特集レポート FX

世界同時株安は続かない?リスク回避も一服?

2024/8/7
提供:SBIリクイディティ・マーケット社

今秋の米大統領選を控えて

※出所:SBIリクイディティ・マーケット

今秋の米大統領選は民主党ハリス候補と共和党トランプ候補の支持率が拮抗する状況が続いており、今週中にもハリス候補が副大統領候補を指名し、来週には激戦州(アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ノースカロライナ、ペンシルベニア、ウィスコンシン)で集会が予定されています。大統領選と同時に行われる上院選では民主党の劣勢が伝えられており、米経済の減速懸念が高まればバイデン政権にとって痛手になると同時にトランプ候補による格好の攻撃材料になりかねないだけに、市場の一部からFRBが9月FOMCを待たずに緊急利下げを行うのではとの観測が聞かれました。また、シカゴ連銀グールズビー、サンフランシスコ連銀デイリー総裁から「市場の反応は行き過ぎ」との見解が示されました。

世界同時株安の背景

1) 年前半に上昇したアセットへの売り圧力

SOX指数:フィラデルフィア半導体株指数

※出所:SBIリクイディティ・マーケット

特に半導体関連株の下落とともにSOX指数や日本、台湾株の反動調整売りが大きく影響したと考えられますが、NYダウは小幅安に留まっているほか、インドSENSEX指数は足もとの調整下でも堅調を維持しています。

2) 日銀が金融引き締め、ECBおよびFRBが資産残高を減額

足もとで米経済の減速懸念が高まる中、FRBの金融緩和が後手に回るリスクが意識されたこと、日銀の利上げが時期尚早だったのではとの憶測もあり、米国では利下げペース拡大観測、日銀は9月の追加利上げ見送り観測も浮上しています。

過度な悲観は徐々に緩和?

FRBは市場とのコミュニケーションを強く意識しており、今後も米経済の減速懸念に配慮するかたちで一段と市場との対話を深めると思われます。また、前述の通り今秋の米大統領選に向けて景気減速を避け、ソフトランディング(軟着陸)に向けて対応すると見込まれます。2018年末にも同様の例が見られた際、FRBは緩和政策への変更を急ぎ景気後退を回避した前例もあるだけに、少なくとも年内複数回の利下げ観測により徐々に調整売りが一服すると見込まれます。

今回、米7月雇用統計での失業率4.3%への悪化が景気減速懸念を拡大した一因と考えられますが、天候要因による休業者が43.6万人と6月(5.9万人)から急速に拡大したこと、さらに雇用統計の企業回答率は56.9%と低かったことから9月に発表される8月雇用統計で7月分が上方修正される可能性もあり、今回の数値だけで米経済の減速、景気後退入りと判断するのは時期尚早と思われます。

SOX指数/ナスダックの調整は一服した可能性?

SOX指数およびナスダックのPER(株価収益率)はマイナスに転じたことから短期間で過熱感が解消したと見込まれます。加えてEPS(1株当たり純利益)の変化も殆ど見られないことから、これ以上の調整は行き過ぎと判断できるのかもしれません。

日銀の対応に注目

10年-30年利回り格差は6月から低下するなど、景気先行きに慎重な見方が聞かれるほか、短期フォワード金利からは1年以内に1回の利上げを見込んでいる状況に留まっていると言えます。また、今回の急激な円高や日本株の暴落を含めた内外金融市場の急激な悪化を受けて、今後の日銀の対応が7月末の金融政策決定会合後の植田総裁の会見から微調整される可能性もあるかもしれません。

8月5日の日経平均株価が4,451円安まで過去最大の下げ幅を記録して取引を終えたことを受けてドル円は一時141円70銭まで下落しました。また、NYダウが取引序盤に1,237.99ドル安まで下げ幅を拡大し、終値でも2022年9月13日以来最大の下げ幅(1,033.99ドル安)を記録し、6月14日以来の38,703ドルと3日続落して取引を終えたほか、米10年債利回りも3.66%台へ低下したものの、米7月ISM非製造業景気指数が市場予想を上回ったこと、さらにドル円は7月31日の日銀の金融政策発表時の152円66銭から3日余りでおよそ11円の円高となっていることもあり、ポジション調整の買戻しも観測され144円89銭へ反発し144円18銭で取引を終えました。また、前日までの3日間で7,643円40銭安と暴落した日経平均株価が取引序盤から反発し午前10過ぎには3,453円高まで上げ幅を拡大するなどリスク回避が一服したこともあり、一時146円36銭まで反発して以降の反落も144円台前半までの反落に留まっています。

シカゴIMM投機筋の円売りポジションも調整完了か?

シカゴIMM投機筋の円売りポジションも7月2日時点で2007年6月以来の184,223枚まで膨らんでいましたが、直近7月30日時点で73,460枚まで低下しており、円売りの調整が一服したとすれば、ドル円の底入れも近いのかもしれません。

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