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マーケットレポート

金は米大統領選の行方を確認

2024/10/28
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金は米雇用統計も焦点

 10月21日の週のニューヨーク金市場は、12月限が中心限月ベースでの史上最高値2,772.6ドルを付けたのち、米国債の利回り上昇を受けて上げ一服となった。中東情勢に対する懸念や米大統領選の不透明感が支援要因になった。またイスラエルはイランの軍事施設を攻撃し、イランは複数の場所で「限定的な損害」が出たと発表。ガザの停戦交渉が再開され、交渉の行方が当面の焦点となろう。一方、米大統領選でトランプ勝利の見方が強まり関税引き上げでインフレに対する懸念が浮上。米国債の利回りが上昇したが、金買い意欲が強まるかどうかを確認したい。

 米ダラス地区連銀のローガン総裁は、米連邦準備理事会(FRB)は今後も追加利下げを行うと予想しており、FRBがバランスシートの縮小を進められない理由はないとの考えを示した。米新規失業保険申請件数は、前週比1万5,000件減の22万7,000件となった。事前予想は24万2,000件。10月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.3と9月の54.0から上昇した。10月の米ミシガン大消費者信頼感指数の確報値は70.5と6カ月ぶりの高水準となった。9月の確定値は70.1だった。好調な米経済指標もCMEのフェドウォッチでは、米FRBの11月の25ベーシスポイント(bp)の利下げ確率が95.4%(前週90.4%)と変わりがなかった。今週は10月の米雇用統計の発表がある。

 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ユーロ圏のインフレ率は低下傾向にあるとし、予想より早くECBが目標とする2%に戻る可能性があると述べた。10月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は内外の需要が低迷し、49.7と2カ月連続で節目の50を下回った。12月のECB理事会で50ベーシスポイント(bp)利下げの見方も出ている。

 中国人民銀行は21日、貸出金利の指標となるローンプライムレート(LPR)を引き下げた。1年物LPRは0.25%ポイント引き下げ3.10%、5年物LPRは0.25%ポイント引き下げ3.60%とした。景気刺激策に対する期待感が強い。当面は月末の全国人民代表大会(全人代)で財政刺激策の規模を確認したい。

プラチナは中国の景気刺激策に対する期待感が支援

 ニューヨーク・プラチナ1月限は堅調に推移する金価格や中国の景気刺激先に対する期待感を受け、7月17日以来の高値1,053.4ドルを付けたのち米国債利回り上昇やドル高を受け上げ一服となった。中国人民銀行の金利引き下げを受けて景気刺激策に対する期待感が強い。月末の全国人民代表大会(全人代)で財政刺激策の規模を確認したい。一方、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しに変わりはないが、今週は10月の米雇用統計の発表がある。

 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、24日のロンドンで16.64トン(前週末17.43トン)、25日のニューヨークで33.16トン(同32.31トン)、24日の南アで11.20トン(同11.08トン)となった。一方、10月22日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは3万4,876枚となり、前週の2万8,387枚から拡大した。

ニューヨーク金は米大統領選が焦点

 ニューヨーク金12月限は、中心限月ベースでの史上最高値2,772.6ドルを付けたのち、米国債の利回り上昇を受けて上げ一服となった。イスラエルがイランの軍事施設を攻撃し、イランは複数の場所で「限定的な損害」が出たと発表した。ガザの停戦交渉が再開され、交渉の行方を確認したい。一方、米大統領選でトランプ勝利の見方が強まり、関税引き上げでインフレに対する懸念が出た。買い意欲が強まるようなら史上最高値を試すことになりそうだ。今週は10月の米雇用統計の発表がある。

10月28日からの週の注目ポイント

28日 ニュージーランド休場
香港貿易収支(9月) ☆☆
29日 トルコ休場
失業率(9月) ☆☆
米卸売在庫(9月速報値) ☆☆
米S&Pケース・シラー住宅価格指数(8月) ☆☆
米消費者信頼感指数(10月) ☆☆
30日 日銀金融政策決定会合1日目 ☆☆
ユーロ圏国内総生産(7-9月期速報) ☆☆☆
独消費者物価指数(10月速報) ☆☆
ADP全米雇用報告(10月) ☆☆
米国内総生産(7-9月期速報値) ☆☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

参照:SBI証券 > マーケットデータより

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