金・銀・プラチナ
マーケットレポート

金はドル高が圧迫要因

2021/2/8
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米国債の利回りも焦点

2月1日の週のニューヨーク金市場はドル高を受けて軟調となり、中心限月となる4月限は昨年12月1日以来の安値1,784.6ドルを付けた。欧米の景気に対する見方の格差を受けてドル高に振れた。中長期の景気回復見通しから長期金利が上昇したことも金の圧迫要因になった。

第4四半期のユーロ圏の域内総生産(GDP)速報値は前期比0.7%減となった。事前予想の1.0%減を上回ったが、欧州諸国の新型コロナウイルスによる制限措置の延長で第1四半期はマイナス幅が拡大する可能性がある。1月のユーロ圏の総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は47.8となった。速報値の47.5から上方改定されたが、前月の49.1から低下した。サービス部門が46.4から45.4に低下した。また英保健当局は、これまでに検出された新型コロナウイルスの変異種がさらに変異したと明らかにした。南アの変異種と似た性質を持っており、感染拡大の行方とワクチンの効果を確認したい。英中銀は4日の会合で政策金利を0.1%に据え置き、債券購入枠も8,950億ポンドで維持した。政策金利をマイナスとした場合の階層化システムについて研究を開始すると表明したが、6カ月以内の導入は運営上のリスクが増すとした。一方、新型コロナウイルのスワクチン接種により、景気が急速に回復するとの楽観見通しも示し、長期金利の上昇につながった。

1月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が17万4,000人増加した。前月の7万8,000人減少から増加に転じた。事前予想は4万9,000人増。米新規失業保険申請件数は2週連続で減少し、労働市場の改善が示された。ただ米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比4万9,000人増と、事前予想の5万人増を下回った。12月は14万人減から22万7,000人減に改定された。予想以下の米雇用統計を受けてドル高が一服した。一方、景気刺激策に対する期待感から株価は堅調に推移した。バイデン米大統領は、「米経済はなお苦境にある」との見方を示し、1兆9,000億ドル規模の追加の対策法案の実現が必要とした。リスク選好のドル安が再開するかどうかを確認したい。米10年債利回りは1.16%と昨年3月以来の高水準となった。長期金利の上昇を受けて金ETF(上場投信)から投資資金が流出しており、投資資金の動向も焦点である。

米国の個人投資家が銀ETF(上場投信)の売り玉を標的にし、銀が急伸したが、実需筋からまとまった売りが出ると、戻りを売られて上げ一服となった。ゲームストップ株も急落し、個人投資家は医薬品株に標的を変更したという。一方、米議会下院金融委員会は、ゲームストップ株などの価格変動について18日に公聴会を開催すると発表した。

2月5日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比3.62トン減の1,156.51トンとなった。ユーロ圏の景気減速に対する懸念などリスク回避の動きが警戒されるなか、投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月2日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは25万7,126枚となり、前週の25万7,546枚から縮小した。今回は新規買いが820枚、新規売りが1,240枚出て、420枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは調整継続も株高が下支え

ニューヨーク・プラチナ4月限は、ドル高に上値を抑えられて調整局面を継続したが、株高が下支えになった。ユーロ圏の景気減速に対する懸念などを受けてドル高に振れたが、中長期の景気回復見通しから株高に振れたことが下支えになった。ニューヨークの指定倉庫在庫が減少し、実需筋の買い戻しが入ったことも下支え要因である。ただ英国で検出された新型コロナウイルスの変異種がさらに変異しており、今後の感染拡大の行方を確認したい。

プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、4日のロンドンで19.65トン(前週末19.31トン)、ニューヨークで39.28トン(同39.45トン)、南アで16.10トン(同16.07トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、2月2日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは3万0,210枚買い越し(同2万9,538枚買い越し)に拡大した。

ニューヨーク金は200日移動平均線を下放れる

ニューヨーク金4月限はドル高を受けて軟調となり、昨年12月1日以来の安値1,784.6ドルを付けた。200日移動平均線を下放れ、テクニカル面で弱気である。ユーロ圏の経済指標悪化と米国の景気回復期待を受けてドル高に振れた。また英中銀が新型コロナウイルスのワクチン接種で景気が急速に回復するとの見通しを示し、長期金利が上昇したことも圧迫要因になった。一方、米雇用統計が事前予想を下回ると、ドル高が一服しており、昨年11月の安値1,771.3ドルを維持できるかどうかが当面の焦点である。

2月8日からの週の注目ポイント

8日 ニュージーランド休場
国際収支・経常収支(12月) ☆☆
鉱工業生産指数(12月) ☆☆
9日 独貿易収支(12月)
10日 中国消費者物価指数(1月) ☆☆
中国生産者物価指数(1月) ☆☆
独消費者物価指数(1月確報) ☆☆
英貿易収支(12月)
英鉱工業生産指数(12月) ☆☆
米消費者物価指数(1月) ☆☆☆
米財政収支(1月) ☆☆
11日 日本、中国休場
米新規失業保険申請件数 ☆☆
12日 中国、香港休場
ユーロ圏鉱工業生産(12月) ☆☆
米ミシガン大消費者信頼感指数(2月速報値) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

参照:SBI証券 > マーケットデータより

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