アメリカ NOW!

アメリカNOW! ~決算速報:ネットフリックス、インテル、AT&Tなど~

2020/4/24
エクイティ部 中川 潤一

プロクター & ギャンブルが堅調な決算を発表した一方で、インテルが失望的な決算を発表しました。

当社売買代金ランキング上位銘柄(2019/10/1~2020/3/31)のうち、先週金曜日から今週木曜日(現地4/17~4/23)に決算発表を行った企業について速報をお伝えします。

プロクター & ギャンブル(PG)4/17 寄り前発表 当日+2.63%
1-3月期の売上高は172.1億ドルとなり市場予想の173.3億ドルをやや下回る一方で、調整後EPS(1株当たり利益)は1.17ドルとなり市場予想の1.13ドルを上回りました。2020/12期の売上高見通しについては+4%~+5%という従来予想を+3%~+4%へとやや引き下げたものの、M&Aの影響などを除いた既存事業の売上高(オーガニックセールス)の伸び率については+4%~+5%という従来予想を維持しました。

シャンプーの「パンテーン」や化粧品の「SK-II」などを手がけるビューティー部門やひげそりの「ジレット」などを手がけるグルーミング部門の売上高がほぼ横ばいとなるなかで、新型コロナの感染拡大を受け消費者がプロクター & ギャンブルの主力商品である生活必需品を求めたことで、歯みがき粉などを手がけるヘルスケア部門や洗濯用洗剤「タイド」などを手がけるファブリック&ホームケア部門は10%前後の増収率となりました。

決算発表が急遽前倒しされたことで市場ではより強い決算を期待していた向きも一部であったものの、新型コロナの感染拡大を受け業績見通しを撤回する企業が多いなかで、プロクター & ギャンブル(PG)が業績見通しを撤回しなかったことなどが好感され、マーケットでは概ね良好な決算であったと評価されたようです。

コカ-コーラ(KO)4/21 寄り前発表 当日-2.47%
1-3月期の調整後EPSは0.51ドルと市場予想の0.44ドルを上回り、純売上高についても85.7億ドルと市場予想の82.5億ドルを上回りました。一方、新型コロナの感染拡大を受け2020/12期の通期業績については予想が不可能になったとしたほか、販売数量は4月に入り約25%減少しているとコメントしています。

コカ-コーラの売上高の約半分はスタジアムや各種娯楽施設などから生じていますが、そうした施設の閉鎖がどの程度続くのかということが通期業績へ大きな影響を与えるとした上で、新型コロナは4-6月期の業績に「甚大な」影響を与えると経営陣はコメントしています。

ネットフリックス(NFLX)4/21 引け後発表 時間外取引+0.13%
1-3月期のユーザー数は+1,580万人となり、市場予想の+847万人を大きく上回りました。4-6月期については+750万人と予想しています。決算発表直後は時間外取引で10%以上上昇していましたが、その後は上げ幅を縮小し、結局ほぼ変わらずでその日の時間外取引を終えました。

経営陣は「年後半についてはユーザー数の伸びは減速する見通し」、「製作現場は混乱しているが、今年の作品ランナップはとても強力だ」、「景気減速を受けた値下げは検討していない」、「流動性は十分で、現状でも12ヵ月以上耐えることができる」、「財務上の柔軟性も当社は持ち合わせている」などとコメントしています。

AT&T(T)4/22 寄り前発表 当日-1.34%
1-3月期の売上高は427.8億ドルとなり市場予想の439.9億ドルを下回った一方で、調整後EPSは0.84ドルとなり市場予想通りとなりました。携帯電話契約者数は16.3万人の純増となったものの、衛星テレビ「ディレクTV」などを含むテレビサービスの会員数は89.7万人の純減となり、新型コロナの感染が拡大するなかでも「コードカッティング」と呼ばれるテレビ離れの流れは変わっていないようです。

また、AT&Tは他社同様に2020/12期の通期見通しについては新型コロナの感染拡大を理由に撤回しています。ただ、経営陣からは「当社の配当については引き続きコミットしている」といった発言があったほか、「今後3年間で60億ドル規模のコストカットを計画している」、「キャッシュ創出能力は債務を十分にカバーしている」、「新型コロナが小規模ビジネスに与えている影響は『劇的』だ」、「景気減速を受け、2020年後半にはさらなる『コードカッティング』を見込んでいる」、「条件は変わったもののクレジット市場は当社に対してオープンだ」などといった発言がありました。

動画ストリーミングサービス「HBO Max」は5月27日にサービス開始予定で、「強い需要があると想定している」などと経営陣はコメントしています。

インテル(INTC)4/23 引け後 時間外取引-5.98%
1-3月期の売上高は198.0億ドルとなり市場予想の188.3億ドルを上回り、調整後EPSについても1.45ドルと市場予想の1.28ドルを上回りました。4-6月期については売上高見通しを約185億ドルとして市場予想の180.8億ドルを上回った一方で、調整後EPS見通しが1.10ドルとなり市場予想の1.19ドルを下回りました。また、2020/12期の通期業績予想については「重大な経済的不確実性」を理由に撤回しています。

1-3月期の売上高や4-6月期の売上高見通しは在宅勤務の広がりなどを受けた需要の高まりを受け市場予想を上回ったものの、4-6月期の調整後EPS見通しが市場予想を下回ったことで、すでに需要のピークは過ぎ、年後半の業績はさえないものになるのではないかという懸念が広まったようです。

経営陣からは「今年前半は想定よりも強いようだが、年後半の需要見通しは不透明だ」、「景気後退はどこかの時点でPCの需要に影響を与える」、「流動性を確保するために自社株買いを停止した」、「4-6月期の粗利益率は新製品の立ち上げに伴い低くなる」、「クラウド関係の需要は強く、年後半も続くかもしれない」といったコメントがありました。

米国株式

SBI証券の米国株式の魅力

総合口座をお持ちでないお客さまはこちら

総合口座を開設する(無料)

米国株式取引をはじめるには

米国株式取引には、外国株式取引専用口座の開設が必要です。最短でお申し込み完了と同時に口座開設が完了し、即日で取引可能となります。
(PCからの開設を推奨しております)

ログインして専用口座を開設する

米国株式関連ページ

免責事項・注意事項

  • ・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。
  • ・投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。
    ・万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。
    ・本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
  • もっと見る 閉じる
page top