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マーケットレポート

金は貿易摩擦に対する懸念で押し目を買われる

2020/1/20
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は第1段階の米中の通商合意発効後の経済指標が焦点

1月13日の週のニューヨーク金市場は、期近2月限が3日以来の安値1,536.4ドルを付けたのち、押し目を買われて堅調となった。米中の第1段階の通商合意の署名式が行われたが、関税撤廃は米大統領選後になるとの見方から貿易摩擦に対する懸念が残り、金ETF(上場投信)に投資資金が戻った。第1段階の通商合意は署名30日後に発効する見通しであり、当面は各国の経済指標で世界経済の見通しを確認したい。米主要株価指数が好調な経済指標を受けて最高値を更新したが、2019年の中国の国内総生産(GDP)は前年比6.1%増と2年連続で減速し、29年ぶりの低水準となった。3月の全国人民代表大会(全人代)では今年の目標を6%に引き下げるとみられている。今週はダボス会議が予定されており、世界経済の見通しを確認したい。

米中の第1段階の通商合意の署名式が15日に行われた。カドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、トランプ政権が第1段階の米中通商合意の履行状況を見極める間、対中関税は維持されるとの認識を示した。米国の中国への輸出が倍増する見通しだが、米国は3,700億ドル相当の中国製品に対する関税を維持するとしており、世界経済の先行き懸念が残っている。署名式を控えて米財務省は中国を「為替操作国」とした指定を解除したが、米政府が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイテクノロジー)に対する海外製品の販売制限を強化する規制を発表する可能性があると伝えられ、貿易摩擦に対する懸念が残る。また中国共産党機関紙である人民日報傘下の環球時報は、米中の第2段階の通商協議がすぐには始まらない可能性があると伝えており、今後の協議の行方も確認したい。

昨年12月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇となった。事前予想の0.3%上昇を下回った。米連邦準備理事会(FRB)の金利据え置きが続くとみられており、金の下支え要因である。ただ12月の米小売売上高は前月比0.3%増で事前予想と一致し、3カ月連続で増加した。また米住宅着工件数は同16.9%増の年率160万8,000戸と13年ぶりの高水準となった。米主要株価指数の最高値更新が続いていることは金の上値を抑える要因である。ブラード米セントルイス地区連銀総裁は、米国の長短利回り格差は健全な状態には戻っていないが、米FRBが昨年に実施した利下げの効果を見極めるため、政策を少なくとも1年は現行にとどめることが適切になるとの見方を示した。

1月17日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比24.30トン増の898.82トンとなった。米中の関税撤廃が米大統領選後になるとの見方を受けて押し目を買われた。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月7日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは31万9,235枚となり、前週の32万2,291枚から縮小した。今回は手じまい売りが6,671枚、買い戻しが3,615枚入り、3,056枚買い越し幅を縮小した。

【プラチナはパラジウム急伸で2017年2月以来の高値】

ニューヨーク・プラチナ期近4月限は、パラジウム急伸につれ高となり、一代高値1,046.7ドルを付けた。現物相場は2017年2月以来の高値1,040.89ドルを付けた。これまで供給過剰見通しを受けて1,000ドル前後の抵抗帯で上値を抑えられたが、パラジウム急伸が支援要因となって一段高となった。パラジウムはリースレート(貸出金利)が上昇し、売り方の現物手当てから一段高になったとみられる。2019年の米新車販売台数は前年比1.3%減の1,704万7,725台となったが、5年連続で1,700万台を超えた。また中国の新車販売台数は同8.2%減の2,576万9,000台となった。欧州連合(EU27)の新車(乗用車)登録台数は同1.2%増の1,534万0,188台となった。中国の販売台数の減少が目立つが、排ガス規制が強化されており、パラジウムの自動車触媒需要が堅調に推移すると、大幅な供給不足から引き続き上値を試す可能性がある。1,000ドル突破でプラチナETF(上場投信)に投資資金が流入すると、供給過剰見通しに変化が出る可能性もある。

プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、1月16日のロンドンで17.90トン(前週末17.95トン)、15日のニューヨークで22.99トン(同22.84トン)、17日の南アで31.76トン(同31.73トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月14日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは6万4,525枚となり、前週の6万2,281枚から拡大し、過去最高を更新した。新規買いが新規売りを上回った。

ニューヨーク金は調整局面を終了

ニューヨーク金2月限は、米中の第1段階の通商合意の署名式を控えて3日以来の安値1,536.4ドルを付けたが、関税撤廃は米大統領選後になるとの見方を受けて押し目を買われた。好調な米経済指標を受けて米主要株価指数が最高値を更新したが、世界経済に先行きに対する懸念から金ETF(上場投信)に投資資金が戻り、下支え要因になった。今週はダボス会議があり、世界経済の見通しを確認したい。テクニカル面では今回の安値を支持線として押し目買いが入ることになりそうだ。

1月20日からの週の注目ポイント

20日 米国休場
日銀金融政策決定会合1日目 ☆☆
21日 日銀金融政策決定会合・総裁記者会見 ☆☆☆
独ZEW景況感指数(1月) ☆☆
22日 米住宅価格指数(11月)
米中古住宅販売統計(12月) ☆☆
23日 貿易収支(12月速報) ☆☆
欧州中央銀行(ECB)理事会 ☆☆☆
米景気先行指数(12月) ☆☆
24日 中国休場
消費者物価指数(12月) ☆☆☆
日銀金融政策決定会合議事要旨  ☆☆
ユーロ圏製造業購買担当者景況指数(1月速報) ☆☆
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(1月速報)  ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

参照:SBI証券 > マーケットデータより

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