225の
『ココがPOINT!』
軟調な展開が続く東京市場。立ち直りへの条件とは
投資情報部 鈴木英之
東京市場はいったん下抜けの荒い相場となりそうです。
今週は7/21(水)で取引が終わり、7/22(木)~7/25(日)が4連休です。
連休を控えてポジションを取りにくいことに加え、押し目買いが入りにくいことも災いしていると考えられます。
また、世界的な新型コロナウイルスの感染再拡大により、当面は不安定な展開が続くかもしれません。
そこで今回は、株価低迷の要因を振り返り、立ち直りへの条件についてまとめました。
ココがPOINT!
1.軟調な展開が続く東京市場
日経平均株価は、7月第2週(7/12~7/16)終値が28,003円08銭、前週末(7/9)比で62円66銭(0.2%)高、週足ベースでは3 週ぶりに反発となったものの、下落基調となっています。
7/13(火)は米株高を追い風に上昇したものの、7/14(水)から7/19(月)にかけて4日続落となり、売買代金も低調な流れとなっています。
7/16(金)は米半導体安を受けて、東京エレクトロンなど値がさの半導体株が下落。
また、ファーストリテイリング(9983)が1銘柄で日経平均をおよそ74円押し下げ、大幅安に。今期営業利益予想を引き下げたことに嫌気となったようです。
7/19(月)は4日続落となり、節目の2万8,000円を下回って安値水準に。終値は5/13(木)以来の安値水準であり、日本株は“下値不安”の強い状況が続いています。米株安に加え、新型コロナウイルスの変異株が拡大し、景気回復鈍化懸念が広まりました。
一方、NYダウは、7月第2週(7/12~7/16)終値が前週末比0.5%安、週足ベースで4週ぶりに反落となりました。
7/14(水)はFRBのパウエル議長がハト派的な発言をし、金融緩和の長期化期待が高まり、米長期金利が低下。ハイテク株が上昇したものの、半導体の一角が安く、重荷に。
7/15(木)はTSMCの決算発表が市場予想を下回り、半導体関連銘柄に売りが波及。
7/16(金)はミシガン大学消費者マインドが市場予想を下回って低下し、個人消費の回復期待が後退。新型コロナウイルスの変異株拡大を受けて再び行動制限を行う動きが相次いだことも嫌気され、ダウは3日ぶりに反落しました。
7/19(月)は大幅安に。一時900ドル超の下落となり、下落率は2020/10/28以来の大きさとなりました。新型コロナウイルスの感染再拡大により、景気への先行き不透明感から幅広い銘柄が売られる展開となりました。
図表1 日経平均株価の値動きとその背景
日経平均株価 | 日米株式市場等の動き | ||
終値 | 前日比 | ||
7/13(火) | 28,718.24 | 149.22 | 続伸。米株高を追い風に上昇。決算発表シーズンを前に上方修正期待の銘柄が買われる。 |
7/14(水) | 28,608.49 | -109.75 | 直近2日間で700円超上昇していたこともあり、戻り売りに押される。決算発表を控え、好業績期待のトヨタなどが上昇。 |
7/15(木) | 28,279.09 | -329.40 | 外国為替市場で円高・ドル安が進んだことで自動車や機械など、輸出関連株の下げが重荷に。 |
7/16(金) | 28,003.08 | -276.01 | 米ハイテク株安を受けて、半導体関連に売りが波及。今期営業利益予想を引き下げたファストリが1銘柄で日経平均を74円押し下げる。 |
7/19(月) | 27,652.74 | -350.34 | 2万8,000円を下回り、5/13以来およそ2ヵ月ぶりの安値。新型コロナウイルスの変異株拡大で景気回復鈍化懸念が広まる。 |
図表2 日経平均株価(日足)と主要移動平均線・おもな出来事
図表3 NYダウ(日足)と主要移動平均線・おもな出来事
図表4 ドル・円相場(日足)と主要移動平均線・おもな出来事
図表5 当面の重要スケジュール
月日(曜日) | 国・地域 | 予定内容 | 備考 |
7/19(月) | 日本 | 6月首都圏新規マンション発売 | |
アメリカ | NAHB住宅市場指数 | ||
★決算発表 | IBM | ||
7/20(火) | 日本 | 6月消費者物価 | |
★決算発表~主要3月決算企業の決算期発表本格化 | ディスコ、R-ユナイテッド | ||
アメリカ | 住宅着工・建設許可件数 | ||
★決算発表 | フィリップモリスインターナショナル、インチュイティブサージカル | ||
7/21(水) | 日本 | 6月貿易統計 | |
日銀金融政策決定会合議事要旨(6/17・18開催分) | |||
★決算発表 | 日本電産、東製鉄、OBC | ||
アメリカ | ★決算発表 | J&J、コカ・コーラ、ベライゾンコミュニケーションズ | |
7/22(木) | 日本 | ◎東京市場は休場(海の日) | |
欧州 | ECB主要政策金利 | ||
アメリカ | シカゴ連銀全米活動指数 | ||
新規失業保険申請件数 | |||
中古住宅販売件数 | |||
★決算発表 | マイクロソフト、AT&T、テスラ、インテル | ||
7/23(金) | 日本 | ◎東京市場は休場(スポーツの日) | |
中国 | 共産党結党100周年 | ||
アメリカ | マークイット米国製造業PMI | ||
★決算発表 | アメリカン・エキスプレス、ニューコア、シュルンベルジェ | ||
7/26(月) | 日本 | ★決算 | 中外薬、日東電工 |
ワクチンパスポートの申請受け付け開始 | |||
アメリカ | 6月新築住宅販売件数 | ||
★決算発表 | テスラ、ロッキードマーチン | ||
7/27(火) | 日本 | 6月企業向けサービス価格指数 | |
★決算発表 | 信越化、シマノ | ||
アメリカ | FOMC(~28日) | ||
7月コンファレンスボード消費者信頼感 | |||
5月S&PコアロジックCS住宅価格指数 | |||
6月耐久財受注 | |||
★決算発表 | アップル、アルファベット、マイクロソフト、ビザ、3M | ||
7/28(水) | 日本 | 7/15・16開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」 | |
★決算発表 | エムスリー、サイバエジェ、アドバンテス、日産自 | ||
アメリカ | ★決算発表 | フェイスブック、ボーイング、ファイザー、ペイパルホールディングス | |
7/29(木) | 日本 | ★決算発表 | 富士通、パナソニック、村田製、三菱電 |
アメリカ | 実質GDP(4-6月期、速報値) | ||
新規失業保険申請件数 | |||
6月中古住宅販売成約 | |||
★決算発表 | アマゾンドットコム、エクソンモービル、アルトリアグループ | ||
7/30(金) | 日本 | 6月失業率・有効求人倍率 | |
6月鉱工業生産 | |||
6月商業動態統計 | |||
★決算発表 | 味の素、武田、豊田織、商船三井、JR東日本 | ||
アメリカ | 6月個人所得・個人支出 | ||
6月消費支出物価指数 | |||
★決算発表 | P&G、エクソンモービル、キャタピラー、アッヴィ | ||
7/31(土) | 中国 | 7月製造業PMI | |
7月非製造業PMI | |||
7月コンポジットPMI |
図表6 日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(月日は現地時間)
2021年 | 2022年 | |
日銀金融政策決定会合 | 9/22(水)、10/28(木)、12/17(金) | 未定 |
FOMC(米連邦公開市場委員会) | 7/28(水)、9/22(水)、11/3(水)、12/15(水) | 1/26(水)、3/16(水)、5/4(水)、6/15(水)、7/27(水)、9/21(水)、11/2(水)、12/14(水) |
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 | 7/22(木)、9/9(木)、10/28(木)、12/16(木) | 1/20(木)、3/10(木)、4/14(木)、6/9(木)、7/21(木)、9/8(木)、10/27(木)、12/15(木) |
2.株価低迷の要因と、立ち直りへの条件
日本株の“下値不安”が強い理由は主に以下の理由があげられます。
(1)新型コロナウイルスの変異株が拡大傾向にあること。
(2)ソフトバンクグループ(9984)やファーストリテイリング(9983)、半導体株など日経平均高寄与度銘柄の下落。
(3)日本の政治不安。
■(1)について
連日メディアなどで報じられているように変異株が拡大傾向にあり、インドネシアやマレーシアなど東南アジア諸国で、感染者・死亡者数ともに急増しています。米国でも感染者数が再び増加傾向にあり、一部の州では行動規制や、マスクの着用を義務化する動きもみられます。
このように世界的な新型コロナウイルスの感染再拡大により、景気回復鈍化懸念が広まる状況となっています。
■(2)について
ソフトバンクグループ(9984)は、同社が出資する中国の配車アプリ大手、滴滴(DiDi)に対する中国政府による規制問題、ファーストリテイリング(9983)は、予想営業利益の下方修正などが逆風とみられます。また、東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)など、半導体株は利益確定売りや、米半導体株安が重荷となっています。
■(3)について
菅政権の支持率が主要メディアの調査で、30%台まで落ち込んでいます。
7/16(金)付で、時事通信が発表した同支持率は29.3%で、危険水域とされる30%を下回りました。衆参補選や東京都議会選挙で実質、自民党の敗北が続いています。こうした支持率の低下は菅政権の存続を危うくする可能性があり、衆議院の解散・総選挙の時期が気になるところです。
この他、中国での新車販売台数の減少も少々気がかりです。
中国自動車工業協会から発表された6月の新車販売台数は前年同月比で2ヵ月連続のマイナスに。世界的な半導体不足などが原因とされ、不透明感が漂う状況となっています。
一方、中国政府が普及を促す新エネルギー車(NEV)は大幅増を維持。当面は強いペースで増加する見通しを示しています。
当面は不安定な状況が続く可能性がありますが、東京での大規模イベントを通過し、新型コロナウイルス向けワクチンの接種が進捗してくれば、事態が好転してくる可能性もあります。
自民党総裁選や選挙を控え、補正予算案が検討されるなど、株価が立ち直る機会は大いにあるでしょう。
相場が大きく動いたら?
SBI証券なら多彩な商品群で取引チャンスを逃がしません!
- 国内株式
レパレッジ型ETFを活用すれば、日経平均の急な動きにも対応可能!
- 外国株式
米国株式、中国株式を含めた9ヵ国に投資!海外ETFで分散投資も可能です!
- 投資信託
日本の株式市場の動きを予測して短期でハイリターンを狙えるファンドがあります!
- FX
約5,000円から取引できる!ほぼ24時間取引&手数料はもちろん0円!
- 先物・オプション
日経平均に少ない資金で投資できる!レバレッジを効かせて、大きな利益を狙え!
- CFD
先進諸国の株価指数がほぼ24時間取引可能!特徴を理解することが勝利への道!
- ワラント
ダイナミックな値動きがeワラントの特徴!商品の魅力を知るなら必見!
- 金・プラチナ
有事の際の金・プラチナでリスクヘッジも!ほぼ24時間リアルタイムで取引可能!
先物・オプション取引
先物・オプション取引を
はじめるには
先物・オプションのお取引には、先物・オプション取引口座の開設が必要になります。
※PCでのお手続きを推奨しております
当社の総合口座をお持ちでないお客さま
先物・オプション取引関連ページ
信用取引のご注意事項
-
-
・信用取引に関するリスク
信用取引は、差し入れた委託保証金額の約3倍の取引を行うことができます。そのため、現物取引と比べて大きなリターンが期待できる反面、時として多額の損失が発生する可能性も含んでいます。また、信用取引の対象となっている株価の変動等により、その損失の額が、差し入れた委託保証金額を上回るおそれがあります。この場合は「追加保証金」を差し入れる必要があり状況が好転するか、あるいは建玉を決済しない限り損失が更に膨らむリスクを内包しています。
追加保証金等自動振替サービスは追加保証金が発生した際に便利なサービスです。 -
・信用取引の「二階建て」に関するご注意
委託保証金として差し入れられている代用有価証券と同一銘柄の信用買建を行うことを「二階建て」と呼びます。当該銘柄の株価が下落しますと信用建玉の評価損と代用有価証券の評価額の減少が同時に発生し、急激に委託保証金率が低下します。また、このような状況下でお客さま自らの担保処分による売却や、場合によっては「追加保証金」の未入金によって強制決済による売却が行われるような事態になりますと、当該株式の価格下落に拍車をかけ、思わぬ損失を被ることも考えられます。よって、二階建てのお取引については、十分ご注意ください。 - もっと見る 閉じる
-
・信用取引に関するリスク
先物・オプション取引の免責事項・注意事項
-
- ・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社、および情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製、または販売等を行うことは固く禁じます。
-
・必要証拠金額は当社SPAN証拠金(発注済の注文等を加味したSPAN証拠金×100%)-ネット・オプション価値(Net Option Value)の総額となります。
・当社SPAN証拠金、およびネット・オプション価値(Net Option Value)の総額は発注・約定ごとに再計算されます。
・SPAN証拠金に対する掛け目は、指数・有価証券価格の変動状況などを考慮のうえ、与信管理の観点から、当社の独自の判断により一律、、またはお客さまごとに変更することがあります。
・「HYPER先物コース」選択時の取引における建玉保有期限は新規建てしたセッションに限定されます。必要証拠金額はSPAN証拠金×50%~90%の範囲で任意に設定が可能であり、また、自動的に決済を行う「ロスカット」機能が働く取引となります。
・先物・オプションのSPAN証拠金についてはこちら(日本証券クリアリング機構のWEBサイト)
・指数先物の価格は、対象とする指数の変動等により上下しますので、これにより損失を被ることがあります。市場価格が予想とは反対の方向に変化したときには、比較的短期間のうちに証拠金の大部分、またはそのすべてを失うこともあります。その損失は証拠金の額だけに限定されません。また、指数先物取引は、少額の証拠金で多額の取引を行うことができることから、時として多額の損失を被る危険性を有しています。
・日経平均VI先物取引は、一般的な先物取引のリスクに加え、以下のような日経平均VIの変動の特性上、日経平均VI先物取引の売方には特有のリスクが存在し、その損失は株価指数先物取引と比較して非常に大きくなる可能性があります。資産・経験が十分でないお客さまが日経平均VI先物取引を行う際には、売建てを避けてください。
・日経平均VIは、相場の下落時に急上昇するという特徴があります。
・日経平均VIは、急上昇した後に数値が一定のレンジ(20~30程度)に回帰するという特徴を持っています。
・日経平均VIは、短期間で急激に数値が変動するため、リアルタイムで価格情報を入手できない環境での取引は推奨されません。
・指数オプションの価格は、対象とする指数の変動等により上下しますので、これにより損失を被ることがあります。なお、オプションを行使できる期間には制限がありますので留意が必要です。買方が期日までに権利行使又は転売を行わない場合には、権利は消滅します。この場合、買方は投資資金の全額を失うことになります。売方は、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。また、指数オプション取引は、市場価格が現実の指数に応じて変動しますので、その変動率は現実の指数に比べて大きくなる傾向があり、場合によっては大きな損失を被る危険性を有しています。
・未成年口座のお客さまは先物・オプション取引口座の開設は受付いたしておりません。
・「J-NETクロス取引」で取引所 立会市場の最良気配と同値でマッチングする場合、本サービスをご利用いただくお客さまには金銭的利益は生じないものの、SBI証券は取次ぎ手数料をSBIジャパンネクスト証券から受取ます。
・J-NETクロス取引の詳細は適宜修正される可能性がありますのでご留意ください。 - もっと見る 閉じる