新興株ウィークリー

将来の「テンバガー」銘柄を探る~直近、新規上場し活躍期待の銘柄は?

2022/6/22
投資情報部 鈴木 英之

東証マザーズ指数は6/15(水)~6/20(月)に4営業日続落するなど、世界的なインフレ・金利上昇懸念が依然として逆風となったようです。ただ、重要日程の消化が進んだこともあり、足元は落ち着く兆しをみせています。

グロース市場が落ち着きを取り戻す中、直近上場銘柄への関心も深まっているように思われます。ANYCOLOR(5032)のように、活躍が見込まれる銘柄は他にあるでしょうか。

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執筆者のプロフィール

SBI証券 投資情報部長 鈴木 英之
・出身 東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味 ハロプロ(牧野真莉愛推し)の応援と旅行(のりテツ)
・特技 どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物 サイゼリヤのごはん
・よくいくところ 京都
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的寄稿も多数。

今回のポイント

1.金利上昇懸念で下落も、足元は落ち着く兆し

6/14(火)~6/21(火)の東証マザーズ指数は2.2%下落しました。また、同期間の日経平均株価は1.4%下落し、TOPIXも1.2%下落しました。

米国株式市場は、5月消費者物価の上振れを受けて6/10(金)に急落した後、FOMC(6/15結果発表)をはさみ、インフレや金利上昇に対する懸念を背景に、その後も6/16(木)までは総じて不安定な展開となりました。しかし、6/17(金)・6/21(火)は自律反発局面となりました。日本株もおおむねそれに準じた動きとなり、金利上昇懸念がくすぶり続けた分、総じてグロース銘柄の動きを示す東証マザーズ指数も軟調となりましたが、6/21(火)には、落ち着きを取り戻す兆しをみせています。

こうした中、東証マザーズ指数を構成する時価総額上位銘柄の中では、JTOWER(4485)の上昇が目立ちました。国内証券が6/15(水)に「強気」で調査を開始し、6/17(金)~6/21(火)に3営業日続伸となりました。国内におけるインフラシェアリングのニーズの高まりを受け、アナリストは売上成長率が加速するとみているようです。

その他の銘柄では、ENECHANGE(4169)の上昇が目立ちました。電気料金の値上げが見込まれる環境下で、新電力の事業環境が上向くとの期待が背景とみられます。また、GAtechnologies(3491)も大きく値上がりしました。6/14(火)の取引終了後に2022年10月期・上半期決算と、通期業績予想の上方修正を発表し、6/15(水)にはストップ高まで買われました。

図表1 日経平均株価と東証マザーズ指数の推移

※SBI証券チャートツールを用いてSBI証券が作成。
※2021/9/30終値を1として指数化。 期間:2021/9/30~2022/6/21

図表2 主な東証マザーズ指数構成銘柄の値動き

コード 銘柄名 株価(6/21) 週間 年初来
4194 ビジョナル 5,700 -3.4% -41.3%
4478 フリー 3,160 -0.2% -50.3%
4485 JTOWER 5,980 9.7% -38.0%
7342 ウェルスナビ 1,823 -5.4% -10.8%
4071 プラスアルファ・コンサルティング 2,113 5.0% -33.6%
4565 そーせいグループ 1,033 -6.5% -45.7%
6027 弁護士ドットコム 3,655 -6.2% -40.0%
4180 Appier Group 801 1.5% -39.9%
4480 メドレー 2,400 -3.6% 1.2%
3479 ティーケーピー 1,698 5.7% 23.2%
【ご参考】 日経平均株価 26,246.31 -1.4% -8.8%
  TOPIX 1,856.20 -1.2% -6.8%
  東証マザーズ指数 640.35 -2.2% -35.2%

※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
※銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※東証マザーズ指数構成銘柄の時価総額上位10銘柄について、6/21時点での各種騰落率を掲載。
※新規上場銘柄は東証マザーズ指数への組み入れ後に掲載開始となります。
※「週間」は2022/6/14~2022/6/21の騰落率。
※個別銘柄の「年初来」は昨年末株価と6/21時点の株価比較。
※指数の「年初来」は株価による単純計算。
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

図表3 6/14(火)~6/21(火)で株価上昇が大きかった東証マザーズ指数構成銘柄

コード 銘柄名 株価(6/21) 週間 年初来
4169 ENECHANGE 1,033 49.9% -48.1%
3491 GAtechnologies 1,191 22.0% -8.6%
3187 サンワカンパニー 803 15.4% 90.3%
4393 バンク・オブ・イノベーション 3,015 12.2% 76.4%
4485 JTOWER 5,980 9.7% -38.0%
9251 AB&Company 746 9.1% -46.5%
6030 アドベンチャー 9,280 7.7% 29.4%
4417 グローバルセキュリティエキスパート 3,560 6.7% 6.0%
4389 プロパティデータバンク 2,156 6.7% 36.5%
4592 サンバイオ 1,084 6.3% 7.6%

※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
※銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※東証マザーズ指数構成銘柄(前月末時価総額100億円以上)において、週間の株価上昇率が大きい上位10銘柄を掲載。
※新規上場銘柄は東証マザーズ指数への組み入れ後に掲載開始となります。
※「週間」は2022/6/14~2022/6/21の騰落率。
※個別銘柄の「年初来」は昨年末株価と6/21時点の株価比較。
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

2.将来の「テンバガー」銘柄を探る~直近、新規上場し活躍期待の銘柄は?

前項でご説明したように、下落基調が続いてきた株式市場ですが、足元は落ち着きを取り戻す兆しをみせています。相対的に下落が厳しかったグロース銘柄についても、押し目買いの好機が来ている可能性がありそうです。

こうした中、IPO(新規上場)市場も荒波にもまれてきました。2021年1月から12月までの東証(Tokyo Pro Marketを除く)のIPO社数は123社と前年比31社増え、14年ぶりに100社を超えました。2022年は6/20(月)現在で26社となっており、前年同期の36社に比べると、遅いペースになっており、株式市場低迷の影響が表れています。株価も新規上場後間もなく、下落するケースが目立っています。

ただ、例外的に活躍する銘柄も出ています。6/8(水)上場のANYCOLOR(5032)は公開価格1,530円に対し、初値4,810円がついた後、6/16(木)には一時9,200円まで上昇しました。このように新規上場後も活躍できるような銘柄はないものでしょうか。

図表4は、そうした新規上場後も活躍期待のグロース銘柄を発掘すべく、その候補銘柄をご紹介したものです。銘柄抽出の条件は以下の通りです。

(1)東証グロース市場に上場する銘柄であること。
(2)2021/12/1(水)~2022/6/20(月)に新規上場の銘柄であること。
(3)直近10営業日における最低出来高が1万株以上。
(4)直近四半期の営業利益が以下の条件を満たしていること。
  ・3月決算銘柄の場合、2022年3月期第4四半期の営業利益が2022年3月期通期の営業利益の25%以上。
  ・12月決算銘柄の場合、2022年12月期第1四半期の営業利益が83通期会社予想営業利益の25%以上。
  ・8月決算銘柄の場合、2022年8月期第2四半期累計営業利益が通期会社予想営業利益の50%以上。
(5)過去2期(ない場合は前期のみ)の売上高、営業利益がともに増加(営業利益は黒字転換、赤字縮小を含む)。

図表4の銘柄はこれらの条件をすべて満たしています。特に(5)の連続増収・増益は、「テンバガー」を目指す銘柄にとっては、重要な条件と言えるかもしれません。以下、いくつかの銘柄について概要をご紹介します。

■網屋(4258)

当社は、データセキュリティ事業とネットワークセキュリティ事業を中核とした「サイバーセキュリティの総合企業」です。

データセキュリティ事業では、企業の追跡データの証跡を独自技術を用いたAIテクノロジーで高度なデータ管理を実現できる製品の開発と販売をしています。また、当社の製品は一度販売されると次年度以降、毎年ソフトウェア保守料を販売する「リカーリングモデル」となっており、安定的かつ継続的な収益をもたらすことが可能です。

ネットワークセキュリティ事業では、ネットワークの設計や構築からクラウドの導入や運用、アプリケーションの保守等、川上から川下まであらゆるサービスを提供しています。特にITエンジニアがクラウド上から派遣できる「Network All Cloud」は、テレワークやオフィスのWi-Fi化が進む中、依然として高い需要があることからサービス利用が拡大中です。加えて、サービスの運用や保守は上記と同じく「リカーリングモデル」です。

2022/12期第1四半期決算では営業利益が8300万円と通期目標の27%を通過し、順調なペースです。今後の展望に関しては、同社が「リカーリングモデル」を採用していることから、サービス拡大と共に加速度的な増収にも期待できそうです。

■Institution for a Global Society(4265)

当社は、AI(人工知能)を活用して公平で一貫した人材評価ができるシステム・サービスを企業や教育機関に提供している会社です。当社のシステムは人材の能力を可視化し、他者による評価の偏りや潜在的なステレオタイプなどをAIによって取り除くことができます。

大企業向けのビジネスである「HR(人材)事業」では、人材評価や評価データ分析、コンサルティング等を行っており、2021年3月期は58社の顧客を獲得しました。また、教育事業では、生徒の能力と教育効果をAIで可視化する評価システムや、教育動画コンテンツ、AIを搭載したオンライン英語学習ツールを利用したサービスを提供しています。

2022年3月期は売上高7.2億円(前期比40.1%増)、営業利益0.39億円(前期比365.5%増)と大幅増収・増益を達成しています。2023年3月期会社計画は売上高9.76億円(前期比35.5%増)、営業利益1.8億円(同351.8%増)となっています。

図表4 新規上場後も活躍期待のグロース銘柄は?

取引 チャート ポート
フォリオ
コード 銘柄 新規上場日 初値 直近値(6/21) 騰落率
4258 4258 4258 4258 網屋 2021/12/12 2,100 1,047 -50.1%
7133 7133 7133 7133 HYUGA PRIMARY CARE 2021/12/20 3,640 6,000 64.8%
4265 4265 4265 4265 Institution for a Global Society 2021/12/29 2,002 733 -63.4%
9218 9218 9218 9218 メンタルヘルステクノロジーズ 2022/3/28 880 761 -13.5%
5028 5028 5028 5028 セカンドサイトアナリティカ☆ 2022/4/4 3,190 2,142 -32.9%
5029 5029 5029 5029 サークレイス☆ 2022/4/12 2,320 1,042 -55.1%
5026 5026 5026 5026 トリプルアイズ☆ 2022/5/31 2,200 1,386 -37.0%

※Bloomberg、会社公表データをもとにSBI証券が作成。
※銘柄名右横に星印のある銘柄は、新規上場日に値が付かず、翌営業日に初値が付いた銘柄です。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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