特集レポート

【マーケット・フラッシュ】「短観」が示唆する投資戦略は?

2020/4/1
投資情報部 鈴木 英之

3月末の日経平均株価は18,917円01銭となり、前月末比2,225円95銭(10.5%)の下落となりました。新型コロナウイルスの感染拡大が中国・アジアから欧米に移り、感染拡大ペースも加速する中、主要国で生産・サービス活動もストップとなり、世界経済の悪化が大いに懸念されるに至りました。また、産油国の協調減産体制が崩れ、原油先物相場が急落したことも波乱を助長する形になりました。

こうした中、4/1(水)の取引開始前、日銀短観(3月調査)が発表されました。全国9,653社の企業に景況感をアンケート(調査期間は2/25~3/31)したものです。現時点での景況感について、「良い」とする企業の割合から「悪い」とする企業の割合を引いた業況判断指数は、大企業・製造業で「-8」となりました。この数字は12月調査時点での「先行き」予想である「0」からは8ポイント悪化しましたが、事前の市場コンセンサスである「-10」よりは上放れました。一方、大企業・非製造業の業況判断指数は「8」となりました。この数字は12月調査時点での「先行き」見通しである「18」からは10ポイント悪化しましたが、事前の市場コンセンサスである「2」よりは上放れました。

大企業・製造業の業況判断指数の「-8」は2013年3月調査(業況判断指数は今回と同じ「-8」)以来7年ぶりのマイナスとなりました。なお、3ヵ月後の景況感を予想する「先行き」については、大企業・製造業が「-11」(市場コンセンサスは「-15」)、大企業・非製造業は「-1」(市場コンセンサスは「-10」)となり、悪化が予想されるものの、市場が懸念する程厳しくはなさそうという数字になっています。

数字だけをみればポジティブな印象の「短観」になりました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によりもたらされるとみられる景気悪化の程度を、日本企業が読み切っていない可能性は大きいと考えられます。足元における世界の新型コロナウイルス感染者数・死亡者数は増加を続けており、日本でも感染爆発の兆しがみえています。したがって「短観」自体の上振れは株式市場の材料にはなりにくいと考えられます。

なお、現状では日本企業の2020年度経常利益(大企業・全産業)は前期比1.9%の減益見通しですが、上期に前年同期比5.0%減益、下期に1.9%増益の予想です。下期は消費税引き上げ(2019年10月)の影響も剥落する上、仮に新型コロナウイルスの感染拡大が一巡すれば、その悪影響からも解放されるとみられます。したがって、新型コロナウイルスの感染が一巡すれば、株式市場が下期回復シナリオを織り込み、上昇に転じる可能性がありそうです。

なお、個別業種では、「通信」や「情報サービス」が、12月調査時点での「先行き」見通しに対し、3月調査の数字が上振れる結果になっています。すなわち、これらの業種では例外的に業績予想に対する上振れや上方修正が期待できると思われます。「5G」や「テレワーク」「働き方改革」等は引き続き有望な投資テーマになりそうです。

関連商品

日経平均がどちらに動くかを予想して、利益を狙える!

コード 銘柄名
1570 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信

株価 取引

1357 NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信

株価 取引

1360 日経平均ベア2倍上場投信

株価 取引

1579 日経平均ブル2倍上場投信

株価 取引

1321 日経225連動型上場投資信託

株価 取引

相場が大きく動いたら?

SBI証券なら多彩な商品群で取引チャンスを逃がしません!

国内株式

SBI証券の国内株取引の魅力

当社でのお取引が初めての方

まずは総合口座を開設してください

総合口座を開設する(無料)

免責事項・注意事項

  • ・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客様が損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
    重要な開示事項(利益相反関係等)について
  • <手数料等及びリスク情報について>
    ・当社の取扱商品は、各商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります(信用取引、先物・オプション取引、外国為替保証金取引、取引所CFD(くりっく株365)では差し入れた保証金・証拠金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります)。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等およびリスク情報につきましては、SBI証券WEBサイトの当該商品等のページ及び金融商品取引法に係る表示並びに契約締結前交付書面等の記載内容をご確認ください。
    金融商品取引法に係る表示はこちら
  • もっと見る 閉じる
page top