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『ココがPOINT!』

日経平均はさらに上昇か!?上昇余地と物色の方向感を探る

2021/9/7
投資情報部 鈴木英之・長谷川綾乃

日経平均株価は、8/20(金)の年初来安値から9/6(月)の29,659円89銭まで9.8%上昇しました。また、TOPIX終値(2,041.22)は1990/8/16以来、およそ31年ぶりの高値水準となりました。
そこで今回は、日経平均株価の上昇余地や上昇をリードしてきた銘柄、流れに乗れなかった銘柄の今後について、どう考えるべきかまとめました。

ココがPOINT!

1.日経平均株価が6日続伸。TOPIXはおよそ31年ぶり高値。

日経平均株価は、9月第1週(8/30~9/3)終値が29,128円11銭、前週末(8/27)比で1,486円97銭(5.4%)高、週足ベースで続伸となりました。
8/31(火)はおよそ1ヵ月半ぶりの高値。日経平均株価は7月まで11ヵ月連続で月末最終営業日に下落していたため、1年ぶりに月末高で終えました。
9/2(木)は4日続伸も、前日まで3日間で800円程上げており、上値は重く、買い一巡後は利益確定売りに押されました。
9/3(金)は菅首相が自民党総裁選への出馬を見送る意向と報道後、上げ幅が急拡大。
9/6(月)は6日続伸し、4/19(月)以来およそ5ヵ月ぶりの高値となりました。
また、TOPIXも連日で大幅続伸し、1990/8/16以来およそ31年ぶりの高値となりました。

一方、NYダウは9月第1週(8/30~9/3)終値が前週末比0.2%安、週足ベースで反落となりました。
9/1(水)はADP雇用統計が市場予想を大幅に下回り、雇用回復鈍化懸念が意識される展開となりました。
9/3(金)は雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に下回って低下。また、ISM非製造業(サービス業)景況感指数も過去最高だった7月から低下したため、雇用回復鈍化懸念が強まりました。
週全般を通してNYダウは軟調な値動きとなった中、ナスダック、S&P500は連日で過去最高値を更新。アップルやネットフリックスなど、主力ハイテク株が堅調に推移し、指数をけん引しました。

≪トピックス≫やっと!?任天堂が日経平均採用銘柄に
225銘柄の定期見直しに伴い、採用が決まったキーエンス(6861)、任天堂(7974)、村田製作所(6981)。日経平均株価への寄与度にも注目が高まります。
除外銘柄は日清紡ホールディングス(3105)、東洋製缶グループホールディングス(5901)、スカパーJSATホールディングス(9412)。10/1(金)の算出から入れ替え予定です。
なお、各社の株式分割や株式併合の割合に応じて9/29(水)から下記3銘柄のみなし額面が変更となります。10/1(金)からは、これを踏まえた株価換算係数が設定されます。
・双日(2768) 500円→2,500円
・TDK(6762) 50円→3分の50円
・トヨタ自動車(7203) 50円→10円

図表1 日経平均株価の値動きとその背景

  日経平均株価 日米株式市場等の動き
終値 前日比
8/31(火) 28,089.54 300.25 続伸。およそ1ヵ月半ぶりの高値。ファーストリテイリングなど値がさの主力銘柄が高い。日経平均は1年ぶりに月末高で終えた。
9/1(水) 28,451.02 361.48 近く解散総選挙が行われるとの観測から思惑買いが広がる。4~6月期の法人企業統計は、金融業と保険業を除く全産業の設備投資額が5四半期ぶりに前年比で増加。
9/2(木) 28,543.51 92.49 東京エレクトロンなど、値がさの半導体関連銘柄が総じて高い。
9/3(金) 29,128.11 584.60 6/16以来、およそ2ヵ月半ぶりの高値。菅首相が自民党総裁選への出馬を見送る意向だと報道され、上げ幅が急拡大。
9/6(月) 29,659.89 531.78 6日続伸。4/19以来およそ5ヵ月ぶりの高値。ファーストリテイリングなど、値がさ株がけん引。

※日経平均株価データ、各種資料をもとにSBI証券が作成。

図表2 日経平均株価(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

※当社チャートツールをもとに作成。データは2021/9/7時点。

図表3 NYダウ(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

※当社チャートツールをもとに作成。データは2021/9/7時点。

図表4 ドル・円相場(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

※当社チャートツールをもとに作成。データは2021/9/7時点。

図表5 主な予定

月日 国・地域 予定 備考
9/3(金) アメリカ 8月雇用統計 市場コンセンサスは雇用者数+77.5万人
    8月ISM非製造業景況指数  
9/6(月) アメリカ 休場(レーバーデー) 米国の「夏休みシーズン」が終了
    失業給付上乗せ、全州で終了  
9/7(火) 日本 7月毎月勤労統計調査  
    7月家計調査  
    7月景気動向指数  
  中国 8月貿易収支  
  ドイツ 9月ZEW景況感指数  
9/8(水) 日本 4-6月期実質GDP確報値  
    8月景気ウォッチャー調査  
  アメリカ ベージュブック  
    JOLT求人件数  
9/9(木) 日本 8月マネーストック  
    ★決算発表 積水ハウス
  中国 8月生産者・消費者物価  
    資金調達総額(15日までに発表予定)  
  ヨーロッパ ECB定例理事会  
  アメリカ 失業保険申請件数  
    ★決算発表 Zスケーラー
9/10(金) 日本 メジャーSQ算出日  
    エルニーニョ監視速報  
  アメリカ 8月生産者物価  
    ★決算発表 クローガー
9/13(月) 日本 7-9月期景気予測調査  
    8月国内企業物価指数  
  アメリカ ★決算発表 オラクル
9/14(火) アメリカ 8月NFIB中小企業楽観指数  
    8月消費者物価指数  
9/15(水) 日本 7月機械受注  
  中国 8月工業生産・小売売上高・都市部固定資産投資  
  アメリカ 9月ニューヨーク連銀製造業景気指数  
    8月鉱工業生産・設備稼働率  
9/16(木) 日本 8月貿易統計  
  アメリカ 8月小売売上高  
    9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数  
9/17(金) 日本 自民党総裁選の告示(29日開票)  
  アメリカ 9月ミシガン大学消費者マインド  

※各種報道、WEBサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。

図表6 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

  2021年 2022年
日銀金融政策決定会合 9/22(水)、10/28(木)、12/17(金) 1/18(火)、3/18(金)、4/28(木)、6/17(金)、7/21(木)、9/22(木)、10/28(金)、12/20(火)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 9/22(水)、11/3(水)、12/15(水) 1/26(水)、3/16(水)、5/4(水)、6/15(水)、7/27(水)、9/21(水)、11/2(水)、12/14(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 9/9(木)、10/28(木)、12/16(木) 1/20(木)、3/10(木)、4/14(木)、6/9(木)、7/21(木)、9/8(木)、10/27(木)、12/15(木)

※日米欧中銀WEBサイトを基にSBI証券が作成。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。 なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しています。日付は現地時間を基準に記載しています。

2.≪日本株を上昇させた5つの理由≫上値余地と物色の方向感とは

日経平均株価は8/20(金)の年初来安値26,954円81銭をボトムに9/6(月)の29,659円89銭まで、9.8%上昇しました。また、この日のTOPIX終値(2,041.22)は1990/8/16以来、およそ31年ぶりの高値水準となりました。

株価の上昇要因については以下の通りです。
(1)菅首相の退陣表明で、総選挙における自民党大敗リスクが後退。次期政権による政策に期待が高まる。
(2)2017~2020年の9月相場は4連勝で、9月の日経平均株価は上昇する傾向。配当・株主優待権利取りで需給も良好な時期。
(3)国内の新型コロナウイルスの感染拡大がピークアウトか。新規感染者数は8/20(金)をピークに減少傾向にある。
(4)テクニカル的に強い形状に転換。日経平均株価は25日移動平均線が上昇転換し、一目均衡表(日足)は3役好転。
(5)米雇用統計(8月)で非農業雇用者数が大きく下振れたことで、米国の緩和的金融政策が長期化か。

米国時間の9/3(金)、同国で雇用統計(8月)の発表がありましたが、非農業部門雇用者数は事前予想(73.3万人増)を大きく下回り23.5万人増にとどまりました。新型コロナウイルスの感染再拡大で景気回復にかげりが見え始めています。このため、米国時間9/22(水)に結果発表予定のFOMCでは、テーパリング(量的緩和縮小)の決定を見送るとの見方が有力になっています。米国の金融緩和政策が長期化し、高値更新モードが続くことになれば、日本株にも明るい材料になると考えられます。

日経平均株価は8/30(月)~9/6(月)に6連騰し、この間株価は2,018円75銭(7.3%)も上昇。2/16(火)に記録した年初来高値(30,714円52銭)の更新も見えてきた一方、いったんは戻り売りが増える場面もありそうです。ただ、TOPIXはおよそ31年ぶりの高値水準となっています。(図表7)多少の戻り売りがあっても日経平均の30,000円回復に支障は少ないと思われます。

図表7 TOPIXの推移

※TOPIXデータをもとにSBI証券が作成。 ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。 期間:1990/1/4~2021/9/6

図表8、図表9は8/20(金)~9/6(月)の日経平均株価採用銘柄の株価上昇率、下落率の上位銘柄です。
日経平均株価の上昇をけん引してきた業種は海運や鉄鋼などが中心で、陸運や電力は冴えませんでした。
なお、上昇した銘柄の一部には過熱感もみられるため、注意が必要でしょう。
一方、下落した銘柄については“需要の回復”に注目したいと思います。政府は新型コロナウイルス向けワクチンの接種を前提とした行動制限の緩和を検討しています。陸運などリベンジ消費関連銘柄は早期の需要回復が期待されます。

図表8 日経平均株価採用銘柄の上昇率上位

コード 銘柄 東証33業種 株価(8/20) 株価(9/6) 騰落率(8/20~9/6)
9104 商船三井 海運業 6,460 8,980 39.0%
9101 日本郵船 海運業 7,290 9,830 34.8%
5411 ジェイエフイーホールディングス 鉄鋼 1,441 1,897 31.6%
9107 川崎汽船 海運業 4,510 5,820 29.0%
6976 太陽誘電 電気機器 5,560 7,030 26.4%
2801 キッコーマン 食料品 7,270 9,030 24.2%
5631 日本製鋼所 機械 2,380 2,919 22.6%
5401 日本製鉄 鉄鋼 1,902.5 2,313.5 21.6%
7951 ヤマハ その他製品 5,930 7,160 20.7%
6770 アルプスアルパイン 電気機器 1,071 1,276 19.1%

※日経平均株価データをもとにSBI証券が作成。 ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

図表9 日経平均株価採用銘柄の下落率上位

コード 銘柄 東証33業種 株価(8/20) 株価(9/6) 騰落率(8/20~9/6)
9021 西日本旅客鉄道 陸運業 5,723 5,111 -10.7%
4004 昭和電工 化学 2,737 2,542 -7.1%
3863 日本製紙 パルプ・紙 1,265 1,221 -3.5%
9020 東日本旅客鉄道 陸運業 7,147 6,918 -3.2%
7003 三井E&Sホールディングス 輸送用機器 489 477 -2.5%
9503 関西電力 電気・ガス業 1,094 1,073.5 -1.9%
9502 中部電力 電気・ガス業 1,343.5 1,324.5 -1.4%
1803 清水建設 建設業 824 815 -1.1%
9501 東京電力ホールディングス 電気・ガス業 289 287 -0.7%
8303 新生銀行 銀行業 1,421 1,414 -0.5%

※日経平均株価データをもとにSBI証券が作成。 ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

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