興株ウィークリー

市場が業績拡大を見込む新興市場銘柄はコチラ!?

2020/7/29
投資情報部 鈴木 英之

株式市場は足元、調整色の強い状況になっています。東証マザーズやジャスダックなど新興市場についても、上昇一服の場面となっています。株式市場では2020/4~6期の決算発表が始まっていますが、さすがに、様子見気分が強まっているようです。

そうした中、アナリストが業績予想を公表している新興市場銘柄について、決算発表予定日とともにチェックしておくことは重要であると考えられます。ただ、決算発表のタイミングに銘柄を買い持ちしておくことのリスクは小さくないと思われ、市場の業績見通しを頭に入れたうえで、決算発表後に素早く対応する方が「正攻法」と言えるかもしれません。

今回のポイント

1.市場が業績拡大を見込む新興市場銘柄はコチラ!?

それではさっそく、市場が業績拡大を見込む新興市場銘柄の抽出を行ってみたいと思います。スクリーニング条件は以下の通りです。

(1)ジャスダック(スタンダード)市場または東証マザーズ市場に上場する銘柄であること。

(2)時価総額50億円以上の銘柄であること。

(3)3月末または、6月末、9月末、12月末を本決算期末とする銘柄であること。

(4)業績予想を公表しているアナリストが2名以上いる銘柄であること。

(5)当四半期(2020/4~6期)の市場予想(市場コンセンサス)営業利益が黒字で、前年同期比増益(黒字転換も含む)の銘柄であること。

(6)今期・来期の市場予想営業増益率が10%以上の銘柄であること。

上記のすべての条件を満たした銘柄について、(5)の当四半期市場予想営業増益率が高い順に並べたものが表1です。これらの銘柄は、当面の業績について、市場の期待値が高い銘柄であると考えることができます。

表1 市場が業績拡大を見込む新興市場銘柄はコチラ!?(3月、6月、9月、12月決算銘柄)

取引 チャート ポート
フォリオ
コード 銘柄 株価
7/29
決算発表
予定日
予想営業増益率
当四半期 今期(通期)
4293 4293 4293 4293 セプテーニ・ホールディングス(9) 192 7/30 黒字転換 747.9%
6095 6095 6095 6095 メドピア(9) 3,050 8/13 260.2% 58.5%
3793 3793 3793 3793 ドリコム 601 7/30 145.6% 88.0%
3540 3540 3540 3540 歯愛メディカル(12) 4,040 8/11 33.2% 15.0%
3923 3923 3923 3923 ラクス 2,423 8/13 27.3% 132.3%
4390 4390 4390 4390 アイ・ピー・エス 1,988 8/14 10.7% 49.2%
4970 4970 4970 4970 東洋合成工業 8,910 8/7 7.7% 11.1%
6556 6556 6556 6556 ウェルビー 1,325 8/13 7.0% 13.2%

※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。銘柄名右が無印の銘柄は3月決算、同(9)とある銘柄は9月決算、同(12)とあるのは12月決算銘柄であることを示しています。「当四半期」は2020年4~6月期を示しています。予想はBloombergが集計した市場コンセンサスとなっています。なお、当レポート作成後に業績修正等の発表や観測記事が出る場合もありますので、ご注意ください。

2.抽出銘柄の投資ポイント

セプテーニ・ホールディングス(4293)は9月決算銘柄で、上半期(2019/10~2020/3)の営業利益は10.4億円(前年同期比7.1%増)と好調でした。当四半期(2020/4~2020/6期)は前年同期の赤字から1.85億円前後の黒字に転換すると市場では予想しています。新型コロナウイルスの感染拡大が逆風になりにくいDX(デジタルトランスフォーメーション)支援事業に展開していることは強みと考えられます。

メドピア(6095)は医師向けコミュニティサイト「MedPeer」を運営しています。この銘柄も9月決算銘柄で、上半期(2019/10~2020/3)の営業利益は4.84億円(前年同期比46.6%増)と好調でした。当四半期(2020/4~2020/6期)の営業利益は前年同期の0.51億円から1.85億円前後へ増益となると市場は予想しています。当社の「first call」は、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策の一環として経済産業省が設置する「健康相談窓口」に選定されています。オンライン医療相談を活用して、生活者の健康不安の早期解消等を支援するこの事業は、時代の風を大きくとらえた事業といえそうです。

なお、ドリコム(3793)については、もともと会社側が2021/3期について、通期の業績予想は公表していないものの、第1四半期(2020/4~6期)について、3億円の営業利益という予想を公表していました。それについては7/27(月)の取引終了後に6億円に上方修正するとの発表があり、株価は7/27(月)終値678円に対し、翌日は一時734円と好感されましたが、好材料出尽くし感から7/29(水)には安値600円まで下げています。7/30(木)に改めて予定されている決算発表を経て、通期の市場予想営業利益がどう修正されてくるかがポイントになりそうです。

さらに、ラクス(3923)についても、2021/3期の業績予想は未公表でしたが、7/14(火)に会社側から同期の予想営業利益を32.9億円(前期比180.2%増)とする見通しを発表してきました。同期の営業利益について市場コンセンサスは27億円程度であり、会社予想はこれを超えてきたことから、株価は7/13(月)1,956円から7/29(水)は2,423円まで織り込みが進んでいます。このため、8/13(木)予定の決算発表では、サプライズが生じない可能性も大きそうです。

図1にもある通り、東証マザーズを含む新興市場は、足元調整局面にあるように思われます。東証1部に比べ、アナリストがカバーしている銘柄が少ないため、決算発表のタイミングに銘柄を買い持ちしておくことのリスクは小さくないと思われます。むしろ、表1にあるような市場の業績見通しを頭に入れたうえで、決算発表後に素早く対応する方が「正攻法」と言えるかもしれません。

図1 東証マザーズ指数

図2 ドリコム(3793・日足)

※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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