225の
『ココがPOINT!』
夏相場の展望~波乱に注意も秋相場に向けての「買い場」になる可能性?
投資情報部 鈴木英之
2020年も前半が終わりました。日経平均株価は1月の本年高値から3月に32.2%下がった後、6月には88.0%を戻す展開になりましたが、足元はやや一服の展開となっています。世界の新型コロナウイルスの感染状況は一時鎮静化したかのように見えましたが、再び感染拡大が懸念されます。
今後はどうなるのでしょうか。7月以降の夏相場は波乱含みの展開になりそうです。理由は、新型コロナウイルスが世界規模で感染拡大が加速しそうな気配だからです。過去30年間の日経平均株価の月別平均騰落率をみると、5月~10月の東京株式市場は総じて冴えないことが多く、今年も株価が下落する可能性があることに対して注意が必要だと思われます。ただ、ものは考えようです。波乱含みの夏相場は秋相場に向けての買い場になる可能性が大きいと言えるかもしれません。
ココがPOINT!
1.2020年前半の日経平均株価を総括
6月が終わり、2020年の前半が終わりました。日経平均株価は1/17(金)の本年高値24,115円95銭から32.2%下落し、3/19(木)の取引時間中には16,358円19銭の安値を付けました。しかし、その後は反発に転じ、6/9(火)の高値23,185円85銭まで41.7%上昇(下落幅に対する戻り率は88.0%)しました。その後はやや一服の展開となっています。月足騰落率としては、4月6.7%、5月8.3%と続伸した後、6月は前月末比1.9%高と小幅高の水準で引けました。
新型コロナウイルスの感染者数は2月末には中国を中心に世界で8万人程度でしたが、3月末には30万人台、4月末には300万人台と急速に増加し、感染地域もイランや、イタリア、スペイン等の欧州へと拡大しました。4月になると米国の感染者数が1ヵ月で前月末比560%増と急増し、5月、6月にはブラジル、インドと感染地域はさらに広がり、累計感染者数も6月末に1千万人台に突入し、死亡者数も50万人に達しています。
図1や図2にあるように、日本や米国の株式市場は、米国のNY州で新型コロナウイルスの入院患者数が減少し始めたあたりから上昇に転じ、各国の財政政策や金融政策の発動を好感しつつ、6月上旬まで上昇しました。このうち、我が国については、5/25(月)に緊急事態宣言が全国的に解除となったことで、新型コロナウイルス感染者数や死亡者数が相対的に低水準にとどまったことが評価され、それが株価上昇に一役買った面もありました。
ただ、新型コロナウイルスの感染拡大は、最大の感染国である米国で一時減速したように思われたものの、6月は再び拡大が加速する状況となりました。経済活動再開のタイミングが早過ぎた可能性もありそうです。トランプ政権は、11月に大統領選を控え、感染防止より経済を回すことを優先し、その政策が裏目に出てしまった可能性もありそうです。
新興国でも、新型コロナウイルスの感染防止を軽視し、経済活動を優先させる政策を取り続けたブラジルで感染爆発の様相を呈している上、人口の多いインドでも感染拡大が加速傾向にあります。世界の株式市場はこれらを警戒する形で、6月中旬以降は次第に下落基調へと転じました。日経平均株価もそれと同様の展開になりました
表1 日経平均株価の値動きとその背景(2020/6/22~2020/6/30)
日経平均株価 | 日米株式市場等の動き | ||
終値 | 前日比 | ||
6/22(月) | 22,437.27 | -41.52 | 反落。感染第2波を警戒した海外株安の流れ。プロ野球等で7/10から有観客試合。 |
6/23(火) | 22,549.05 | +111.78 | 米国株高を受けて上昇。米中合意解消報道(最終的に否定)で一時マイナス圏に。 |
6/24(水) | 22,534.32 | -14.73 | 材料不足。東京都の新規感染者数が緊急事態宣言解除後では最多に。 |
6/25(木) | 22,259.79 | -274.53 | NY州が感染者の多い州からの旅行者に自主隔離を要請。 |
6/26(金) | 22,512.08 | +252.29 | 米国株高を好感。3月期末配当の受け取りや好調な新規公開も追い風。 |
6/29(月) | 21,995.04 | -517.04 | 新型コロナの新規感染者数が米国で過去最多。テキサス州で再び経済活動を制限。 |
6/30(火) | 22,288.14 | +293.10 | 米国株高を受けて上昇。米住宅指標の好調とボーイングの試験飛行開始が好材料。 |
図1 日経平均株価(日足)と主要移動平均線・おもな出来事
図2 NYダウ(日足)と主要移動平均線・おもな出来事
図3 ドル・円相場(日足)と主要移動平均線・おもな出来事
表2 当面の重要スケジュール
月日(曜日) | 国・地域 | 予定内容 | ポイント |
6/30(火) | 日本 | 5月失業率・有効求人倍率 | |
日本 | 5月鉱工業生産 | ||
中国 | 6月製造業PMI | ||
米国 | 6月CB消費者信頼感指数 | ||
7/1(水) | 日本 | 6月日銀短観 | 大企業・製造業業況判断指数の市場予想は-31 |
米国 | 6月ADP雇用統計 | 雇用者数の市場コンセンサスは+200万人 | |
米国 | 6月ISM製造業景況指数 | ||
7/2(木) | 米国 | 6月雇用統計 | 非農業部門雇用者数の市場予想は約+300万人 |
7/3(金) | 米国 | ◎米国市場は休場(独立記念日) | |
7/5(日) | 日本 | 東京都知事選挙投開票 | |
7/6(月) | 米国 | 6月ISM非製造業景況指数 | 新規受注や雇用等の個別使用にも注意 |
7/7(火) | 日本 | 5月家計調査 | |
7/8(水) | 日本 | 6月景気ウォッチャー調査 | |
日本 | ★決算発表 | ファミリーマート、イオン | |
7/9(木) | 日本 | 5月機械受注 | 前回は前月比12%減 |
日本 | 6月工作機械受注 | 前回は前年同月比52.8% | |
日本 | ★決算発表 | ローソン、7&i、ファーストリテイ | |
中国 | 6月生産者物価/消費者物価 | ||
7/10(金) | 日本 | ★決算発表 | 安川電、良品計画 |
日本 | オプションSQ |
表3 日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(月日は現地時間)
2020年 | |
日銀金融政策決定会合 | 7/22(水)、9/17(木)、10/29(木)、12/18(金) |
FOMC(米連邦公開市場委員会) | 7/29(水)、9/16(水)、11/5(木)、12/16(水) |
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 | 7/16(木)、9/10(木)、10/29(木)、12/10(木) |
2.【ココがPOINT!】夏相場は「買い場」に!?
7月以降の夏相場は波乱含みの展開になりそうです。理由は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界規模で加速しそうな気配だからです。前項でご説明したように、米国での感染拡大が懸念される他、大統領が感染防止対策を軽視しているブラジルでの感染拡大も懸念されます。さらに人口の多いインドでこのまま感染拡大が続けば、世界全体の数字がかさ上げされるとみられ、どうしても話題になりやすくなると考えられます。
新型コロナウイルスの感染拡大継続は単純に、それらの国の株価に影響を与えるのみならず、食料や原材料の世界的な流通危機の問題に発展する可能性があります。新型コロナウイルスの問題のかげに隠れている形ですが、米中通商摩擦も継続しているとみられますし、インド・中国国境や朝鮮半島の地政学的リスクのくすぶりも気がかりです。
図4は過去30年間の日経平均株価の月別平均騰落率をみたものです。5月~10月の東京株式市場は総じて冴えないことが多いというのが経験則になっています。もっとも、本年5月は日経平均株価の上昇率が8.3%に達したように、必ずしもこの経験則通りになる訳ではありません。投資家の夏休みシーズン本格化等もあり、市場参加者が減りやすいことが影響していると考えればよさそうです。
2020年は新型コロナウイルスの感染拡大もあり、引き続き海外旅行はしにくいとみられ、例年通りバカンスを楽しめる投資家は少ないかもしれません。
ただ、ものは考えようです。上記したように、5月~10月の東京株式市場は総じて冴えない傾向にあり、特に8~9月は株価が下落しやすい傾向にあるのであれば、ここが秋相場に向けての買い場になる可能性が大きいと言えるかもしれません。期待しすぎるのも危険ですが、新型コロナウイルス用のワクチン開発が世界で進んでおり、我が国では来春にも接種が可能になる公算も出てきました。ワクチンの接種開始が株式相場の大きな展開になる可能性があり、今後の株価下落局面は仕込み場になる可能性がありそうです。
なお、新型コロナウイルスの感染がもたらす人類の新しい生活様式が、情報化投資の促進、ひいては半導体需要の増加につながっている面があります。すなわち、東京エレクトロン(8035)がここにきて上場来高値を更新するなど、日経平均株価への寄与度が大きい値がさ株の動きが一部で堅調であり、それらが株価を支えている点には注意が必要です。
図4 日経平均株価の月別平均騰落率(過去30年)
相場が大きく動いたら?
SBI証券なら多彩な商品群で取引チャンスを逃がしません!
- 国内株式
レパレッジ型ETFを活用すれば、日経平均の急な動きにも対応可能!
- 外国株式
米国株式、中国株式を含めた9ヵ国に投資!海外ETFで分散投資も可能です!
- 投資信託
日本の株式市場の動きを予測して短期でハイリターンを狙えるファンドがあります!
- FX
約5,000円から取引できる!ほぼ24時間取引&手数料はもちろん0円!
- 先物・オプション
日経平均に少ない資金で投資できる!レバレッジを効かせて、大きな利益を狙え!
- CFD
先進諸国の株価指数がほぼ24時間取引可能!特徴を理解することが勝利への道!
- ワラント
ダイナミックな値動きがeワラントの特徴!商品の魅力を知るなら必見!
- 金・プラチナ
有事の際の金・プラチナでリスクヘッジも!ほぼ24時間リアルタイムで取引可能!
先物・オプション取引
先物・オプション取引を
はじめるには
先物・オプションのお取引には、先物・オプション取引口座の開設が必要になります。
※PCでのお手続きを推奨しております
当社の総合口座をお持ちでないお客さま
先物・オプション取引関連ページ
信用取引のご注意事項
-
-
・信用取引に関するリスク
信用取引は、差し入れた委託保証金額の約3倍の取引を行うことができます。そのため、現物取引と比べて大きなリターンが期待できる反面、時として多額の損失が発生する可能性も含んでいます。また、信用取引の対象となっている株価の変動等により、その損失の額が、差し入れた委託保証金額を上回るおそれがあります。この場合は「追加保証金」を差し入れる必要があり状況が好転するか、あるいは建玉を決済しない限り損失が更に膨らむリスクを内包しています。
追加保証金等自動振替サービスは追加保証金が発生した際に便利なサービスです。 -
・信用取引の「二階建て」に関するご注意
委託保証金として差し入れられている代用有価証券と同一銘柄の信用買建を行うことを「二階建て」と呼びます。当該銘柄の株価が下落しますと信用建玉の評価損と代用有価証券の評価額の減少が同時に発生し、急激に委託保証金率が低下します。また、このような状況下でお客さま自らの担保処分による売却や、場合によっては「追加保証金」の未入金によって強制決済による売却が行われるような事態になりますと、当該株式の価格下落に拍車をかけ、思わぬ損失を被ることも考えられます。よって、二階建てのお取引については、十分ご注意ください。 - もっと見る 閉じる
-
・信用取引に関するリスク
先物・オプション取引の免責事項・注意事項
-
- ・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社、および情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製、または販売等を行うことは固く禁じます。
-
・必要証拠金額は当社SPAN証拠金(発注済の注文等を加味したSPAN証拠金×100%)-ネット・オプション価値(Net Option Value)の総額となります。
・当社SPAN証拠金、およびネット・オプション価値(Net Option Value)の総額は発注・約定ごとに再計算されます。
・SPAN証拠金に対する掛け目は、指数・有価証券価格の変動状況などを考慮のうえ、与信管理の観点から、当社の独自の判断により一律、、またはお客さまごとに変更することがあります。
・「HYPER先物コース」選択時の取引における建玉保有期限は新規建てしたセッションに限定されます。必要証拠金額はSPAN証拠金×50%~90%の範囲で任意に設定が可能であり、また、自動的に決済を行う「ロスカット」機能が働く取引となります。
・先物・オプションのSPAN証拠金についてはこちら(日本証券クリアリング機構のWEBサイト)
・指数先物の価格は、対象とする指数の変動等により上下しますので、これにより損失を被ることがあります。市場価格が予想とは反対の方向に変化したときには、比較的短期間のうちに証拠金の大部分、またはそのすべてを失うこともあります。その損失は証拠金の額だけに限定されません。また、指数先物取引は、少額の証拠金で多額の取引を行うことができることから、時として多額の損失を被る危険性を有しています。
・日経平均VI先物取引は、一般的な先物取引のリスクに加え、以下のような日経平均VIの変動の特性上、日経平均VI先物取引の売方には特有のリスクが存在し、その損失は株価指数先物取引と比較して非常に大きくなる可能性があります。資産・経験が十分でないお客さまが日経平均VI先物取引を行う際には、売建てを避けてください。
・日経平均VIは、相場の下落時に急上昇するという特徴があります。
・日経平均VIは、急上昇した後に数値が一定のレンジ(20~30程度)に回帰するという特徴を持っています。
・日経平均VIは、短期間で急激に数値が変動するため、リアルタイムで価格情報を入手できない環境での取引は推奨されません。
・指数オプションの価格は、対象とする指数の変動等により上下しますので、これにより損失を被ることがあります。なお、オプションを行使できる期間には制限がありますので留意が必要です。買方が期日までに権利行使又は転売を行わない場合には、権利は消滅します。この場合、買方は投資資金の全額を失うことになります。売方は、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。また、指数オプション取引は、市場価格が現実の指数に応じて変動しますので、その変動率は現実の指数に比べて大きくなる傾向があり、場合によっては大きな損失を被る危険性を有しています。
・未成年口座のお客さまは先物・オプション取引口座の開設は受付いたしておりません。
・「J-NETクロス取引」で取引所 立会市場の最良気配と同値でマッチングする場合、本サービスをご利用いただくお客さまには金銭的利益は生じないものの、SBI証券は取次ぎ手数料をSBIジャパンネクスト証券から受取ます。
・J-NETクロス取引の詳細は適宜修正される可能性がありますのでご留意ください。 - もっと見る 閉じる