金・銀・プラチナ
マーケットレポート

金(ゴールド)は米大統領の就任式に向けた動きを確認

2025/1/6
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金(ゴールド)は中東やウクライナの状況も確認

 12月30日の週のニューヨーク金市場は、年末を控えた手じまい売りが圧迫要因になったが、1日のラスベガスのトランプホテルでのテスラ車爆発などを受けて押し目を買われた。中心限月の2月限は12月16日以来の高値2,681.0ドルを付けたのち、米国債の利回り上昇を受けて上げ一服となった。ラスベガスのトランプホテルの外で、米電気自動車(EV)大手テスラの「サイバートラック」が爆発した。車両の運転手はアメリカ陸軍特殊部隊の現役兵士で、爆発前に自ら命を絶った。またニューオーリンズの繁華街で車が群衆に突っ込み、多数が死傷した。容疑者の間にいくつかの類似点があるものの、明確な関連性はないとされた。昨年のトランプ氏の暗殺未遂を思い起こさせる事件であり、20日の米大統領の就任式に向けた動きを確認したい。
 米下院は3日に議長選を実施し、共和党のジョンソン議長が再選された。ジョンソン氏は必要最小限の218票で続投が決定した。同議長はトランプ次期米大統領の一連の優先課題に取り組む法案を4月中に下院で採決する方針だと述べた。主要法案には、不法移民の大量送還を実現するための資金を含む国境警備、2017年のトランプ減税の延長、米連邦債務上限の引き上げまたは撤廃、米連邦規制の削減、ディープ・ステートの解体が含まれている。一方、12月の米ISM製造業景気指数は49.3と前月の48.4から上昇し、9カ月ぶりの高水準となった。市場予想は横ばい。米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は、インフレ率が米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%に戻りつつあることが一段と確実になるまで、制約的な金融政策を維持しなければならないとの考えを示した。今週は12月の米雇用統計の発表がある。
 ウクライナ経由でロシア産天然ガスを欧州にパイプライン輸送する契約が1月1日に失効した。ロシア産ガスを輸送するパイプラインで稼働しているのは、黒海を横断してトルコに至るトルコ・ストリームのみとなる。欧州各国は代替調達に動いているが、スロバキアのフィツォ首相は、ウクライナへの報復措置を検討する考えを示した。トランプ次期米大統領が就任後、ウクライナとロシアの停戦交渉を主導するとみられており、当面は戦闘継続の行方を確認したい。一方、パレスチナ自治区ガザの停戦と人質解放を巡るイスラエルとイスラム組織ハマスの交渉が3日、仲介国カタールの首都ドーハで再開した。ハマスは人質にしているイスラエルの女性兵士の動画を公開し、イスラエルに圧力をかけたが、双方の溝は埋まらず、交渉は難航している。
 1月3日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比1.44トン減の871.08トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペース鈍化見通しを受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月24日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは24万7,629枚となり、前週の26万2,041枚から縮小した。今回は手じまい売りが1万3,562枚、新規売りが850枚出て、1万4,412枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは中国の景気刺激策に対する期待感で下げ一服

 ニューヨーク・プラチナ4月限は年末を控えた手じまい売りが出て2023年11月以来の安値907.4ドルを付けた。年明けは中国の景気刺激策に対する期待感を受けて下げ一服となった。中国の習近平国家主席は新年に向けたテレビ演説で、2025年の成長促進へ一段と積極的に政策を実行する方針を明らかにした。12月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1と前月の50.3から低下しており、刺激策の強化が見込まれている。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、12月9日のロンドンで18.46トン、3日のニューヨークで34.69トン(前週末34.69トン)、2日の南アで10.89トン(同10.89トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、12月24日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは1万5,648枚となり、前週の1万3,744枚から縮小した。

ニューヨーク金は年初の買いも上げ一服

 ニューヨーク金2月限はラスベガスのトランプホテルでのテスラ車爆発などを受けて押し目を買われ、12月16日以来の高値2,681.0ドルを付けたのち、米国債の利回り上昇を受けて上げ一服となった。米大統領の就任式を20日に控え、先行き懸念が出たことが支援要因になった。ただ米ISM製造業景気指数の上昇を受けて米国債の利回りが上昇したことに上値を抑えられた。今週は12月の米雇用統計の発表がある。12月安値2,596.7ドルが目先の支持線である。

1月6日からの週の注目ポイント

6日 中国財新サービス業購買担当者景況指数(12月) ☆☆
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(12月確報) ☆☆
独消費者物価指数(12月速報) ☆☆
米耐久財受注(11月確報値) ☆☆
米製造業新規受注(11月) ☆☆
7日 ユーロ圏消費者物価指数(12月速報) ☆☆☆
ユーロ圏雇用統計(11月) ☆☆
米貿易収支(11月) ☆☆
米ISM非製造業景況指数(12月) ☆☆☆
8日 独製造業受注(11月) ☆☆
ユーロ圏生産者物価指数(11月) ☆☆
ADP全米雇用報告(12月) ☆☆
米FOMC議事録(12月17-18日) ☆☆
9日 独貿易収支(11月) ☆☆
独鉱工業生産指数(11月) ☆☆
ユーロ圏小売売上高(11月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
10日 全世帯家計調査・消費支出(11月) ☆☆
米雇用統計(12月) ☆☆☆
米ミシガン大消費者信頼感指数(1月速報値) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

参照:SBI証券 > マーケットデータより

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