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マーケットレポート

金は米中の部分合意が圧迫も底堅い

2019/10/15
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は英国のEU離脱の行方も焦点

10月7日の週のニューヨーク金市場は、米中の通商協議を控え、方向性を模索していたが、部分的な合意に達したことが圧迫要因になった。次官級の協議で進展なしと伝えられたが、中国が米国産大豆の購入拡大を示したことなどを受け、閣僚級の協議で部分的な合意に達した。トランプ米大統領は「わが国の歴史上、偉大な農家に対する最大かつ最も素晴らしい合意」だと称賛した。ただ米中通商合意の「第1段階」の合意文書作成には引き続き協議が必要である。また米国は15日に予定していた中国製品に対する関税率引き上げを見送ったが、12月の追加関税については保留している。中国はこの追加関税の撤回も望んでおり、週明けは中国がさらなる交渉を求めていると伝えられた。来月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で米中首脳が署名できるよう、合意文書をまとめたいとしている。一方、9月の中国の貿易統計によると、輸出は前年比3.2%減と2月以来の大幅な減少となり、輸入は同8.5%減と5カ月連続で減少した。9月は米国が1日に1,250億ドルの中国製品に対する追加関税を発動し、中国も報復措置を採り、貿易戦争が激化した。今後の関税発動が見送られると、先行き懸念は後退するが、これまでに発動された関税措置で各国の製造業の指標がすでに悪化しており、金の下支え要因になるとみられる。

英国の欧州連合(EU)離脱に関して、英国のジョンソン首相とアイルランドのバラッカー首相が会談し、合意に向けた動きが出た。ただ英国とEUが週末に集中的に協議したが、合意に向けてまだ時間がかかるとみられている。フィンランドのリンネ首相は14日、週内に全面的な合意に至る公算は小さいとの見方を示しており、10月末の離脱期限を控え、合意なき離脱が回避できるかどうかを確認したい。

トルコは9日、シリア北東部に侵攻し、テロ組織と見なすクルド人勢力を攻撃した。トランプ米大統領の米軍撤収の決定が、トルコの軍事作戦を招いた。トルコのシリア侵攻に対し、欧米から批判が出たが、トルコ軍はクルド人主体の武装勢力「シリア民主軍(SDF)」に対する攻撃を継続し、クルド人勢力はシリアのアサド政権と手を結んだ。米大統領はトルコに対する制裁発動を発表し、ペンス米副大統領が代表団を率いてトルコを訪問することになった。一方、11日に紅海で起きたイランの石油タンカー攻撃でイランのロウハニ大統領は、ある政府の仕業と述べた。サウジアラビアのジュベイル国務相(外交担当)は、サウジは関与していないと述べており、今後の調査の行方を確認したい。

10月14日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は4日比2.06トン減の921.71トンとなった。米中の通商協議に対する期待感から投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、10月8日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは27万5,563枚となり、前週の26万8,993枚から拡大した。今回は新規買いが1万1,583枚、新規売りが5,013枚出て、6,570枚買い越し幅を拡大した。

プラチナは米中の部分合意も金軟調で上げ一服に

ニューヨーク・プラチナ期近1月限は、米中の通商協議に対する期待感などを受けて9月30日以来の高値911.4ドルを付けたが、金軟調を受けて上げ一服となった。米中の通商協議で部分的な合意に達したが、合意文書作成で引き続き協議が必要ななか、中国がさらなる交渉を求めており、先行き不透明感が出ている。国慶節明けの上海プラチナでまとまった実需筋の買いが入ったが、買い一巡後は出来高の急増が一服した。米中の通商協議に対する中国の反応は慎重ながらも歓迎するものと伝えられた。中国が求める追加関税の完全撤廃から程遠く、中国経済の先行きに対する懸念が残っている。

プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、14日のロンドンで18.10トン(4日17.67トン)、ニューヨークで24.05トン(同24.05トン)、南アで31.04トン(同31.01トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、10月8日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万6,814枚(前週2万6,598枚)に拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。

ニューヨーク金は調整局面を継続

ニューヨーク金12月限は調整局面を継続し、10月1日以来の安値1,478.0ドルを付けた。弱気の米経済指標を受けて10月29~30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが見込まれているが、米中の通商協議で部分合意に達したことが圧迫要因になった。ただ中国が署名前にさらなる交渉を望んでおり、先行き不透明感が残っている。一方、英国の欧州連合(EU)離脱の期限を10月末に控え、英・アイルランドの首脳会談で合意に向けた動きが出たが、EUとの協議でまだ時間がかかるとされた。合意なき離脱に対する懸念が残ると、金は1日安値1,465.0ドルを支持線として値固めの動きになるとみられる。

10月14日からの週の注目ポイント

14日 日本、カナダ休場、米債券・為替休場  
15日 中国消費者物価指数(9月) ☆☆
中国生産者物価指数(9月) ☆☆
独ZEW景況感指数(10月) ☆☆
英雇用統計(9月) ☆☆
16日 ユーロ圏消費者物価指数(9月確報) ☆☆☆
ユーロ圏貿易収支(8月)
英消費者物価指数(9月) ☆☆
米小売売上高(9月) ☆☆☆
米企業在庫(8月)
米地区連銀経済報告(ベージュブック) ☆☆
対米証券投資(8月) ☆☆
17日 英小売売上高指数(9月) ☆☆
米住宅着工・許可件数(9月) ☆☆
米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(10月) ☆☆
米鉱工業生産・設備稼働率(9月) ☆☆
18日 消費者物価指数(9月) ☆☆☆
中国国内総生産(7-9月期) ☆☆☆
中国小売売上高(9月) ☆☆
中国鉱工業生産(9月) ☆☆
ユーロ圏国際収支(8月)

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

参照:SBI証券 > マーケットデータより

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