225の
『ココがPOINT!』
それでも日本株が再び上昇すると考える理由
投資情報部 鈴木英之
日本経済は正念場を迎えています。10/1(火)に発表された日銀短観(9月調査)では、大企業・製造業の業況判断が前回(6月調査)から2ポイント悪化し、+5となりました。非製造業も悪化が続いています。企業の経常利益は今年度、全規模・全産業で前年比6.7%減少する見通しです。基本的に景気・企業業績のベクトルは下向きとなっています。景気動向指数によって決まる国内景気の基調判断は4ヵ月ぶりに「悪化」となりました。
それでも、株価は底打ち・反転に向かう可能性がありそうです。なぜでしょうか。
ココがPOINT!
1.10月は売り先行でスタートし、売買代金も縮小気味
日経平均株価は9月、前月末比1,051円47銭(5.1%)高となりました。しかし、10月は第1週に468円70銭(2.1%)安となるなど、売りが先行する展開になっています。米国経済に減速する兆しが強まっているためと考えられます。9/30(月)~10/8(火)における日次の動きは以下の通りです。
9/30(月)123円06銭安・・・米政府が中国への投資を制限と報道されました。マイクロン等半導体株安も響きました。
10/1(火)129円40銭高・・・中国への投資制限報道が一部否定されたことや、日銀短観の上振れが追い風になりました。
10/2(水)106円63銭安・・・NYダウ大幅下落(10/1 343ドル安)を嫌気しましたが、円高一服で下げ渋りました。
10/3(木)436円87銭安・・・NYダウ大幅続落(10/2 494ドル安)に加え、円高加速もあり、大幅続落となりました。
10/4(金)68円46銭高・・・利下げ期待でNYダウが3営業日ぶりに反発したことを好感しました。
10/7(月)34円95銭安・・・米中通商協議に関し中国の消極的な姿勢が伝わりました。
10/8(火)200円00銭高・・・米10年国債利回りが8営業日ぶりに上昇し、円高が一服したことが好感されました。
東証1部の売買代金は9/10(火)~9/30(月)は13営業日連続で2兆円以上となり、顕著な回復をみせました。しかしその後は再び減少気味となり、特に10/7(月)には1兆5,252億円と9/3(火)以来の低水準まで減少しました。米中閣僚級通商協議の開催を10/10(木)に控え、様子見気分が強まっているようです。米トランプ大統領に対する弾劾の動きが台頭していることも、微妙に影響しているかもしれません。
NYダウ(図2)はISM製造業景況指数の下振れを受け、10/1(火)に343ドル安、ADP雇用統計の悪化を受け、10/2(水)に494ドル安となりました。10/3(木)もISM非製造業景況指数の下振れを嫌気して売り先行となりましたが、利下げ期待の高まりを受けて122ドル高と反発に転じました。10/4(金)に発表された雇用統計(9月)は雇用者数の過去分が上方修正された上、失業率が50年ぶりの低水準となるなど、ほどほどに強い内容でしたがインフレ懸念の増幅にはつながらず、NYダウは372ドル高と大幅続伸しました。
このように、NYダウだけ見ていると方向感に欠く展開でしたが、米10年国債利回りは、9/13(金)以降は明確な低下基調となり、特に9/26(木)~10/4(金)は7営業日連続で低下しました。これを受けてドル・円相場(図3)では円高基調となり、日本株にとって逆風になりました。
図1 日経平均株価(日足)と主要移動平均線・おもな出来事
図2 NYダウ(日足)
図3 ドル・円相場(日足)
2.決算発表シーズンはすでに始まっている?
3月決算企業等に先立ち、2月決算企業の中間決算、8月決算企業の本決算等について、発表が本格化しつつあります。ある意味で、決算発表シーズンはすでに始まっていると考えられます。
10/4(金)は35社の上場企業が決算発表をしました。発表予定社数でみると、10/9(水)40社、10/10(木)66社、10/11(金)115社、10/15(火)57社となっており、この時期が2月決算企業の中間決算、8月決算企業の本決算について、発表が佳境になると言えそうです。その後は徐々に、発表の主役が3月決算企業に移っていくはこびとなっています。
2020年2月を本決算とする企業にとって、下半期(2019年9月~2020年2月)は駆け込み需要と、その後の反動減を織り込む期間になります。この時期の業績予想は難しいでしょうが、それにより一旦は「消費税引き上げ」というイベントを業績に織り込むことになります。
表1 当面の重要スケジュール
月日(曜日) | 国・地域 | 予定内容 | ポイント |
10/8(火) | 日本 | 8月家計調査/毎月勤労統計 | |
日本 | 9月景気ウォッチャー調査 | いわゆる街角景気の現状 | |
日本 | ★決算発表(15社)~小売・外食等、2月・8月決算企業の発表本格化 | Jフロント他 | |
米国 | ノーベル物理学賞発表 | ||
10/9(水) | 日本 | ★決算発表(40社) | ローソン、ABCマート、サイゼリヤ、ファミリーマート、イオン他 |
日本 | 9月工作機械受注 | 6割を占める外需は8月、前年同月比35%減 | |
- | ノーベル化学賞 | ||
米国 | FOMC(9/18発表)議事要旨 | 0.25%利下げ時のFOMCの空気は? | |
10/10(木) | 日本 | 8月機械受注 | 民間設備投資の先行指標 |
日本 | 9月都心オフィス空室率 | ||
日本 | ★決算発表(66社) | ビックカメラ、7&i、安川電機、良品開発他 | |
- | 米中閣僚級通商協議(予定~11) | ||
北朝鮮 | 朝鮮労働党創建記念日 | ||
- | ノーベル文学賞発表 | ||
米国 | 9月消費者物価 | 市場コンセンサス(コア・前年同月比)は2.4%増 | |
10/11(金) | 日本 | オプションSQ | |
日本 | ★決算発表(115社) | 東宝、高島屋他 | |
- | ノーベル平和賞 | ||
10/14(月) | 日本 | ◎東京市場は休場(体育の日) | |
中国 | 9月貿易収支 | 市場コンセンサス(前年同月比)は輸出-3.3%、輸入-6.0% | |
- | ノーベル経済学賞 | ||
10/15(火) | 日本 | ★決算発表(57社) | |
中国 | 9月消費者物価指数 | 市場コンセンサス(前年同月比)は2.9% | |
ドイツ | 10月ZEW景況感指数 | 約350人のアナリストや市場関係者に景況感をアンケート | |
米国 | 対中関税第1~第3弾引き上げ | 25%から30%へ | |
米国 | ☆決算発表~米国上場企業の7~9月期決算発表が本格化 | シティG、GS、J&J、JPM、ネットフリックス他 | |
10/16(水) | 日本 | 9月訪日外客数 | 8月は前年同月比2.2%減 |
米国 | 9月小売売上高 | 米個人消費の勢いは? | |
米国 | 10月NAHB住宅市場指数 | ||
米国 | ☆決算発表 | バンカメ、IBM、ネットフリックス他 | |
10/17(木) | 日本 | 9月首都圏新築マンション販売 | |
欧州 | EU首脳会議 | ||
米国 | 9月住宅着工件数 | ||
米国 | 10月フィラデルフィア連銀製造業景況異数 | 米国企業のマインドは? | |
米国 | 9月鉱工業生産・設備稼働率 | ||
10/18(金) | 日本 | 9月消費者物価 | |
中国 | 9月都市部固定資産投資 | 市場コンセンサス(前年同月比)は5.5%増 | |
中国 | 9月鉱業生産 | 市場コンセンサス(前年同月比)は4.9%増 | |
中国 | 9月小売売上高 | 市場コンセンサス(前年同月比)は7.8%増 | |
中国 | 7~9月期GDP | 市場コンセンサス(前年同月比)は6.1%増 | |
米国 | ☆決算発表 | アメックス、コカ・コーラ他 |
2019年 | 2020年 | |
日銀金融政策決定会合 | 10/31(木)、12/19(木) | 1/21(火)、3/19(木)、4/28(火)、6/16(火) |
FOMC(米連邦公開市場委員会) | 10/30(水)、12/11(水) | 1/29(水)、3/18(水)、4/29(水)、6/10(水) |
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 | 10/24(木)、12/12(木) | 1/23(木)、3/12(木)、4/3(金)、6/4(木) |
3.【ココがPOINT!】それでも日本株が再び上昇すると考える理由
日本経済は正念場を迎えています。10/1(火)に発表された日銀短観(9月調査)では、大企業・製造業の業況判断が前回(6月調査)から2ポイント悪化し、+5となりました。非製造業も悪化が続いています。企業の経常利益は今年度、全規模・全産業で前年比6.7%減少する見通しです。基本的に景気・企業業績のベクトルは下向きとなっています。景気動向指数によって決まる国内景気の基調判断は4ヵ月ぶりに「悪化」となりました。
10月からは消費税の引き上げが実施されました。引き上げ直前には駆け込み需要の増加も観測され、今後は反動減の影響が懸念されます。働き方改革の影響が本格的に出てくるとみられることや、2020年の東京五輪に向けて盛り上がってきた需要のピークアウト等を考えると、景気・企業業績に関し、明るい数字は期待できないように思われます。
しかし、肌感覚的に厳しい時に、経済指標が示す底入れの兆しが、株価回復の兆しであったりもします。景気・企業業績がまだまだ悪いと思われる時に株価は底を付ける傾向にあるものです。
図4は工作機械受注と日経平均株価の関係を示したものです。工作機械受注は景気先行指数的な動きをすることで知られ、やはり景気に先行して動くことが多い株価と相関性が強いと言われています。このグラフからもおわかりいただける通り、工作機械受注が底入れすると、株価は上昇する傾向があるようです。
この工作機械受注について、9月の分が10/9(水)に発表される予定です。同受注額(前年同月比)は6月37.9%減、7月33.0%減、8月37.0%減と推移してきました。これに対して、9月の数字でマイナス幅の減少傾向が出てくれば、日本株全体にとっても、底入れ・反転の材料になる可能性がありそうです。ちなみに、10/10(木)には安川電機(6506)の2019年6~8月期決算が発表されますが、営業利益の市場コンセンサス104億円に対し、どのような実績になるのか、中国向け受注動向の好不調等についても、注目されるところです。
5G商戦本格化に向けた動き等を勘案すると、そろそろ工作機械受注が底打ちしても不思議ではないと考えられます。
図4 工作機械受注が底入れすると日経平均株価は上昇する傾向
相場が大きく動いたら?
SBI証券なら多彩な商品群で取引チャンスを逃がしません!
- 国内株式
レパレッジ型ETFを活用すれば、日経平均の急な動きにも対応可能!
- 外国株式
米国株式、中国株式を含めた9ヵ国に投資!海外ETFで分散投資も可能です!
- 投資信託
日本の株式市場の動きを予測して短期でハイリターンを狙えるファンドがあります!
- FX
約5,000円から取引できる!ほぼ24時間取引&手数料はもちろん0円!
- 先物・オプション
日経平均に少ない資金で投資できる!レバレッジを効かせて、大きな利益を狙え!
- CFD
先進諸国の株価指数がほぼ24時間取引可能!特徴を理解することが勝利への道!
- ワラント
ダイナミックな値動きがeワラントの特徴!商品の魅力を知るなら必見!
- 金・プラチナ
有事の際の金・プラチナでリスクヘッジも!ほぼ24時間リアルタイムで取引可能!
先物・オプション取引
先物・オプション取引を
はじめるには
先物・オプションのお取引には、先物・オプション取引口座の開設が必要になります。
※PCでのお手続きを推奨しております
当社の総合口座をお持ちでないお客さま
先物・オプション取引関連ページ
信用取引のご注意事項
-
-
・信用取引に関するリスク
信用取引は、差し入れた委託保証金額の約3倍の取引を行うことができます。そのため、現物取引と比べて大きなリターンが期待できる反面、時として多額の損失が発生する可能性も含んでいます。また、信用取引の対象となっている株価の変動等により、その損失の額が、差し入れた委託保証金額を上回るおそれがあります。この場合は「追加保証金」を差し入れる必要があり状況が好転するか、あるいは建玉を決済しない限り損失が更に膨らむリスクを内包しています。
追加保証金等自動振替サービスは追加保証金が発生した際に便利なサービスです。 -
・信用取引の「二階建て」に関するご注意
委託保証金として差し入れられている代用有価証券と同一銘柄の信用買建を行うことを「二階建て」と呼びます。当該銘柄の株価が下落しますと信用建玉の評価損と代用有価証券の評価額の減少が同時に発生し、急激に委託保証金率が低下します。また、このような状況下でお客さま自らの担保処分による売却や、場合によっては「追加保証金」の未入金によって強制決済による売却が行われるような事態になりますと、当該株式の価格下落に拍車をかけ、思わぬ損失を被ることも考えられます。よって、二階建てのお取引については、十分ご注意ください。 - もっと見る 閉じる
-
・信用取引に関するリスク
先物・オプション取引の免責事項・注意事項
-
- ・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社、および情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製、または販売等を行うことは固く禁じます。
-
・必要証拠金額は当社SPAN証拠金(発注済の注文等を加味したSPAN証拠金×100%)-ネット・オプション価値(Net Option Value)の総額となります。
・当社SPAN証拠金、およびネット・オプション価値(Net Option Value)の総額は発注・約定ごとに再計算されます。
・SPAN証拠金に対する掛け目は、指数・有価証券価格の変動状況などを考慮のうえ、与信管理の観点から、当社の独自の判断により一律、、またはお客さまごとに変更することがあります。
・「HYPER先物コース」選択時の取引における建玉保有期限は新規建てしたセッションに限定されます。必要証拠金額はSPAN証拠金×50%~90%の範囲で任意に設定が可能であり、また、自動的に決済を行う「ロスカット」機能が働く取引となります。
・先物・オプションのSPAN証拠金についてはこちら(日本証券クリアリング機構のWEBサイト)
・指数先物の価格は、対象とする指数の変動等により上下しますので、これにより損失を被ることがあります。市場価格が予想とは反対の方向に変化したときには、比較的短期間のうちに証拠金の大部分、またはそのすべてを失うこともあります。その損失は証拠金の額だけに限定されません。また、指数先物取引は、少額の証拠金で多額の取引を行うことができることから、時として多額の損失を被る危険性を有しています。
・日経平均VI先物取引は、一般的な先物取引のリスクに加え、以下のような日経平均VIの変動の特性上、日経平均VI先物取引の売方には特有のリスクが存在し、その損失は株価指数先物取引と比較して非常に大きくなる可能性があります。資産・経験が十分でないお客さまが日経平均VI先物取引を行う際には、売建てを避けてください。
・日経平均VIは、相場の下落時に急上昇するという特徴があります。
・日経平均VIは、急上昇した後に数値が一定のレンジ(20~30程度)に回帰するという特徴を持っています。
・日経平均VIは、短期間で急激に数値が変動するため、リアルタイムで価格情報を入手できない環境での取引は推奨されません。
・指数オプションの価格は、対象とする指数の変動等により上下しますので、これにより損失を被ることがあります。なお、オプションを行使できる期間には制限がありますので留意が必要です。買方が期日までに権利行使又は転売を行わない場合には、権利は消滅します。この場合、買方は投資資金の全額を失うことになります。売方は、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。また、指数オプション取引は、市場価格が現実の指数に応じて変動しますので、その変動率は現実の指数に比べて大きくなる傾向があり、場合によっては大きな損失を被る危険性を有しています。
・未成年口座のお客さまは先物・オプション取引口座の開設は受付いたしておりません。
・「J-NETクロス取引」で取引所 立会市場の最良気配と同値でマッチングする場合、本サービスをご利用いただくお客さまには金銭的利益は生じないものの、SBI証券は取次ぎ手数料をSBIジャパンネクスト証券から受取ます。
・J-NETクロス取引の詳細は適宜修正される可能性がありますのでご留意ください。 - もっと見る 閉じる