特集レポート FX

ドル円は150円割れを回避し、再び155円台を回復するか?

2024/5/8
提供:SBIリクイディティ・マーケット社

円安は行き過ぎ?本邦の円買い介入はやり過ぎ?

4月26日の日銀金融政策決定会合では「緩和的な金融環境を維持する」との方針を確認したほか、植田総裁の会見でも「円安のインフレへの影響は一時的に留まる」との見解が示されました。加えて、米3月PCEコアデフレーターが市場予想を上回ったことからドル円は158円44銭まで上昇し、158円34銭で取引を終了した流れを受けた29日のアジア市場では一時160円17銭まで上昇しました。

※出所:SBIリクイディティ・マーケット

こうした円安加速を受けて13時過ぎから154円54銭へ急落したことから、市場では本邦通貨当局によるおよそ5.5兆円規模の円買い介入が実施されたとの観測もありました。さらに、2日早朝のFOMCを受けて米長期金利が低下する中、再び約3兆円規模の円買い介入観測とともに153円04銭へ急落しましたが、29日は東京市場が休場、2日早朝(1日の海外市場)は欧州各国が休場となるなどいずれも流動性の薄い中を狙ったとされています。そのため、円買い介入への警戒感が刷り込まれた状況下、3日発表の米4月雇用統計が市場予想を下回ったことから151円86銭へ下落するなど、4月29日の160円17銭から5月3日の151円87銭まで8円30銭もの急落となりました。

※出所:SBIリクイディティ・マーケット

一方、ボウマンFRB理事が「インフレ率はしばらくの間高止まりする可能性」との見解を示したほか、シカゴ連銀グールズビー総裁は4月雇用統計について「雇用統計は堅調。更なるデータを確認する必要性がある」との考えを示したことから153円07銭へ反発し152円97銭で3日の取引を終えました。

米国は本邦通貨当局の対応に不満?

こうした中、4日にイエレン米財務長官は本邦通貨当局による円買い介入による荒っぽい値動きを牽制したとも受け止められる発言を行っています。また、米財務省が年2回公表している「為替政策報告書」(昨年は6月19日に公表)の中で日本を為替操作国と認定する可能性もあり、今後の日本側の対応が注目されます。

※出所:SBIリクイディティ・マーケット

そもそも4月25-26日の日銀金融政策決定会合では、これまでと同程度の国債買い入れを継続するとの文言を声明文から削除したものの、3月の会合において決定された方針に沿って実施するとし、国債買い入れの減額を明確に示しませんでした。こうした中で円買い介入によって力づくで円安に歯止めをかけることの持続性に懐疑的な見方もあるだけに今後の当局の対応が注目されます。

6月11-12日のFOMCに向けて

今週は8日深夜にはジェファーソンFRB副議長(9日深夜0時)、クックFRB理事(9日午前2時半)の発言があります。両氏ともに前回はタカ派寄りの見解を示していることから今回の発言内容と反応が注目されます。

※出所:SBIリクイディティ・マーケット

また、来週14日(23時~)にはパウエルFRB議長の発言が予定されているほか、15日には米4月消費者物価指数が発表されます。

※出所:SBIリクイディティ・マーケット

これらのイベントのほか、5月31日に発表される米4月PCEコアデフレーターや6月7日発表の米5月雇用統計を受けて6月11-12日の次回FOMCで3月時点のインフレ見通しや政策金利見通しがどのように変更されるかが意識されることになります。

※出所:SBIリクイディティ・マーケット

連休明けの東京市場では154円58銭(午前11時30分現在)まで上昇する中、神田財務官があらためて「過度な変動がある場合には、適切な対応をとらなければならない」と牽制したものの、4日のイエレン米財務長官による円買い介入に対する不快感ともとれる発言のほか、日米の経済ファンダメンタルズの違いも反映して円安が進んでおり、ドル円は再び155円台を上抜けるか注目されます。

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