米国株決算速報
エヌビディア(NVDA)普通の好決算!?株価の調整局面あればエントリーの好機か

デジタル営業部 谷 健一郎
2Q(5-7月期)決算速報(現地8/28引け後発表)
同社はAIコンピューティングの世界トップ企業の一社です。ChatGPTなど革命的なプラットフォームがサービスを開始するなか、GAFAMを筆頭に企業や各国政府がこぞってAI化に取組みます。同社は、半導体開発やAI向けのソリューションで業界をリード。最近ではチップ単体の開発からAI向けサーバー完成品、更には冷却装置まで含めた提案を行う「AIプラットフォーマー」と呼べる存在になりつつあります。8/28現在、米国上場の株式時価総額ではアップル(AAPL)に次ぐ2位、大きな存在感を放っています。
●決算発表後の時間外取引(日本時間9:00時点):116.91ドル(-6.93%)
●売上高:300.4億ドル、前四半期は260.4億ドル(予想288.6億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:0.68ドル、前四半期は0.61ドル(予想0.64ドル)〇市場予想を上回った
●調整後粗利益率:75.7%、前四半期は78.9%(予想75.5%)〇市場予想をわずかに上回った
●調整後営業経費:27.9億ドル、前四半期は25.0億ドル(予想28.1億ドル)市場予想とほぼ一致した
●8-10月期売上高見通し:325億ドル±2%(318.5億ドル)〇市場予想を上回った
●8-10月期調整後粗利益率見通し:74.5~75.5%(予想75.0%)△中間値が市場予想と一致した
●8-10月期調整後営業経費見通し:30.0億ドル(予想29.8億ドル)△市場予想とほぼ一致した
2Qの実績値は売上高、調整後EPSとも市場予想を上回りました。ただ引け後の取引で株価は一時8%ほど下落。3Qの見通しで売上高は市場予想を上回りましたが、いままでに比べると「期待外れ」だったようです
決算のポイント
●データセンター向け売上高:263.0億ドル、前四半期は226.0億ドル(予想250.8億ドル)〇市場予想を上回った
●ゲーム向け売上高:28.8億ドル、前四半期は26.5億ドル(予想27.9億ドル)〇市場予想を上回った
●プロフェッショナル・ビジュアライゼーション売上高:4.54億ドル、前四半期は4.27億ドル(予想4.51億ドル)〇市場予想をわずかに上回った
●オートモーティブ売上高:3.46億ドル、前四半期は3.29億ドル(予想3.48億ドル)△市場予想とほぼ一致した
●R&D(研究開発)費用:30.9億ドル(予想30.8億ドル)市場予想とほぼ一致した
●フリーキャッシュフロー:135.1億ドル、前四半期は149.8億ドル(予想135.7億ドル)×市場予想をわずかに下回った
●500億ドルの自社株買いを追加で承認
●次世代チップ・プラットフォーム「ブラックウェル*」は生産上の問題に対処していると示唆。11-1月期には同製品から「数十億ドル」の売上高がもたらされる見込み
*ブラックウェルは2080 億個のトランジスタを搭載するGPU 。コストとエネルギー消費を従来品の 25 分の 1 に抑え、数兆パラメータの大規模言語モデルによるリアルタイム生成 AI を構築/実行可能となる。2年前に発売された「Hopper」の後継型。アマゾンAWS、グーグル・クラウド、マイクロソフト・アジュールや政府向けのソブリン・クラウドなどクラウド・サービス・プロバイダー向けに提供を見込む。
経営陣の主なコメント
●2Qも好調。売上高は300 億ドルで過去最高、前四半期比 15% 増、前年比122% 増で当社見通しの280 億ドル±2%を大きく上回った。データ センターが牽引。同部門の売上高は263 億ドル、前四半期比 16% 増、前年比 154% 増と記録的な数字だった。「Hopper」、GPU コンピューティング、および当社のネットワーク ・プラットフォームに対する強い需要に支えられた。
●顧客は、次世代モデル「ブラックウェル」の採用準備を進めつつ、現行「Hopper アーキテクチャ」の需要も旺盛。主なワークロードは、生成 AI、モデル・トレーニング、推論向けなど。
●過去4 四半期で、推論(Inference)がデータセンター向け売上の 40%を上回ったとみている。CSP(クラウドサービスプロバイダー)、一般消費者、インターネット企業は当社の高効率推論プラットフォームから大きな恩恵を受けていよう。
●中国向けはデータセンター売上高が前四半期比で増加、データセンター全体売上に大きく貢献した。ただ総売上に占める比率は、依然輸出規制前の水準を下回っている。
●企業のAI実装が本格化しはじめた。当社は業界、国、地域をまたいでAI 化を先導。フォーチュン100企業のほぼすべてが顧客だ。
●AI は医療用画像、手術用ロボット、患者のケア、電子医療、記録処理、創薬に革命をもたらしている。数十億ドル規模のビジネスへ成長しつつある。
●「Hopper」の引合いは非常に好調、「ブラックウェル」の需要は信じられないほどだ。背景にはいくつかの理由がある。世界のCSP(クラウドサービス プロバイダー)が現在利用可能なGPU処理能力は基本的に既存事業ですべて使用されている。新たに画像や単語を生成するためには、当社のGPU、データ処理~高速アクセラレーターが最適解とみている。
決算を受けたマーケットの反応
AI向けサーバーが大きく成長し注目を集めたスーパーマイクロ・コンピューター(SMCI)は3/8の高値から約6割下落。生成AI関連銘柄の勝ち組企業の選別は、より厳しくなっています。エヌビディアも2Q決算実績、3Q決算見通しと良好ではあるもののここ数四半期の「スーパー・サプライズ決算」とはならず、引け後の取引で株価は一時8%ほど下落しました。エヌビディアに対しても、過度に高まった投資家のマインドをリセットする局面に入ったようです。
AIを活用した製品やサービスの導入による世の中の変革はまだ始まったばかり。そのようななか、エヌビディアは単体のチップ開発からAIサーバー完成品、冷却装置やAI活用のコンサルティングも行います。足元、現行モデルの「Hopper」、次世代モデルの「ブラックウェル」に自信を示すジェンスン・ファンCEO。「AIプラットフォーマー」としての存在感を高める同社は、株価の調整局面があればエントリーの好機かもしれません。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:145.17ドル
同、アナリスト・レーティングは5段階評価の4.76
同、相関チャート上位の同業はブロードコム(AVGO)、マーベル・テクノロジー(MRVL)、クアルコム(QCOM)
最低投資金額:約18,300円(8/28終値、1ドル145円換算)
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
※本ページでご紹介している銘柄は、当社内売買代金ランキング上位5社(2024/1/1~2024/6/30)の銘柄となります。
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