新興株ウィークリー

決算発表終盤へ!~大幅増益の新興銘柄はコチラ!?

2020/8/12
投資情報部 鈴木 英之

東京株式市場は落ち着いた動きになっています。新型コロナウイルスの感染拡大が続き、景気・企業業績への悪化懸念は根強いものがありますが、決算発表を通じ、織り込みが進みつつあります。

そうした中、今回も「新興株ウィークリー」では、決算発表を分析し、2020年4~6月期の営業利益が大幅に増えた銘柄を抽出してみたいと思います。前回の「新興株ウィークリー」では3月決算銘柄について、好業績銘柄をご紹介し、6月末や9月末、12月末が決算期の銘柄は機会を改めて紹介するとご説明していました。今回はそれに基づき、好決算銘柄の追加情報をお伝えするものとなっています。

今回のポイント

1.大幅増益の新興銘柄はコチラ

それではさっそく、業績好調な新興市場銘柄のスクリーニングを行ってみたいと思います。

(1)ジャスダック(スタンダード)市場または東証マザーズ市場に上場する銘柄であること。

(2)6月末、9月末、12月末を本決算期末とする銘柄であること。

(3)時価総額が50億円以上の銘柄であること。

(4)広義の金融以外の業種に属している銘柄であること。

(5)「継続企業の前提」について、疑義が生じている銘柄でないこと。

(6)直近四半期(2020/4~6期)の決算発表が8/11(火)までに終了している銘柄であること。

(7)直近四半期(2020/4~6期)の営業利益が1億円以上の黒字となっていること。

(8)直近四半期(2020/4~6期)の営業利益が前年同期比で50%以上の増益、または黒字転換になっていること。

以上のすべての条件を満たした銘柄について、直近四半期営業増益率が高い順(ただし、「黒字転換」が最上位)に並べたものが表1です。これらの銘柄は、今回の四半期(2020/4~6期)決算発表で、市場から「好業績銘柄」として認識され、株価が追い風を受けやすい銘柄であると「新興株ウィークリー」では考えています。

新興市場の決算発表はいまが佳境となっています。前回の「新興株ウィークリー」では3月決算銘柄について、好業績銘柄をご紹介し、6月末や9月末、12月末が決算期の銘柄は機会を改めて紹介するとご説明していました。今回はそれに基づき、好決算銘柄の追加情報をお伝えするものとなっています。

表1 当四半期(2020/4~6期)の営業利益が50%超増益となった好業績の新興市場銘柄

取引 チャート ポート
フォリオ
コード 銘柄 株価
8/12
決算発表
直前株価
決算発表後
騰落率
営業利益(百万円) 前年同期
比増減率
2019/4~6 2020/4~6
3242 3242 3242 3242 アーバネットコーポレーション 271 269 0.7% -148 1,414 黒字転換
4385 4385 4385 4385 メルカリ 4,850 4,660 4.1% -6,168 984 黒字転換
4293 4293 4293 4293 セプテーニ・ホールディングス 257 191 34.6% -1,214 227 黒字転換
6425 6425 6425 6425 ユニバーサルエンターテインメント 2,009 1,882 6.7% -698 6,790 黒字転換
3776 3776 3776 3776 ブロードバンドタワー 220 191 15.2% -143 106 黒字転換
6239 6239 6239 6239 ナガオカ 842 1,070 -21.3% 28 203 621.5%
6497 6497 6497 6497 ハマイ 983 980 0.3% 22 153 611.7%
7963 7963 7963 7963 興研 2,536 2,981 -14.9% 53 291 451.9%
9823 9823 9823 9823 マミーマート 2,450 2,499 -2.0% 432 2,122 391.2%
3998 3998 3998 3998 すららネット 3,665 3,480 5.3% 34 107 216.6%
6195 6195 6195 6195 ホープ 4,730 4,030 17.4% 332 938 182.4%
4769 4769 4769 4769 インフォメーションクリエーティブ 824 729 13.0% 60 135 124.1%
3540 3540 3540 3540 歯愛メディカル 4,530 4,700 -3.6% 471 1,019 116.3%
7826 7826 7826 7826 フルヤ金属 7,640 7,700 -0.8% 529 1,017 92.2%
4424 4424 4424 4424 Amazia 3,815 4,515 -15.5% 135 241 79.1%
2226 2226 2226 2226 湖池屋 4,710 4,910 -4.1% 292 513 75.9%
7643 7643 7643 7643 ダイイチ 820 924 -11.3% 352 573 62.5%
1381 1381 1381 1381 アクシーズ 2,902 2,960 -2.0% 529 851 60.9%

※各社株価データ、各社公表データ、報道等をもとにSBI証券が作成。決算発表後騰落率は、決算発表日(取引終了後に発表の場合)から8/12(水)までの株価騰落率。決算発表が取引時間中の場合は、その前営業日終値からの騰落。

2.「グロース&バリュー」と新興市場

株式市場では、個別銘柄を「グロース銘柄」と「バリュー銘柄」に大別する方法があります。前者は成長期待が強く、PERやPBRで割高な水準まで買われやすい銘柄、後者は成長性に乏しいものの、PERやPBRで割安感が強くなっている銘柄を指すと考えて差し支えないと思われます。新興市場に属す銘柄は一般的に、グロース銘柄と考えられやすいですが、東証マザーズ銘柄の方が、ジャスダック銘柄よりも、創立後若い銘柄が多いと見受けられます。その意味で、東証マザーズ銘柄に比べれば、ジャスダック銘柄はバリュー的色彩が強いと言えるかもしれません。

世界的に株式市場ではアップルやアマゾン等「GAFA」と称されるグロース銘柄がリード役とみられますが、我が国の新興市場でも、グロース的な色彩の強い東証マザースが年初の高値水準を超える一方で、日経ジャスダック平均は年初の高値水準回復まで距離を残す状況となっています。

そもそも、「グロース銘柄」と称される以上、景気循環にかかわらず、その独自の競争力や事業素質で成長を続けてほしいものです。新興株式市場等に上場し、比較的短期間で東証1部に格上げされ、さらに成長を続けていくような企業は、新型コロナウイルスの感染拡大という逆風でさえ、追い風に変えてしまう勢いがあるものです。

その意味で、新興市場に上場し、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した2020年4~6月期について、本業のもうけである営業利益が前年同期比で大幅に増えている企業は、グロース銘柄としての最低条件を備えていると言えるかもしれません。

ただ、日米株式市場ともに、グロース銘柄には買い疲れ感があるように思われます。海外市場では金先物が高値波乱となりましたが、金価格の下落は、米金利の上昇や円安・ドル高、グロース銘柄の下落等につながりやすい要因です。その意味で短期的には、新興市場、特に東証マザーズ市場に逆風が強くなっており、同市場の銘柄が好決算に素直に反映しないケースも出てきているとみられ、一応の注意が必要です。

図1 東証マザーズ指数(週足)

※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

図2 日経ジャスダック平均(週足)

※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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