金・銀・プラチナ
マーケットレポート

金は米FRBの追加利下げの見方で堅調

2020/3/9
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米NY州の緊急事態宣言で上値を伸ばすか

3月2日の週のニューヨーク金市場は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁は電話会議を実施し、米連邦準備理事会(FRB)が緊急利下げを決定したことをきっかけに急伸した。米カリフォルニア州が非常事態を宣言し、リスク回避の動きが広がると、米FRBの追加利下げの見方が出て一代高値1,692.8ドルを付けた。ニューヨーク州も7日に緊急事態を宣言しており、新型コロナウイルスの感染拡大が続くと、金は1,700ドルの節目を試すことになりそうだ。
米経済指標は好調な内容となったが、新型コロナウイルスの感染拡大で今後、悪化するとみられている。2月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数が前月から27万3,000人増と事前予想の17万5,000人増を上回った。失業率は0.1%低下の3.5%。また2月の米ISM非製造業総合指数(NMI)は57.3と、2019年2月以来の高水準となった。ただ米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、過去数週間の米経済は控えめから緩やかなペースで拡大したが、新型コロナウイルスの感染拡大が米景気の重しになり始めている兆しがあるとした。世界の新型ウイルス感染者数は6日に累計で10万人を突破した。米国内で確認された感染は233人、死者は14人となった。新型コロナウイルスの終息の兆しは見られず、米経済は今後、鈍化するとみられている。米連邦準備理事会(FRB)は3日、0.50%の緊急利下げを決定したが、CMEのフェドウォッチによると、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準は今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%利下げの0.25~0.50%の確率が86.3%(前週0.0%)に上昇した。米10年債利回りが過去最低を更新するなか、ドル指数は昨年4月以来の安値95.71を付けた。また米下院は新型コロナウイルス対策に78億ドルを充てる緊急歳出法案を可決した。今週は欧州中央銀行(ECB)理事会があり、金融緩和を決定するのかどうかを確認したい。
一方、中国の経済指標は大幅に悪化し、新型コロナウイルスの影響が出た。2月の中国の製造業購買担当者指数(PMI)は35.7と前月の50.0から急落し、過去最低となった。事前予想は45.0。新型コロナウイルスの対策による移動制限が背景にあり、非製造業PMIも29.6と前月の54.1から急落した。財新製造業PMIも40.3と前月の51.1から低下した。財新サービス部門PMIも26.5(前月51.8)に急落し、過去最低となった。感染源となった湖北省以外で移動制限が緩和され、企業活動が再開しつつあるが、新型コロナウイルスの感染力が強いことや再発の可能性が残ることから先行き懸念が残っている。
3月6日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比21.37トン増の955.60トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の緊急利下げや新型コロナウイルスの感染拡大によるリスク回避の動きを受けて投資資金が流入した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、3月3日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは31万9,733枚となり、前週の33万5,865枚から縮小した。今回は手じまい売りが2万3,166枚、買い戻しが7,034枚入り、1万6,132枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは株安が圧迫も米FRBの緊急利下げなどで下げ一服

ニューヨーク・プラチナ期近4月限は米連邦準備理事会(FRB)の緊急利下げなどを受けて下げ一服となった。新型コロナウイルスの感染拡大によるリスク回避の動きを受けて戻りを売られる場面も見られたが、金堅調や南アの鉱山会社アングロ・アメリカン・プラチナム(アンプラッツ)が不可抗力条項を宣言したことを受けて買い戻しが入ると、905.9ドルまで戻した。ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)は「プラチナ・クォータリー」を発表し、2020年のプラチナは4トンの供給過剰となると予想した。以前はかなりの供給過剰になるとみられていたが、自動車触媒需要が増加することや、ガラス部門の需要増加を受けて見通しが改善した。ただ中国の自動車販売は新型コロナウイルスの影響で2月に急減しており、終息の兆しが見られるまでは先行き警戒感が残ることになりそうだ。一方、南アのアンプラッツは6日、不可抗力条項を宣言した。精製工場が2月10日に爆発事故を起こし、他の工場を稼働させたが、高温で危険な状況となり、閉鎖を決定した。修復には約80日かかり、28トンのプラチナ系貴金属(PGM)の生産が失われるという。WPIC報告の発表後であり、これが反映されると、供給不足に転じることになりそうだ。
プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、3月5日のロンドンで17.97トン(28日18.05トン)、ニューヨークで22.97トン(同23.71トン)、6日の南アで30.77トン(同30.78トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、3月3日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは3万4,037枚となり、前週の5万0,201枚から縮小した。手じまい売り・新規売りが出た。

ニューヨーク金は投資資金流入で一代高値を更新

ニューヨーク金4月限は、米連邦準備理事会(FRB)の緊急利下げをきっかけに急伸すると、新型コロナウイルスの感染拡大によるリスク回避の動きを受けて上値を伸ばし、一代高値1,692.8ドルを付けた。株価急落による換金売りから緊急利下げでまとまった投資資金が流入し、金価格を押し上げた。米カリフォルニア州に続き、ニューヨーク州も非常事態を宣言しており、リスク回避の動きが続くと、1,700ドルの節目を試すことになりそうだ。

3月9日からの週の注目ポイント

9日 国内総生産(10-12月期2次速報) ☆☆☆
国際収支・経常収支(1月) ☆☆
独貿易収支(1月)
独鉱工業生産指数(1月) ☆☆
10日 中国消費者物価指数(2月) ☆☆
中国生産者物価指数(2月) ☆☆
ユーロ圏国内総生産(10-12月期確報) ☆☆☆
11日 英貿易収支(1月)
英鉱工業生産指数(1月) ☆☆
米消費者物価指数(2月) ☆☆☆
米財政収支(2月) ☆☆
12日 ECB理事会 ☆☆☆
ユーロ圏鉱工業生産(1月) ☆☆
米生産者物価指数(2月) ☆☆
13日 独消費者物価指数(2月確報) ☆☆
米輸出入物価指数(2月)
米ミシガン大消費者信頼感指数(3月速報) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

参照:SBI証券 > マーケットデータより

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