金・銀・プラチナ
マーケットレポート

金は米大統領の新型コロナウイルス感染で病状の行方を確認

2020/10/5
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金はドル安継続なら支援要因に

9月28日の週のニューヨーク金市場は、株高や米国の追加経済対策の合意期待を受けてリスク回避のドル高が一服したことから地合いを引き締めた。期近12月限は9月22日以来の高値1,923.6ドルを付けた。トランプ米大統領の新型コロナウイルス感染が伝えられると、株安から急落したが、ドル安に転じたことをきっかけに地合いを引き締めた。リスク回避の動きが一服し、株高・ドル安となったが、米大統領の感染報道をきっかけに株安・ドル安と米国売りになっており、病状の行方と各市場の反応が当面の焦点である。米大統領は感染が伝えられたのち、症状は軽度とされたが、発熱や疲労感などで2日に入院した。症状は改善しており、5日にも退院する可能性があるという。当面は病状の行方と各市場の反応を確認したい。

欧州の新型コロナウイルス感染の第2波で先行き懸念が残るなか、スペインの首都マドリードで2日夜からロックダウン(都市封鎖)措置が再導入された。ただ米国の追加経済対策の合意期待を受けてリスク回避の動きは一服し、ドル指数は9月22日以来の安値93.53を付けた。一方、米新規失業保険申請件数は83万7,000件と前週の87万3,000件から減少したが、引き続き高水準で推移しており、労働市場の回復鈍化が懸念される。9月の米雇用統計はまちまちの内容となった。非農業部門雇用者数が66万1,000人増と前月の148万9,000人増から伸びが大幅に減速し、事前予想の85万人増も下回ったが、失業率は7.9%と前月の8.4%から改善した。ムニューシン米財務長官とペロシ米下院議長の追加経済対策の協議が続く見通しであり、まとまるかどうかを確認したい。

11月の米大統領選を控え、トランプ米大統領とバイデン前副大統領による第1回テレビ討論会が9月29日に開催された。ただ非難合戦となり、異例の混沌状態となった。市場では選挙結果の判明が遅れ、政権移行が混迷するとの懸念が出た。討論会を企画する米大統領候補討論会委員会(CPD)は第2回討論会では、秩序立った討論を行えるよう措置を講じると表明した。第2回討論会は15日にマイアミで開催する。米大統領の選挙陣営は、ルール変更に反対の立場を示している。一方、米大統領の新型コロナウイルス感染で今後の選挙戦の行方がどうなるかも確認したい。

10月2日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比8.76トン増の1,275.60トンとなった。株高や米国の追加経済対策の合意期待を受けてリスク回避の動きが一服したことから、投資資金が戻った。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、9月29日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは24万3,659枚となり、前週の21万9,060枚から拡大した。今回は新規買いが7,091枚、買い戻しが1万7,508枚入り、2万4,599枚買い越し幅を拡大した。

プラチナはドル安や金堅調が支援

ニューヨーク・プラチナ1月限はリスク回避の動きが一服したことや金堅調を受けて買い優勢となり、9月21日以来の高値919.1ドルを付けた。欧州の新型コロナウイルス感染の第2波で先行き懸念が残るが、米国の追加経済対策の合意期待などが支援要因である。ただトランプ米大統領が新型コロナウイルスに感染し、当面の波乱要因である。追加経済対策の協議が続く見通しであり、まとまるかどうかも焦点である。

プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、29日のロンドンで18.60トン(前週末18.59トン)、2日のニューヨークで38.34トン(同37.48トン)、1日の南アで19.32トン(同19.32トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、9月29日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは9,824枚となり、前週の1万0,260枚から縮小し、2019年7月以来の低水準となった。手じまい売りが買い戻しを上回った。

ニューヨーク金は下げ一服で新たなレンジを形成

ニューヨーク金12月限は7月21日以来の安値1,851.0ドルを付けたのち、リスク回避のドル高が一服したことを受けて下げ一服となった。金ETF(上場投信)に投資資金が戻っており、9月安値を目先の支持線として新たなレンジを形成するとみられる。米連邦準備理事会(FRB)の低金利長期化見通しが中長期の支援要因である。一方、当面はトランプ米大統領の新型コロナウイルス感染で病状の行方と各市場の反応が焦点である。前週はリスク回避の動きが一服し、株高・ドル安となったが、感染報道をきっかけに株安・ドル安に転じ、米国売りとなった。

10月5日からの週の注目ポイント

5日 オーストラリア、中国休場
ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数(9月確報) ☆☆
ユーロ圏小売売上高(8月) ☆☆
米ISM非製造業景況指数(9月) ☆☆☆
6日 中国休場
オーストラリア準備銀行政策金利発表 ☆☆☆
独製造業受注(8月) ☆☆
米貿易収支(8月) ☆☆
7日 中国休場
独鉱工業生産指数(8月) ☆☆
米FOMC議事録 ☆☆☆
8日 中国休場
国際収支・経常収支(8月) ☆☆
中国財新サービス業購買担当者景況指数(9月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
9日 英鉱工業生産指数(8月) ☆☆
米卸売在庫(8月)

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

参照:SBI証券 > マーケットデータより

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