米国株決算速報
フラッシュ～決算速報：テスラ（TSLA）+1.45%～
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マーケティング部 谷 健一郎
2Q(4-6月期)決算速報（現地7/20引け後発表）
●決算発表後の時間外取引（日本時間10:00時点）：753.30ドル（+1.45%）
●売上高：169.3億ドル（予想168.8億ドル）〇市場予想を上回った
●調整後EPS：2.27ドル（予想1.83ドル）〇市場予想を上回った
●自動車事業の粗利益率：+27.9％（予想+26.9％）〇市場予想を上回った
●粗利益率：+25.0％（予想+24.5％）〇市場予想を上回った
●フリーキャッシュフロー：6.21億ドル（予想6.25億ドル）△市場予想にわずかに届かず
●現金及び現金同等物：183.2億ドル（予想189.2億ドル）
●CAPEX（資本的支出）：17.3億ドル（予想16.0億ドル）
売上高、特に調整後EPSは市場予想を大きく上回りました。コロナによる上海での生産調整があり売上高は前四半期比でマイナスとなりましたが、利益率は高水準を維持、予想を上回りました。決算内容を好感し株価は引け後の取引で上昇しています。
決算のポイント
●モデルS/X出荷台数：16,162台（予想14,906台）〇市場予想を上回った
●モデル3/Y出荷台数：238,533台（予想236,662台）〇市場予想を上回った
●世界出荷台数：254,695台、前年同期比27％増も前四半期比で2年ぶり減少（過去最高は前四半期の310,048台）
●カスタマー・デポジット（顧客預託金）：11.8億ドル（予想10.7億ドル）〇市場予想を上回った
●サービス・その他売上高：14.7億ドル（予想12.3億ドル）〇市場予想を上回った
●エネルギー事業（Energy Generation & Storage）：8.7億ドル（予想8.6億ドル）〇市場予想を上回った
●上海でのロックダウンの影響から操業停止に陥ったが克服した
●6月の月間生産量は過去最高を更新した
●独ベルリンと米テキサス州オースティンの工場は順調に生産能力を拡大
●独ベルリン工場では週の生産1,000台と過去最高を達成
●米カリフォルニア州フリーモント工場では累計200万台の生産を達成
●米テキサス州オースティン工場から4680バッテリー搭載車を始めて出荷
●2Qはエネルギー事業も大きく前進。顧客の引き合い強く出荷増から利益拡大に貢献
●購入したビットコインの約75％を法定通貨に転換、9.4億ドルの現金がバランス・シートに追加された
経営陣の主なコメント
●マスクCEOは、決算発表後のカンファレンスコールに参加しました（重要なアップデートが無い限り参加しないとしていた）
●2Ｑは上海のロックダウンにより特異な四半期となった。しかし6月には上海とフリーモントで過去最高の生産台数を達成した
●下半期は記録破りの事業年度になる手ごたえを感じている
●インフレは終息傾向を感じている、来年中頃には価格の引下げの可能性もあろう
●オートパイロットであるFSD（フルセルフ ドライビング）を拡大している。一般道路でFSDのベータ版搭載車両を10万台以上に展開中
●現在、FSDベータ版で3,500万マイル以上のデータを取得。オーナーは満足しておりデータ量はどの企業をも上回ると自負、技術向上に役立てる
●FSDのベータ版は今年末までに北米のすべての顧客向けにリリースを予定。規制当局の承認次第では欧州、他グローバルに展開する計画
●FSDは将来的に提供価格を引き上げる可能性がある
●エネルギー事業は記録的な粗利益率を達成した
●サイバートラックは2023年中頃にデビューを見込む
●期中にビットコインを売却、キャッシュポジションが増加しバランスシート改善に貢献した
●ビットコインを再び取得する可能性は否定しない
●記録的な温暖化からエネルギー構造の転換を急ぐべきであろう
●当社の課題は生産能力の拡大であり需要ではない
決算を受けたマーケットの反応
売上高、特に調整後EPSは市場予想を大きく上回りました。しかしコロナによる上海での大幅な生産調整があり売上高は前四半期比でマイナスとなりました。サプライズに欠ける決算との指摘もありますが下期に向けた準備期間と前向きに捉える声が多数みられます。決算内容を好感し株価は引け後の取引で一時当日終値比4.8％高まで上昇しましたが1.45％高で取引を終えております。
決算では生産能力が順調に拡大していること、キャッシュ・フローやバランスシートが改善されていること、FSD（フルセルフ ドライビング）の顧客向け開放や収益化の手掛かりが示されました。また自動車事業に加えてエネルギー事業やサービス・その他売上高なども静かに成長していることも注目に値するでしょう。
今回の決算発表ではロボタクシーや人型ロボットなどへの言及はありませんでしたが、8月には1：3の株式分割案や9/30には「Tesla AI Day」を控えております。下期の業績期待と相まって投資家の注目度は依然高そうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均：870.62ドル（7/20時点）
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