金・銀・プラチナ
マーケットレポート

金は予想以下の米雇用統計が下支え

2024/5/7
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は中東情勢の行方も確認

 4月29日の週のニューヨーク金市場は、ガザ停戦協議や米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退を受けて売り優勢となった。中心限月となる6月限は4月2日以来の安値2,285.2ドルを付けた。ガザ停戦協議でイスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏は6日、カタールとエジプトに対して両国が提示した停戦案に同意したと伝えた。ただイスラエルのネタニヤフ首相は5日、人質の解放を確保するための戦闘休止には前向きな姿勢を示したが、ハマスを壊滅させるという目標に改めて言及した。イスラエル軍はガザ南部ラファで空爆を実施しており、中東情勢の行方を確認したい。
 第1四半期の米雇用コスト指数(ECI)は前期比1.2%上昇し、伸びは前四半期の0.9%上昇から加速した。賃金・給与の上昇を背景に事前予想の1.0%上昇を上回った。米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きが決定された。声明で「インフレ率はこの1年で緩和したが、依然高止まりしている」とされ、警戒されたほどタカ派の内容にならなかった。一方、4月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月比17万5,000人増で前月から予想以上に伸びが鈍化した。事前予想は24万3,000人増。失業率は3.8%から3.9%に上昇した。時間当たり平均賃金は前年比3.9%上昇と前月の4.1%上昇から鈍化した。CMEフェドウォッチでは、米連邦準備理事会(FRB)は9月以降に利下げを開始し、年2回の利下げが実施されるとみられている。
 第1四半期のユーロ圏の域内総生産(GDP)速報値は前期比0.3%増、前年比0.5%増だった。ともに0.2%増だった事前予想を上回った。4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比2.4%上昇と前月と同水準だった。事前予想と一致した。ただコアインフレ率は鈍化した。欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのデコス・スペイン中銀総裁は、インフレの緩やかな鈍化が予想通りに続けば、ECBは6月に利下げを開始すべきだと述べた。
 5月3日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比1.72トン減の830.47トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、4月30日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは20万2,891枚となり、前週の20万4,210枚となり、前週の20万2,891枚から拡大した。今回は手じまい売りが685枚、買い戻しが2,004枚入って1,319枚買い越し幅を拡大した。

プラチナはレンジ相場を継続

 ニューヨーク・プラチナ7月限は、900ドル直前で下げ止まったことから買い戻し主導で上昇し、4月16日以来の高値980.3ドルを付けた。ただ中国経済の先行き懸念が残っており、買い一巡後の上値は限られた。900~1,000ドルのレンジ相場を継続しており、当面は米連邦準備理事会(FRB)の利下げが待たれる。
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、2日のロンドンで17.72トン(前週末14.80トン)、3日のニューヨークで32.67トン(同32.54トン)、2日の南アで11.43トン(同11.43トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、4月30日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは6,797枚となり、前週の7,464枚から縮小した。

ニューヨーク金は予想以下の米雇用統計が下支え

 ニューヨーク金6月限は、ガザ停戦協議や米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退を受けて売り優勢となり、4月2日以来の安値2,285.2ドルを付けた。ただ予想以下の米雇用統計を受けてドル高が一服すると、押し目を買われた。米FRBの年2回の利下げ観測が戻った。今後発表される経済指標でインフレと労働市場に対する見方を確認したい。

5月6日からの週の注目ポイント

6日 振替休日  
7日 豪準備銀行政策金利公表 ☆☆☆
独貿易収支(3月) ☆☆
独製造業受注(3月) ☆☆
ユーロ圏小売売上高(3月) ☆☆
8日 仏休場
独鉱工業生産指数(3月) ☆☆
米卸売在庫(3月確報値) ☆☆
9日 仏、スイス休場
中国貿易収支(4月) ☆☆
英中銀政策金利公表 ☆☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
10日 全世帯家計調査・消費支出(3月) ☆☆
国際収支・経常収支(3月) ☆☆
英国内総生産(1-3月期速報値) ☆☆☆
英鉱工業生産指数(3月) ☆☆
米ミシガン大消費者信頼感指数(5月速報値) ☆☆
米財政収支(4月) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

参照:SBI証券 > マーケットデータより

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