金・銀・プラチナ
マーケットレポート

金はリスク選好のドル安が支援

2021/1/25
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米FOMCで金融政策の見通しを確認

1月18日の週のニューヨーク金市場は、バイデン米新政権の景気刺激策に対する期待感からリスク選好のドル安となったことを受けて堅調となった。中心限月となる4月限は8日以来の高値1,878.1ドルを付けた。米民主党のバイデン氏は20日の米大統領の就任演説で団結を強調し、「われわれは民主党と共和党、都市部と地方、リベラル派と保守派の無意味な戦いを終わらせなければならない」と訴えた。米大統領は1兆9,000億ドル規模の新たな景気対策案を発表しており、景気回復に対する期待感からリスク選好のドル安となった。ペロシ米下院議長は、新政権の追加経済対策法案について、下院では2月第1週の採決を目指すとの考えを示した。一方、次期米財務長官に指名されたイエレン氏は積極財政を主張したが、弱い為替相場を米国が目指すことはないとした。ドル安が一服するようなら金の上値を抑える要因になる。同氏は米上院本会議での25日の採決で財務長官への指名が承認される見通しである。今週は26~27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)がある。現行の金融政策の維持が決定される見通しだが、新型コロナウイルスの感染拡大で先行き懸念が残っており、ハト派の見方が示される可能性がある。

バイデン米大統領は21日、新型コロナウイルスの封じ込めに向けた新たな戦略を打ち出した。検査拡大やワクチン供給不足への対処、マスク着用義務、米国への渡航者に対する手続きなどに関する大統領令に署名した。米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、国内の新型コロナウイルスの感染状況について、最近の7日平均を見ると、近く横ばい状態に達する可能性があるとの認識を示した。ワクチン普及と感染拡大の行方も当面の焦点である。一方、欧州中央銀行(ECB)は21日の理事会で大規模な量的緩和の維持を決定した。ラガルドECB総裁は、新型コロナウイルスの感染再拡大や制限措置の長期化が域内経済のリスクになる恐れがあると警告した。メルケル独首相はロックダウン(都市封鎖)措置を2月14日まで延長するとした。南アで発見された変異種には、感染後に回復した人の血液を使用する「回復期血漿療法」による抗体が効かないことが分かった。またスパイクタンパク質を標的とする現行のワクチンの効果が限定される可能性があるという。

1月22日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比4.27トン減の1,173.35トンとなった。リスク選好の動きを受けて堅調となったが、戻り場面で投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月19日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは24万6,638枚となり、前週の24万6,227枚から拡大した。今回は手じまい売りが5,710枚、買い戻しが6,121枚入り、411枚買い越し幅を拡大した。

プラチナは景気回復期待で押し目を買われる

ニューヨーク・プラチナ4月限は、米政権の景気刺激策に対する期待感から堅調となり、一代高値1,163.4ドルを付けた。景気回復見通しから工業用需要が増加するとの見方が支援要因である。ただ欧州諸国のロックダウン(都市封鎖)延長で短期的な景気の下振れリスクが残ることがプラチナの上値を抑える要因である。新型コロナウイルスの変異種の感染拡大に対する懸念が出ており、ワクチンに対する見方も確認したい。

プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、21日のロンドンで19.31トン(前週末19.34トン)、22日のニューヨークで39.44トン(同39.44トン)、21日の南アで16.07トン(同16.07トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、1月19日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万7,886枚(前週2万7,459枚)に拡大した。

ニューヨーク金は200日移動平均線前後の動き

ニューヨーク金4月限はバイデン米新政権の景気刺激策に対する期待感からリスク選好のドル安となったことを受けて堅調となり、8日以来の高値1,878.1ドルを付けた。ただイエレン次期米財務長官が積極財政を主張しており、米国債の利回り上昇に対する懸念が上値を抑える要因である。戻り場面で金ETF(上場投信)から投資資金が流出した。テクニカル面では中長期の節目となる200日移動平均線前後の動きとなっており、ここを回復できるかどうかが焦点である。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)がある。

1月25日からの週の注目ポイント

25日 独ifo景況感指数(1月) ☆☆
26日 オーストラリア休場
日銀金融政策決定会合議事要旨 ☆☆
英雇用統計(12月) ☆☆
米S&Pケース・シラー住宅価格指数(11月) ☆☆
米消費者信頼感指数(1月) ☆☆
米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目 ☆☆
27日 景気動向指数(11月改定)
米耐久財受注(12月) ☆☆
米FOMC政策金利発表 ☆☆☆
28日 独消費者物価指数(1月速報) ☆☆
米国内総生産(10-12月期速報値) ☆☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
米新築住宅販売(12月) ☆☆☆
29日 失業率(12月) ☆☆
鉱工業生産指数(12月速報) ☆☆
独国内総生産(10-12月期速報) ☆☆☆
独雇用統計(1月) ☆☆
米個人所得・支出(12月) ☆☆☆
米雇用コスト指数(10-12月期) ☆☆☆
シカゴ購買部協会景気指数(1月) ☆☆
米ミシガン大消費者信頼感指数(1月確報値) ☆☆
米中古住宅販売仮契約指数(12月) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

参照:SBI証券 > マーケットデータより

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