225の
『ココがPOINT!』
「日経平均株価22,000円回復」は通過点になる可能性も!?
投資情報部 鈴木英之
東京株式市場の上昇基調が継続しています。日経平均株価の5月末終値は21,877円89銭となり、前月末比1,684円20銭(8.3%)の上昇となりました。6/1(月)には終値ベースで2/26(水)以来の22,000円回復となり、6/2(火)には終値が22,325円61銭と続伸しました。
テクニカル的には25日移動平均線からのかい離率は8.3%、RSI(14日)は72.4%、騰落レシオ(日経平均採用銘柄)は133.3%となりました。一般的に、25日移動平均線からのかい離率が7%以上、RSI(14日)が70%以上、騰落レシオ(25日)が130%以上に達すると、株価は過熱圏に達したとみなされます。しかし、実際はどうでしょうか。実は過去のデータを吟味すると、「日経平均株価22,000円回復」は通過点になる可能性もありそうです。
ココがPOINT!
1.日経平均株価が約3ヵ月ぶりに22,000円を回復
東京株式市場の上昇基調が継続しています。日経平均株価の5月末終値は21,877円89銭となり、前月末比1,684円20銭(8.3%)の上昇となりました。主要先進国で新型コロナウイルスの感染拡大がピークアウトの傾向となったことに加え、金融政策や財政政策、都市封鎖の解除など、経済再生への取り組みが本格化してきたことが要因と考えられます。6/1(月)には終値ベースで2/26(水)以来の22,000円回復となり、6/2(火)には終値が22,325円61銭と続伸しました。
我が国でも、5/8(金)に新型コロナウイルスの新規感染者数(日次)が100人未満に「減速」して以降、感染拡大ペースが目立って鈍化し始め、5/14(木)には39県、5/21(木)には関西2府1県、5/25(月)には東京など残る5都道県で緊急事態宣言の解除が決定されました。株式市場では、海外と比べて日本の新型コロナウイルスの感染者数や死亡者数が少ないことに対し、その実態を疑問視する向きも少なくありませんでしたが、図1で明らかなように、全都道府県で緊急事態宣言が解除された5/25(月)以降は、我が国の取り組みを評価する動きが増え、株価上昇が加速する展開になりました。
なお、米国をはじめ主要海外市場でも、経済再開へ向けた動きを好感する動きが続き、株価が上昇する国が目立ちました。4月に「マイナス価格」となるなど、波乱を見せていた原油先物市場も5月は総じて落ち着いた動きとなりました。さらに、外為市場も総じて小さい値動きとなり、外部環境が落ち着きを取り戻したことも、日本株には追い風になりました。
もっとも、世界の新型コロナウイルスの新規感染者数は4月末317万人から5月末は605万人と2倍近くに増えており、落ち着きを取り戻したとは言い難い状態です。ロシアやブラジル、インドなど新興国での感染が加速する傾向をみせており、今後世界経済に深刻な影響を及ぼすことが警戒されます。
さらに、一見、経済再生に向けて順調に見える米国についても、新型コロナウイルスの新規感染者数の減少は緩慢にみえる上、人種問題を背景とした「同時多発デモ」も深刻化しつつあります。また、米国と中国の通商摩擦についても、再び激化する兆しを見せています。6月相場は、波乱含みの展開になる可能性もありそうです。
表1 日経平均株価の値動きとその背景(2020/5/25~2020/6/2)
日経平均株価 | 日米株式市場等の動き | ||
終値 | 前日比 | ||
5/25(月) | 20,741.65 | +353.49 | 東京など5都道県の緊急事態宣言が解除され、全面的な解除が実現。米市場は休場。 |
5/26(火) | 21,271.17 | +529.52 | 緊急事態宣言解除を受けた買いが継続。香港株高で買い安心感も。 |
5/27(水) | 21,419.23 | +148.06 | 米株上昇(前日のNYダウが529ドル高)の流れ。経済再開へ期待。 |
5/28(木) | 21,916.31 | +497.08 | 4営業日続伸。米株続伸(前日のNYダウが553ドル高)の流れ。第2次補正予算決定で。 |
5/29(金) | 21,877.89 | -38.42 | 米トランプ大統領の対中国制裁に関する会見を見極めたいとする動き。 |
6/1(月) | 22,062.39 | +184.50 | 米中対立への警戒感が後退。米国の半導体株高が追い風。 |
6/2(火) | 22,325.61 | +263.22 | 経済活動再開を期待した米国株高の流れを引き継ぐ。 |
図1 日経平均株価(日足)と主要移動平均線・おもな出来事
図2 NYダウ(日足)と主要移動平均線・おもな出来事
図3 ドル・円相場(日足)と主要移動平均線・おもな出来事
2.見出し削除
表2 当面の重要スケジュール
月日(曜日) | 国・地域 | 予定内容 | ポイント |
6/1(月) | 日本 | 1~3月期法人企業統計(発表済み) | |
米国 | 5月ISM製造業景況指数(発表済み) | 企業の経常利益(1~3月)は前年同期比32.0%減。 | |
6/3(水) | 米国 | 5月ADP雇用統計 | |
米国 | 5月ISM非製造業景況指数 | 雇用、新規受注等の個別指標にも注意 | |
6/4(木) | 欧州 | ECB定例理事会/ラガルド総裁会見 | |
米国 | ☆決算発表~ブロードコム | ||
6/5(金) | 米国 | 5月雇用統計 | 市場コンセンサスは雇用者数1,170万人減、失業率20% |
6/7(日) | 中国 | 5月貿易収支 | |
6/8(月) | 日本 | 5月景気ウォッチャー調査 | |
6/9(火) | 日本 | 5月工作機械受注 | 設備投資の先行指標。中国向け受注に注意。 |
6/10(水) | 日本 | 4月機械受注 | |
中国 | 5月生産者物価/消費者物価 | ||
米国 | 5月消費者物価 | ||
米国 | FOMC結果発表/パウエル議長会見 | ※日本時間では6/11(木)未明の発表 | |
6/12(金) | 日本 | メジャーSQ | |
米国 | 6月ミシガン大学消費者マインド指数 |
表3 日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(月日は現地時間)
2020年 | |
日銀金融政策決定会合 | 6/16(火)、7/22(水)、9/17(木)、10/29(木)、12/18(金) |
FOMC(米連邦公開市場委員会) | 6/10(水)、7/29(水)、9/16(水)、11/5(木)、12/16(水) |
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 | 6/4(木)、7/16(木)、9/10(木)、10/29(木)、12/10(木) |
3.【ココがPOINT!】「日経平均株価22,000円回復」は通過点になる可能性も!?
日経平均株価は6/1(月)、22,062円39銭で引け、終値ベースでは2/26(水)以来の22,000円回復となりました。これで3/19(木)に付けた年初来安値16,552円83銭からの上昇率は33.2%に達しました。また、テクニカル的には25日移動平均線からのかい離率は8.3%、RSI(14日)は72.4%、騰落レシオ(日経平均採用銘柄)は133.3%となりました。
一般的に、25日移動平均線からのかい離率が7%以上、RSI(14日)が70%以上、騰落レシオ(25日)が130%以上に達すると、株価は過熱圏に達したとみなされます。したがって、教科書的には次第に利益確定売りが出やすくなり、株価はピークアウトする可能性が大きいと考えられます。
しかし、実際はどうでしょうか。1999年のITバブル以降、日経平均株価の25日移動平均線、RSI、騰落レシオの「3指標」がすべて上記の過熱圏に達した日を基準とし、そこから5営業日後、10営業日後、30営業日後、50営業日後の騰落率、および1年以内の高値までの騰落率を示したのが表4になります。「3指標」すべてが過熱圏入りした事例はこの期間に7回ありましたが、そのうち、5営業日後に値上がりしていた回数は4回、10営業日後も4回、30営業日後では5回、50営業日後は何と7回すべてでした。騰落率では平均で、5営業日後が0.7%、10営業日後が0.0%、30営業日後が2.8%、50営業日後が7.7%と、いずれも横ばいまたは上昇というパフォーマンスになりました。
また、「3指標」すべてが過熱圏入りした後、1年以内に付けた高値までの騰落率は最低で0.8%、最高で56.1%であり、過去7回の平均では23.1%という結果でした。
このように、日経平均株価の25日移動平均線からのかい離率が7%以上、RSI(14日)が70%以上、騰落レシオ(25日)が130%以上に達し、「3指標」すべてが過熱圏に達することは、中期的なスパンでみた場合、株価のピークアウトに接近していると予想するのではなく、上昇する可能性が大きいと考えることが正しいように思われます。すなわち、3指標の過熱圏入りは実は、株式市場のトレンドが大きく変わることを示唆しているのかもしれません。
表4 日経平均株価のテクニカル「3指標」が過熱圏入りした後の騰落率
「3指標」がすべて「過熱」 | 5営業日後 | 10営業日後 | 30営業日後 | 50営業日後 | 1年内高値 | |
年月日 | 日経平均株価 | |||||
1999/3/16 | 16,072.82 | 15,515.47 | 15,836.59 | 16,942.24 | 16,408.50 | 20,081.67 |
-3.5% | -1.5% | 5.4% | 2.1% | 24.9% | ||
2002/3/8 | 11,885.79 | 11,648.01 | 11,261.09 | 11,721.64 | 11,979.85 | 11,979.85 |
-2.0% | -5.3% | -1.4% | 0.8% | 0.8% | ||
2003/7/2 | 9,592.24 | 9,990.95 | 9,735.97 | 9,913.47 | 10,546.33 | 12,163.89 |
4.2% | 1.5% | 3.3% | 9.9% | 26.8% | ||
2005/12/2 | 15,421.60 | 15,404.05 | 15,173.07 | 15,696.28 | 16,043.67 | 17,563.37 |
-0.1% | -1.6% | 1.8% | 4.0% | 13.9% | ||
2009/3/26 | 8,636.33 | 8,719.78 | 8,916.06 | 9,340.49 | 9,991.49 | 10,996.37 |
1.0% | 3.2% | 8.2% | 15.7% | 27.3% | ||
2012/12/19 | 10,160.40 | 10,322.98 | 10,578.57 | 11,357.07 | 12,283.62 | 15,859.22 |
1.6% | 4.1% | 11.8% | 20.9% | 56.1% | ||
2013/5/10 | 14,607.54 | 15,138.12 | 14,612.45 | 13,230.13 | 14,658.04 | 16,291.31 |
3.6% | 0.0% | -9.4% | 0.3% | 11.5% | ||
2020/6/1 | 22,062.39 | - | - | - | - | - |
過去7回の平均 | 0.7% | 0.1% | 2.8% | 7.7% | 23.1% |
相場が大きく動いたら?
SBI証券なら多彩な商品群で取引チャンスを逃がしません!
- 国内株式
レパレッジ型ETFを活用すれば、日経平均の急な動きにも対応可能!
- 外国株式
米国株式、中国株式を含めた9ヵ国に投資!海外ETFで分散投資も可能です!
- 投資信託
日本の株式市場の動きを予測して短期でハイリターンを狙えるファンドがあります!
- FX
約5,000円から取引できる!ほぼ24時間取引&手数料はもちろん0円!
- 先物・オプション
日経平均に少ない資金で投資できる!レバレッジを効かせて、大きな利益を狙え!
- CFD
先進諸国の株価指数がほぼ24時間取引可能!特徴を理解することが勝利への道!
- ワラント
ダイナミックな値動きがeワラントの特徴!商品の魅力を知るなら必見!
- 金・プラチナ
有事の際の金・プラチナでリスクヘッジも!ほぼ24時間リアルタイムで取引可能!
先物・オプション取引
先物・オプション取引を
はじめるには
先物・オプションのお取引には、先物・オプション取引口座の開設が必要になります。
※PCでのお手続きを推奨しております
当社の総合口座をお持ちでないお客さま
先物・オプション取引関連ページ
信用取引のご注意事項
-
-
・信用取引に関するリスク
信用取引は、差し入れた委託保証金額の約3倍の取引を行うことができます。そのため、現物取引と比べて大きなリターンが期待できる反面、時として多額の損失が発生する可能性も含んでいます。また、信用取引の対象となっている株価の変動等により、その損失の額が、差し入れた委託保証金額を上回るおそれがあります。この場合は「追加保証金」を差し入れる必要があり状況が好転するか、あるいは建玉を決済しない限り損失が更に膨らむリスクを内包しています。
追加保証金等自動振替サービスは追加保証金が発生した際に便利なサービスです。 -
・信用取引の「二階建て」に関するご注意
委託保証金として差し入れられている代用有価証券と同一銘柄の信用買建を行うことを「二階建て」と呼びます。当該銘柄の株価が下落しますと信用建玉の評価損と代用有価証券の評価額の減少が同時に発生し、急激に委託保証金率が低下します。また、このような状況下でお客さま自らの担保処分による売却や、場合によっては「追加保証金」の未入金によって強制決済による売却が行われるような事態になりますと、当該株式の価格下落に拍車をかけ、思わぬ損失を被ることも考えられます。よって、二階建てのお取引については、十分ご注意ください。 - もっと見る 閉じる
-
・信用取引に関するリスク
先物・オプション取引の免責事項・注意事項
-
- ・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社、および情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製、または販売等を行うことは固く禁じます。
-
・必要証拠金額は当社SPAN証拠金(発注済の注文等を加味したSPAN証拠金×100%)-ネット・オプション価値(Net Option Value)の総額となります。
・当社SPAN証拠金、およびネット・オプション価値(Net Option Value)の総額は発注・約定ごとに再計算されます。
・SPAN証拠金に対する掛け目は、指数・有価証券価格の変動状況などを考慮のうえ、与信管理の観点から、当社の独自の判断により一律、、またはお客さまごとに変更することがあります。
・「HYPER先物コース」選択時の取引における建玉保有期限は新規建てしたセッションに限定されます。必要証拠金額はSPAN証拠金×50%~90%の範囲で任意に設定が可能であり、また、自動的に決済を行う「ロスカット」機能が働く取引となります。
・先物・オプションのSPAN証拠金についてはこちら(日本証券クリアリング機構のWEBサイト)
・指数先物の価格は、対象とする指数の変動等により上下しますので、これにより損失を被ることがあります。市場価格が予想とは反対の方向に変化したときには、比較的短期間のうちに証拠金の大部分、またはそのすべてを失うこともあります。その損失は証拠金の額だけに限定されません。また、指数先物取引は、少額の証拠金で多額の取引を行うことができることから、時として多額の損失を被る危険性を有しています。
・日経平均VI先物取引は、一般的な先物取引のリスクに加え、以下のような日経平均VIの変動の特性上、日経平均VI先物取引の売方には特有のリスクが存在し、その損失は株価指数先物取引と比較して非常に大きくなる可能性があります。資産・経験が十分でないお客さまが日経平均VI先物取引を行う際には、売建てを避けてください。
・日経平均VIは、相場の下落時に急上昇するという特徴があります。
・日経平均VIは、急上昇した後に数値が一定のレンジ(20~30程度)に回帰するという特徴を持っています。
・日経平均VIは、短期間で急激に数値が変動するため、リアルタイムで価格情報を入手できない環境での取引は推奨されません。
・指数オプションの価格は、対象とする指数の変動等により上下しますので、これにより損失を被ることがあります。なお、オプションを行使できる期間には制限がありますので留意が必要です。買方が期日までに権利行使又は転売を行わない場合には、権利は消滅します。この場合、買方は投資資金の全額を失うことになります。売方は、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。また、指数オプション取引は、市場価格が現実の指数に応じて変動しますので、その変動率は現実の指数に比べて大きくなる傾向があり、場合によっては大きな損失を被る危険性を有しています。
・未成年口座のお客さまは先物・オプション取引口座の開設は受付いたしておりません。
・「J-NETクロス取引」で取引所 立会市場の最良気配と同値でマッチングする場合、本サービスをご利用いただくお客さまには金銭的利益は生じないものの、SBI証券は取次ぎ手数料をSBIジャパンネクスト証券から受取ます。
・J-NETクロス取引の詳細は適宜修正される可能性がありますのでご留意ください。 - もっと見る 閉じる