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今週の5銘柄 ~2020年の重要イベント! 相場の波乱要因となりうるのは?~

2019/12/23
投資情報部 榮 聡

先週は米中の堅調な経済指標に加え、米中の第1段階の通商合意にまつわる不透明感が後退して、最高値の更新が続きました。今週はクリスマス休暇入りに加え、重要な株価材料も見当たらず、高値圏でのもち合いとなる可能性が高そうです。

今回は前回取り上げた「高値更新をリードする代表銘柄」を継続して、インテル(INTC)マイクロソフト(MSFT)アップル(AAPL)ユナイテッドヘルス グループ(UNH)アメリカン エキスプレス(AXP)を今週の5銘柄といたします。

図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)

※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率

S&P500業種指数騰落 1週 1ヵ月 3ヵ月
公益事業 2.7% 3.1% 1.2%
不動産 2.7% 1.1% -2.3%
通信サービス 2.5% 3.3% 7.5%
エネルギー 2.5% 3.3% -0.1%
ヘルスケア 2.3% 4.8% 12.3%
情報技術 1.9% 5.3% 13.0%
S&P500 1.7% 3.6% 7.7%
一般消費財・サービス 1.5% 3.5% 2.8%
生活必需品 1.2% 3.3% 4.5%
素材 1.2% 2.7% 4.6%
金融 0.5% 3.0% 9.1%
資本財・サービス 0.3% 0.2% 5.0%
騰落率上位(1週) 騰落率
ネットフリックス 12.9%
イーライリリー 9.0%
エヌビディア 6.9%
フェイスブック 6.3%
サザン 5.1%
騰落率下位(1週) 騰落率
フェデックス -10.6%
ボーイング -4.0%
ゼネラル・エレクトリック(GE) -2.7%
デュポン・ド・ヌムール -1.9%
オラクル -1.7%

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

先週の米国株式市場

12/16(月)は市場予想を上回った中国の11月鉱工業生産、小売売上高が好感されて上昇、12/19(木)はムニューシン米財務長官が米中の「第1段階の通商合意」について、来年1月初旬に署名すると述べたことで安心感が広がりました。さらに、12/20(金)にはトランプ米大統領と中国習近平国家主席の電話会談の報道を受けて続伸です。S&P500指数は週間で1.7%の上昇でした。

業種指数騰落率では、長期金利の上昇を受けて先々週まで売り込まれていた配当利回りが高い業種の「公益事業」「不動産」「通信サービス」などに押し目買いが入ったとみられ上位でした。一方、個別銘柄の悪材料もあって景気への感応度が高い「資本財・サービス」が下位となっています。

個別では、競争が激化している動画ストリーミング各社の中で有望との評価を受けて目標株価の引き上げがあったネットフリックス(NFLX)が上昇の一方、決算発表を受けて通期の業績見通しが下方修正されたフェデックス(FDX)が下落しています。

経済指標では、中国の11月鉱工業生産、小売売上高が前年比6.2%増、同8.0%増とそれぞれ前月の同5.0%増、同7.6%増を上回り、中国経済が安定化しつつあることが示唆されました。マークイットの製造業PMI(速報値)は、ユーロ圏が前月から大きく低下しましたが、米日はわずかに低下したものの概ね水準が維持されました。米国の11月個人所得は前月比0.5%増(予想は同0.3%増)、個人消費は同0.4%増(予想も同0.4%増)と消費の堅調が示されました。

今週の米国株式市場

今週はクリスマス休暇に入ることに加え、相場を動かしそうな材料も来週まで見当たらず、高値近辺でのもち合いでしょうか。

S&P500指数は取引時間中の最高値更新が12/12(木)から7営業日連続を記録して非常に強い動きとなっています。

米中の「第1段階合意」は、(1)未だ合意文書が公表されていないこと、(2)米中の声明に食い違いがあったこと、(3)署名の時期がはっきりしていないこと、などを背景に市場に懐疑が残っているとみられます。このため、この懐疑がクリアになることで、まだ相場の押し上げ要因になっているようです。

ただし、S&P500指数の予想PERは20年の予想EPS180.12ポイント(Bloomberg集計のコンセンサス予想)を基準に17.9倍にまでなっています。来年の前半までを考えて、指数ベースではかなり高値に近いところと考えられ、高値警戒も出てきそうです。

経済指標では、米国の11月新築住宅販売件数(前月比0.3%増の予想)、米国の11月耐久財受注(前月比1.0%増の予想)などが予定されています。

企業決算の発表は、年明け第2週までお休みです。

2020年の重要イベント

19年も押し迫り来年の相場が気になる時期になりましたので、まず、来年の重要イベントについて確認しておきましょう(図表3)。

1月から2月にかけては、「トランプ米大統領の弾劾裁判」「台湾総統選挙」「英国のEU離脱期限」などが相場に影響を及ぼす可能性がありそうです。

「トランプ大統領の弾劾裁判」に関しては、裁判を担当する米上院で共和党が過半の53議席を占めていることから、罷免の成立に必要な3分の2の賛成を確保するのは難しいと考えられています。

米下院の公聴会でも世論はトランプ大統領の弾劾に傾かなかったことから、共和党はトランプ大統領擁護で結束を固めているとされ、波乱にはなりにくいでしょう。

「英国のEU離脱期限」は先の総選挙で保守党が過半を確保したため離脱となる見込みです。先々合意なき離脱の可能性があるとしても、どうするか決められないこと自体がネガティブ要因と捉えられてきたため、ポジティブなイベントになるとみられます。

一方、波乱の芽があるとすれば、2020/1/11(土)の「台湾総統選挙」でしょうか。直近の世論調査では、現職で中国に対して距離を置く蔡英文氏が40%以上の支持を得て他の候補を大きく引き離しています。

選挙結果に波乱はないとみられるものの、結果を受けての米中のコメントが米中関係に影響を与える可能性がありそうです。米中合意の署名の日がはっきりしないのは、このイベントがあるせいかもしれません。

年間を通してみると、やはり、米国の大統領選挙が際立って重要なイベントとなりそうです。注目点は、民主党の候補が誰になるかということとみられます。

ウォレン氏やサンダース氏の急進左派が候補となる場合、緊縮的な財政政策、大企業や富裕層への増税などの政策が想定されるため、候補となるだけで相場が動揺する可能性がありそうです。

これを占う意味で、2020/3/3(火)の予備選挙・党員集会の集中日である「スーパーチューズデー」、また、最終的に候補者が決まる、2020/7/13~16の民主党全国大会が注目の日程となるでしょう。

今週の5銘柄

先週取り上げた「米国株式の高値更新をリードする代表的企業」の週間騰落率は、インテルが2.0%、マイクロソフトが1.9%、アップルが1.6%、ユナイテッドヘルスグループが2.5%、アメリカンエキスプレスが0.8%と、いずれも上昇しているため、今週もこれを維持します。

先週号での抽出条件は、NYダウ採用の30銘柄を対象に、(1)12/13(金)までの5営業日の株価騰落率がS&P500指数の0.7%を上回る、(2)12/13(金)の株価騰落率がS&P500指数の0.0%を上回る、(3)過去3ヵ月のEPS修正率がプラスで、これを満たすインテル(INTC)、マイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)、ユナイテッドヘルス グループ(UNH)、アメリカン エキスプレス(AXP)の5銘柄です。

図表3 2020年の重要イベント

月/日 予定
1月~2月 トランプ米大統領の弾劾裁判
1/11 台湾総統選挙
1/14 「ウィンドウズ7」延長サポート終了
1/31 英国のEU離脱期限
3/3 スーパー・チューズデー(米大統領選挙の予備選挙・党員集会集中日)
中国習近平国家主席の訪日
6/10~12 G7サミット(米フロリダ州)
7/13~16 民主党全国大会 (ウィスコンシン州ミルウォーキー)
7/17 NASAのマーズ2020打ち上げ予定
7/24 東京五輪開催(~8/9)
8/24~27 共和党全国大会 (ノースカロライナ州シャーロット)
10/3 東西ドイツ再統一30周年
10/20 万国博覧会2020(ドバイ)
11/3 アメリカ大統領選挙予定日
11/21~22 G20サミット(サウジアラビアのリアド)

今週の注目銘柄

銘柄 株価
(12/20)
予想PER
(倍)
インテル(INTC)58.95ドル12.6

【関税見送りで安心感、データセンター向けサーバーが想定を上回る回復】

・対中関税第4弾の追加分にはパソコンが含まれていたため、中核部品供給する同社には関税が見送りとなって安心感が広がっているようです。同社CEOは「データの指数関数的な増加から恩益を受けられるよう、ここ数年事業ポートフォリオの再構築を行ってきたが、データセントリック部門の売上が約半分を占めるに至り、その成果が表れてきたと言える」と先行きに自信を示しています。

・7-9月期決算は、前年同期比0%増収、同1%増益、売上は市場予想を6%、EPSは市場予想を15%上回りました。PCセントリック部門はガイダンス通り前年同期比5%減収となったものの、データセントリック部門が前年同期比6%増と、4-6月期の同7%減から改善しています。データセントリック部門が予想を上回ったのは、データセンター向けのサーバーやフラッシュメモリなどが想定を上回る回復となったためです。

マイクロソフト(MSFT)157.41ドル29.2

【関税見送りで安心感、10-12月期もクラウドが牽引見込み】

・対中関税第4弾の追加分にはパソコンが含まれていたため、見送りとなって安心感が広がっているようです。中国では公的機関から米国製IT機器を排除せよとの指導があり、米中摩擦の激化は同社への影響が拡大する懸念が高まっていたとみられます。

・7-9月期決算は、前年同期比14%増収、同22%増益と引き続き好調でした。インテリジェント・クラウド部門が27%増収と成長を牽引したほか、ビジネス・ソフトウェアの「Office」関連売上、ビジネスSNSの「リンクトイン」、パソコンOSの「Windows10」などが好調を維持しています。20年6月期について売上・営業利益とも前年比10%台の増加と営業利益率の上昇を見込んでいます。

アップル(AAPL)279.44ドル21.3

【関税見送りで安心感、10-12月の売上高見通しが好調】

・対中関税第4弾(追加分)が実施された場合、影響が最も大きい1社と考えられ、見送りで安心感が広がっているようです。経営陣からは、「年末商戦を含め、10-12月期についてとても楽観的だ」「中国市場での販売トレンドには改善がみられる」「ウェアラブル端末の動向は素晴らしい」「米中貿易問題を巡る状況は良くなってきているように思う」など先行きを楽観するコメントが目立っています。

・7-9月期決算は、前年同期比2%増収、同4%増益でした。iPhone売上は前年同期比9%減となったものの、サービス部門やウェアラブルなどの牽引でカバーしました。10-12月期の売上高見通しは855億~895億ドルとなり、中央値は市場予想の865.1億ドルを上回りました。年末商戦シーズンの売上高見通しが市場予想を上回ったことで、「iPhone」の販売減速を巡る市場の懸念が薄らいでいます。

ユナイテッドヘルス グループ(UNH)292.59ドル17.8

【医療制度改革の不透明感後退で物色続く】

・米国の医療保険の会社です。もともと安定成長を遂げている企業ですが、民主党の大統領選指名を目指すウォーレン氏が提唱する「国民皆保険論」が討論会で批判されたことを契機に、医療制度改革の不透明感が後退して物色されています。日本人の生活に関わりがないため分かりにくい会社ですが、NYダウ採用の大企業です。

・7-9月期決算は、売上が前年同期比7%増、営業利益が同9%増、EPSが同17%増と好調です。米国を中心に医療保険を提供する「ユナイテッドヘルスケア」部門は、保険加入者の増加により前年同期比5%増収、医療関連ITサービスなどを提供する「オプタム」は、事業展開によって同13%の増収を遂げています。

アメリカン エキスプレス(AXP)125.77ドル14.0

【米国の消費堅調から恩恵を受ける】

・自社で「アメリカン・エキスプレス」ブランドのクレジットカードを発行し、会員向けに金融、旅行手配、保険などの総合金融サービスを展開する企業です。企業向けのビジネスカード事業に注力するほか、19年8月にはレストラン予約・管理のResy社を買収しています。中長期の成長見通しは電子決済プラットフォームの運営に特化して与信を行うわけではないビザやマスターカードに比べて低いものの、景気の回復局面ではこれら2社をアウトパフォームする可能性があります。バフェット銘柄の一角です。

・7-9月期決算は、収入の7割以上を占める米国消費の強さを反映して収入が前年同期比8%増、調整後EPSが同11%増と堅調でした。同社カードによる支払い額は同7%増でした。為替の影響を除く収入が8%以上の成長となるのは、8四半期連続で業績の安定感が増しています。CEOは「10-12月期の収入も前年同期比8~10%増が期待できる」としています。

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。マイクロソフトは20年6月期、その他は20年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成

主要イベントの予定

  経済指標・イベント 企業決算・イベント
23(月) ・シカゴ連銀全米活動指数(11月)
・米新築住宅販売件数(11月)
 
24(火) ・米国市場短縮取引(クリスマスイブ)
・米耐久財受注(11月)
 
25(水) ・米国休場(クリスマス)  
26(木)    
27(金) ・日本鉱工業生産(11月)
・中国工業部門利益(11月)
・ECB経済報告
 
30(月) ・米中古住宅販売成約(11月)  
31(火) ・中国製造業・非製造業PMI(12月)
・S&Pコアロジック住宅価格(10月)
・コンファレンスボード消費者信頼感(12月)
 
1月
1(水)
・米国市場休場(ニューイヤーズデー)  
2(木) ・財新中国製造業PMI(12月)  
3(金) ・米自動車販売台数(12月、4日までに発表)
・ISM製造業景気指数(12月)
・FOMC議事要旨
 

注:日付は現地時間によります。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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