米国株決算速報
アーム(ARM)通期見通し据置も株価上昇トレンドは継続か!?
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お知らせ
アーム・ホールディングス(ARM)は2024年11月時点で買・売建可能銘柄となっております
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デジタル営業部 谷 健一郎
2Q(7-9月期)決算速報(現地11/6引け後発表)
ソフトバンクグループの傘下で半導体設計の世界最大手企業。スマートフォン向け半導体設計では9割超のシェアを占めます。同社の売上高は主に半導体企業にライセンスを供与した際のライセンス収入、チップ出荷の際のロイヤルティー収入で構成されます。省電力設計に強みを有する同社。AI向けなど大量の電力を消費するチップ向けにシェア拡大が期待されます。
●決算発表後の時間外取引(日本時間10:00時点):137.31ドル(-5.09%)
●売上高:8.44億ドル、前年同期比+4.7%(予想8.11億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●調整後EPS:0.30ドル(予想0.26ドル)〇市場予想を上回った
●10-12月期売上高見通し:9.20~9.70億ドル(予想9.51億ドル)×中間値が市場予想を下回った
●10-12月期調整後EPS見通し:0.32~0.36ドル(予想0.34ドル)△中間値が市場市場と一致した
●25年3月期通期売上高見通し:38.0~41.0億ドルを据置(予想39.7億ドル)×中間値が市場予想をわずかに下回った
●25年3月期通期調整後EPS見通し:1.45~1.65ドルを据置(予想1.56ドル)×中間値が市場予想をわずかに下回った
売上高や調整後EPS実績値は市場予想を上回りました。ただ25年3月期通期見通しを据置。AI向けで成長期待が高い同社。今回の決算発表では投資家の高い期待に応えることは出来ず、引け後の取引では売り先行、株価は約5%の下落となりました。
決算のポイント
●ライセンス及びその他売上高:3.30億ドル(予想3.00億ドル)〇市場予想を上回った
●ロイヤルティ売上高:5.14億ドル(予想5.09億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後売上総利益:8.20億ドル(予想7.85億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●調整後粗利益率:97.2%(予想96.9%)〇市場予想を上回った
●ライセンスおよびその他売上高は前年比15%減の3.30億ドル。減収は想定通り、複数の高額ライセンス契約のタイミング等による。ただし引合いは好調。
●ロイヤリティ売上高は前年同期比23%増の5.14億ドルと好調。AI需要に対応するため最新のArmv9*を導入する顧客が増加、デバイスあたりの収益も増加した。Armのエコシステムによって出荷されたチップの累計数は現在 3,000 億超。
*Arm v9:2021年、10年ぶりに刷新した次世代型の基本アーキテクチャ。利益率が高い。
経営陣の主なコメント
●2Qは会社予想の上限を上回る素晴らしい結果となった。次世代アーキテクチャであるArmv9の採用増により、ロイヤルティ売上高は過去最高だった
●ロイヤルティ売上高はチップあたり単価上昇が牽引。Armv9はロイヤルティ売上の 25%を占有、前年同期の10%から大幅増。さらにスマートフォンのロイヤルティ売上高が40% 増となったことは特筆すべきであろう
●アーム・コンピュート・サブシステム (CSS)*によるライセンスの数が 前年比で倍増した。言うまでもなくAIはあらゆる場所で利用されている。Armの設計はクラウドのデータセンター向けから各端末などあらゆる場所で、高性能で電力効率に優れたコンピューティング プラットフォームの需要を促進している
●2Qの重要なマイルストーンとして、エヌビディアのブラックウェル、マイクロソフトの独自プロセッサ コバルト、グーグルはアクション・プロセッサの出荷が開始。全てArmv9 ベースだ
●自動車向けアプリケーションとクラウド・サービスプロバイダー向けでシェアが拡大している
●アーム・コンピュート・サブシステム (CSS)*は複数のアームIP(回路設計データ)を事前統合したサポート・システム
決算を受けたマーケットの反応
同社の予想PERは約93倍、予想PSR(株価売上高倍率)は約38倍とナスダック100指数構成銘柄の中でもバリュエーションの高さが目立つ。決算発表で25年3月期通期見通しを据置いたことから、投資家の高い期待に応えることは出来ず、引け後の取引では売先行となった。ただ事業は好調な模様。データセンター向けや大規模言語モデル(LLM)、自動運転、スマートホームに至るまでAI化がすすむ。アームが誇るアーム・コンピュート・サブシステム (CSS)*や次世代アーキテクチャのArm v9による省電力設計の採用は進み、存在感を増している。株価上昇トレンドの継続は期待できそうだ。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:143.08ドル
同、アナリスト・レーティング:5段階評価の3.98
同、相関チャート上位の同業はNXPセミコンダクターズ(NXPI)、インフィニオンテクノロジーズ(IFX)、STマイクロエレクトロニクス(STMPA)
最低投資金額:22,300円(11/6終値、1ドル154円換算)
インフィニオンテクノロジーズ(IFX)、STマイクロエレクトロニクス(STMPA)は欧州市場上場で当社非取扱銘柄
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