金・銀・プラチナ
マーケットレポート

金はドル安一服で調整局面を継続

2020/8/24
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は利食い売りが圧迫も景気の先行き懸念が下支え

8月17日の週のニューヨーク金市場はドル安再開を受けて押し目を買われたが、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で追加金融緩和の見方が後退したことをきっかけに戻りを売られて軟調となった。米議会で追加経済対策の協議が難航し、ドル売り要因となった。ただ米FOMC議事要旨でイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)について、「現時点では正当化されないが、将来に向けた選択肢として残すべきとの意見が多数だった」とされると、ドルが買い戻された。金融政策を微調整し、積極的な刺激策を従来の見通しよりも長期間維持する可能性が検討されたことはドル安要因だが、ハト派の見方が後退し、ドル安が一服した。27日のジャクソンホール会合ではパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が金融政策の枠組み見直しについて講演する予定であり、内容を確認したい。一方、米経済指標の減速を受けて景気の先行き懸念が残っていることは金の下支え要因である。8月のニューヨーク連銀製造業業況指数は3.7と前月の17.2から大幅に悪化した。事前予想は15。フィラデルフィア地区連銀業況指数は17.2と、前月の24.1から低下した。事前予想の21.0も下回った。また米新規失業保険申請件数は110万6,000件と、前週の97万1,000件から増加し、再び100万件を超えた。新型コロナウイルスの感染拡大は続いており、労働市場の回復鈍化につながると米経済の先行き懸念が強まることになりそうだ。
米経済の先行き懸念が強いが、ハイテク株が買われたことを受けてナスダックが最高値を更新し、株式市場に過熱感が出ている。11月に米大統領選を控えていることや、米中の対立が続いていること、米国のインフレで金融政策に対する不透明感が出ていることから株価が急激な調整局面を迎えるとの警戒感が出ている。金ETF(上場投信)への逃避買いが続くと、金の下支え要因になるとみられる。米中の第1段階の通商合意の履行状況を検証するための協議が予定されていたが、スケジュール上の都合を理由に延期された。中国商務省は20日、貿易合意の進展について協議するため、近く電話会議を行うことを決定したと発表した。カドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、トランプ米政権は中国との第1段階の通商合意の履行に引き続き取り組んでいると表明しており、協議の行方を確認したい。
8月21日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比4.09トン増の1,248.29トンとなった。ドル安再開を受けて押し目買いが入ったが、戻りを売られたことで様子見の動きとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、8月18日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは22万3,518枚となり、前週の22万4,053枚から縮小した。今回は手じまい売りが4,498枚、買い戻しが3,963枚入って535枚買い越し幅を縮小した。

プラチナはドル高や金軟調が圧迫

ニューヨーク・プラチナ期近10月限はドル高や金軟調を受けて7月30日以来の安値903.5ドルを付けた。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で追加金融緩和の見方が後退したことや米経済指標の悪化で景気の先行き懸念が残ることが圧迫要因である。12日の安値930.1ドルを割り込み、テクニカル面で悪化しており、7月30日の安値894.3ドルを維持できるかどうかを確認したい。一方、上海プラチナの出来高が増加し、実需筋の安値拾いの買いが入っていることは下支え要因である。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、19日のロンドンで18.70トン(前週末18.72トン)、20日のニューヨークで34.73トン(同34.00トン)、南アで19.33トン(同19.54トン)となった。強弱材料が交錯し、銘柄ごとにまちまちの動きとなっている。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、8月18日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万1,812枚となり、前週の2万2,272枚から縮小した。新規売りが新規買いを上回った。

ニューヨーク金は調整局面を継続

ニューヨーク金12月限はドル安再開を受けて押し目を買われたが、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で追加金融緩和の見方が後退すると戻りを売られて軟調となった。ただ米経済指標が悪化し、新型コロナウイルスの感染拡大で景気の先行き懸念が残っていることが下支え要因である。1,874.2~2,024.6ドルのレンジを形成しており、テクニカル面ではどちらに放れるかが焦点である。

8月24日からの週の注目ポイント

24日 NZ小売売上高(4-6月期) ☆☆
25日 独国内総生産(4-6月期確報) ☆☆☆
独ifo景況感指数(8月) ☆☆
米S&Pケース・シラー住宅価格指数(6月) ☆☆
米新築住宅販売(7月) ☆☆☆
米消費者信頼感指数(8月) ☆☆
26日 景気動向指数(6月改定)
米耐久財受注(7月) ☆☆
27日 米国内総生産(4-6月期改定値) ☆☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
米中古住宅販売仮契約指数(7月) ☆☆
28日 米個人所得・支出(7月) ☆☆
シカゴ購買部協会景気指数(8月) ☆☆
米ミシガン大消費者信頼感指数(8月確報値) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

参照:SBI証券 > マーケットデータより

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