特集レポート FX
衆院選を終え、週末の米10月雇用統計に向けて円安加速か?
提供:SBIリクイディティ・マーケット社
衆議院選挙
※出所:SBIリクイディティ・マーケット
先週末25日の東証プライムの売買代金は3兆1,579億円と今年最低を記録する薄商いの中、衆議院選挙を控えたポジション調整の売りとともに、10月2日以来3週間ぶりに38,000円割れで取引を終えました。
衆議院選挙では自公が過半数割れとなり今後の政権運営への不透明感が台頭しました。ただ、日経平均株価は、衆議院選挙公示前に比べ先週末まで1,700円近く下落していたことから一旦の材料出尽くしによる買戻しにより反発。また、野党全体で過半数を達成したものの、外交・安保や消費税の扱いを巡る野党間での政策の違いがあることに加え、前回2021年の衆議院選挙後の首班指名選挙で当時の枝野代表が野党各党に自身への投票を求めた際、日本維新の会、共産党、れいわが要請に応じたものの、国民民主党は「原発ゼロ」「普天間飛行場の移転中止」で考え方が違うとして断った経緯もあることから、現状では非自民連立政権は現実的に難しいと見られ、自公連立政権が維持すると見られています。また、今後の予算編成を巡る政局不透明感を背景に、日銀の年内利上げは遠のいたとの観測もあり、本日の東京市場でドル円は7月31日以来の153円88銭まで上昇しています。
米10月雇用統計
※出所:SBIリクイディティ・マーケット
先週24日に発表された米新規失業保険申請件数が2週連続で改善したほか、米10月製造業/サービス業PMIが市場予想を上回ったことや25日発表の10月のミシガン大消費者信頼感指数(確報値)が速報値から上方修正され6ヵ月ぶりの高水準になるなど米経済のソフトランディングへの期待とともに米国の利下げペース鈍化観測から日米金利差が容易に縮小し難いと見られています。また、11月5日の米大統領選挙でトランプ候補が返り咲けばインフレ上昇が再燃するとの思惑とともに米長期金利の上昇基調が続いており、ドル円の下値支援につながる一因となっています。
日銀金融政策決定会合
今週は30-31日に日銀金融政策決定会合がありますが、先週のG20後の会見で植田日銀総裁は「追加利上げについて時間的余裕がある」「円安だけでなく、米国の良好な経済データが今後の続くのか、米経済を含めて全体を見る必要がある」として従来からの考えを繰り返す発言を行いました。そのため、今週の政策委員会でもこうした考えを踏襲すると思われ、ハト派寄りの見解が示されると見込まれます。
米労働需給は堅調を持続するか?
11月1日には米10月雇用統計が発表されます。前月9月はレジャー関連やホスピタリティー産業を中心に季節要因によるレイオフ(一時解雇)や新学期開始の影響を調整する必要があり、予想以上に上振れる傾向があり、そうした経験則通りの結果となりました。ただ、10月の雇用統計ではこうした季節調整要因が剥落することに加え、ハリケーンや一部企業のストライキの影響(合わせて8万人程度減)により非農業部門雇用者数が9月(25.4万人増)から11.0万人増へ大幅鈍化すると予想されています。一方、失業率は4.1%と9月から横這いに留まると見込まれ、就業者数の鈍化も一時的要因によるものであるとして、FRBの大幅利下げ観測が再燃するとは考えにくいと思われます。
雇用統計の発表を前に29日に9月JOLT求人件数が発表されますが、1.0倍を下回ると失業率の悪化が進むとして注目される労働需給ギャップ指数(=求人数÷失業者数)は7月の1.07倍を直近の底として、0/181改善が続くと見込まれます。
※出所:SBIリクイディティ・マーケット
29日-30日発表の米JOLT求人件数やADP全米雇用報告、30-31日の日銀金融政策決定会合に続く、11月1日の米雇用統計、さらに11月5日の米大統領選挙に向けて一段と円安が加速するか注目されます。また、11月7日の特別国会召集に向けて政権の枠組みを見据えた与野党各党間の協議の行方と合わせて政局先行きを巡る過度な不透明感が後退するか、今週から来週にかけての金融市場の行方が注目されます。
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