特集レポート FX
【米3月雇用統計】労働市場の変調による円高進行に注意!?
提供:SBIリクイディティ・マーケット社
米3月雇用統計
(非農業部門雇用者数前月比/失業率 等)
発表時間 | 4/3(金)21:30(日本時間) |
---|---|
前回値 | +27.3万人 / 3.5% |
事前予想 | -10.0万人 / 3.8% |
米3月雇用統計 予想を確認!
10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月予想 | |
非農業部門 雇用者数(万人) | 15.2 | 26.1 | 18.4 | 27.3 | 27.3 | -10.0 |
失業率(%) | 3.6 | 3.5 | 3.5 | 3.6 | 3.5 | 3.8 |
時間給賃金 前月比(%) | 0.4 | 0.3 | 0.1 | 0.2 | 0.3 | 0.2 |
時間給賃金 前年比(%) | 3.2 | 3.1 | 3.0 | 3.1 | 3.0 | 3.0 |
2009年10月以来となる就業者の減少予想
米国でのウイルス感染拡大に沈静化の動きが一向に見られない中、先週発表された米新規失業保険申請件数が1982年10月の69.5万件を上回る過去最高を更新しました。市場予想(164.0万件)を遥かに上回るペースの雇用情勢の悪化が確認されたことで、2兆ドルの米経済対策では景気減速を止められないとの見方が一部で浮上しております。
米国の観光業や小売関連など、ウイルス感染の影響を大きく被るといわれる就業者数は、4,000万人弱と総就業者数(約1.6億人)の4分の1に達しています。各州で更なる外出規制などの影響が強まれば、一段と労働市場の悪化は避けられず、ドルの上値を抑制することになるかもしれません。
さらに、米国の感染症専門家から、今後米国のウイルス感染による死者数が10~20万人に達するとの見通しも聞かれています。イースターまでの米国の経済活動の正常化を目指すとして言っていたトランプ大統領も、外出などの行動自粛要請について、4/30まで延長する方針を明らかにしており、経済活動停止の長期化が懸念されます。今週4/2に発表される新規失業保険申請件数は、315.0万件と高止まりが予想されています。
こうした中、4/3に発表される米3月雇用統計では、2009年10月以来となる就業者の減少(10.0万人減)が予想されています。これまで米国経済の堅調を支えてきた労働市場に明らかな変調が確認されることになれば、今後発表される米国の主要な指標の悪化が当面続くとの思惑を高めると予想され、株安・円高といったリスク回避の動きが本格化し、ドル円は105円台への下落の可能性も含め、急激な円高進行に注意が必要です。
非農業部門雇用者数(万人)の推移
米時間給賃金 前年比(%) 、 前月比(%)
- ※1 2019年11月末時点 矢野経済研究所調べ(有力FX企業17社の月間データランキング)
- ※2 2020年5月末時点 SBIグループのうち、約7割がSBI証券のFX口座
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