225の
『ココがPOINT!』
≪株価は上昇余地"拡大"か≫決算発表が日経平均株価の追い風となる理由とは
投資情報部 鈴木英之
米国株式市場では、主要3指標が連日で最高値を更新する中、日経平均株価は上値の重い展開です。
こうした中、上場企業の2021/4~6期・決算発表シーズンが到来しました。
決算発表を経て、日経平均の上値余地は広がる可能性があると考えます。
その理由と、今後の企業業績の拡大余地について解説します。
ココがPOINT!
1.米主要3指標が連日最高値を更新
日経平均株価は、7月第3週(7/19~7/21)終値が27,548円00銭、前週末(7/16)比で455円08銭(1.6%)安、週足ベースで反落となりました。
7/20(火)は5日続落。米株安を受けて売りが優勢となった他、新型コロナウイルスの変異株拡大による景気鈍化懸念も強まり、軟調に。ファーストリテイリング(9983)など、値がさ株が総じて安い展開となりました。なお、日経平均株価の“5日続落”は2020年10月以来でした。
7/21(水)は米株の大幅高を追い風に上昇し、6日ぶりに反発。7/14(水)から7/20(火)にかけて5日間での下落幅が1,300円超となっていたことから戻りを期待する買いも増えました。
7/26(月)は一時28,000円を上回る場面もありましたが、中国当局による一部企業への規制強化で中国市場への不透明感が漂い、上値は重い展開に。傘下の投資ファンドで中国企業に資金を投じているソフトバンクグループ(9984)は年初来安値となりました。
一方、NYダウは、7月第3週(7/19~7/23)終値が前週末比1.1%高、週足ベースで反発となりました。
7/20(火)は前日に今年最大の下落幅となった反動で、3日ぶりに反発。幅広い銘柄が買われました。
7/23(金)は過去最高値を更新し、初めて35,000ドル台を突破。S&P500指数もはじめて4,400ポイント台に。好決算銘柄が上昇した他、好業績期待の銘柄も買われ、主要3指標が揃って過去最高値を更新しました。なお、7/26(月)も主要3指標は5日続伸となり、過去最高値を更新しています。
図表1 日経平均株価の値動きとその背景
日経平均株価 | 日米株式市場等の動き | ||
終値 | 前日比 | ||
7/20(火) | 27,388.16 | -264.58 | 5日続落。終値ベースでは1/6以来、およそ半年ぶりの安値。米株安に加え、東京市場は連休を前に商いも低調。 |
7/21(水) | 27,548.00 | 159.84 | 6日ぶりに反発。前日まで5日続落し、その間の下落幅が1300円を超え、短期的な戻り期待や値ごろ感からの買いが優勢に。 |
7/22(木) | - | - | 休場(海の日) |
7/23(金) | - | - | 休場(スポーツの日) |
7/26(月) | 27,833.29 | 285.29 | 米株高を追い風に上昇し、一時、2万8,000円を上回る場面も。一方、中国当局の規制強化で中国市場を巡る不透明感から上値は重い展開に。 |
※日経平均株価データ、各種資料をもとにSBI証券が作成。
図表2 日経平均株価(日足)と主要移動平均線・おもな出来事
※当社チャートツールをもとに作成。データは2021/7/27 取引時間中。
図表3 NYダウ(日足)と主要移動平均線・おもな出来事
※当社チャートツールをもとに作成。データは2021/7/27時点。
図表4 ドル・円相場(日足)と主要移動平均線・おもな出来事
※当社チャートツールをもとに作成。データは2021/7/27時点。
図表5 当面の重要スケジュール
月日(曜日) | 国・地域 | 予定内容 | 備考 |
7/28(水) | 日本 | 7/15・16開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」 | |
★決算発表 | エムスリー、サイバエジェ、アドバンテス、日産自 | ||
アメリカ | ★決算発表 | フェイスブック、ボーイング、ファイザー、ペイパルホールディングス | |
7/29(木) | 日本 | ★決算発表 | 富士通、パナソニック、村田製、三菱電 |
アメリカ | 実質GDP(4-6月期、速報値) | ||
新規失業保険申請件数 | |||
6月中古住宅販売成約 | |||
★決算発表 | アマゾンドットコム、エクソンモービル、アルトリアグループ | ||
7/30(金) | 日本 | 6月失業率・有効求人倍率 | |
6月鉱工業生産 | |||
6月商業動態統計 | |||
★決算発表 | 味の素、武田、豊田織、商船三井、JR東日本 | ||
アメリカ | 6月個人所得・個人支出 | ||
6月消費支出物価指数 | |||
★決算発表 | P&G、エクソンモービル、キャタピラー、アッヴィ | ||
7/31(土) | 中国 | 7月製造業PMI | |
7月非製造業PMI | |||
7月コンポジットPMI | |||
8/2(月) | 日本 | 7月自動車販売台数 | |
7月消費動向調査 | |||
★決算発表 | 塩野義、大塚商会、AGC、三菱重 | ||
中国 | 7月Caixin製造業PMI | ||
アメリカ | 7月ISM製造業景況指数 | ||
米政府、中国企業59社への投資禁止を実施予定 | |||
★決算発表 | アリスタネットワークス | ||
8/3(火) | 日本 | 7月マネタリーベース | |
★決算発表 | 住友化、協和キリン、花王、日本製鉄、JAL | ||
アメリカ | 6月製造業受注 | ||
★決算発表 | アムジェン、ザイレム | ||
8/4(水) | 日本 | ★決算発表 | 東レ、イビデン、トヨタ、ソフトバンク、ソニーG |
アメリカ | 7月ADP雇用統計 | ||
7月ISM非製造業景況指数 | |||
★決算発表 | ゼネラルモーターズ、ブッキングHD、ウーバー | ||
8/5(木) | 日本 | ★決算発表 | 東エレク、NTTデータ、シャープ、キッコーマン |
アメリカ | 新規失業保険申請件数 | ||
6月貿易収支 | |||
★決算発表 | スクエア、ビヨンドミート、モデルナ、イルミナ | ||
8/6(金) | 日本 | 6月景気動向指数 | |
6月毎月勤労統計調査 | |||
6月家計調査 | |||
★決算発表 | 旭化成、大塚HD、東京海上、NTT、セコム | ||
アメリカ | 7月雇用統計 | ||
6月消費者信用残高 | |||
8/7(土) | 中国 | 7月貿易収支 |
※各種報道、WEBサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。
図表6 日米欧中央銀行会議の結果発表予定日
2021年 | 2022年 | |
日銀金融政策決定会合 | 9/22(水)、10/28(木)、12/17(金) | 1/18(火)、3/18(金)、4/28(木)、6/17(金)、7/21(木)、9/22(木)、10/28(金)、12/20(火) |
FOMC(米連邦公開市場委員会) | 7/28(水)、9/22(水)、11/3(水)、12/15(水) | 1/26(水)、3/16(水)、5/4(水)、6/15(水)、7/27(水)、9/21(水)、11/2(水)、12/14(水) |
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 | 9/9(木)、10/28(木)、12/16(木) | 1/20(木)、3/10(木)、4/14(木)、6/9(木)、7/21(木)、9/8(木)、10/27(木)、12/15(木) |
※日米欧中銀WEBサイトを基にSBI証券が作成。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。 なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しています。日付は現地時間を基準に記載しています。
2.決算発表を経て、日経平均の上値余地は拡大か
図表7は日経平均株価と予想PER10倍ライン、15倍ライン、20倍ラインの推移(過去5年)をグラフにしたものです。
日経平均株価は、2020年3月から2021年5月にかけてを除き、おおむね「予想PER10倍~15倍の水準」で推移しており、その範囲からなかなか脱却できていません。
こうした中、東京市場は2021/4~6期の決算発表シーズンを迎えています。
特に7/29(木)から8/13(金)にかけては連日多くの企業が決算発表を行い、最も多い日は8/6(金)の586社の予定です。なお、7/26(月)時点で発表された社数は僅かですが、事前の市場予想を上回る利益を発表した企業は多くあります。
このまま、好調な決算発表が続けば上場企業の予想EPS(1株利益)が上昇し、「予想PER10倍~15倍の水準」自体が上昇されることが期待されます。
レンジ上限の予想PER15倍水準は2019/7末に26,600円台でしたが、現在は30,800円台です。仮に、日経平均株価が上記のレンジから脱出できなくとも、レンジ自体が上昇すれば上値余地は拡大するとみられます。
新型コロナウイルスの感染拡大初期となった2020/4~6期は、小売・外食業にとどまらず、多くの企業で経済活動が停止し、大幅に業績が落ち込みました。そこを比較対象とする2021/4~6期は“ベース効果”により、大幅増益や黒字転換になりやすいと考えられます。
逆に、2021/7~9期以降は対前年同期比で、増益率の鈍化懸念により、決算発表後に利益確定売りに押される銘柄もありそうです。また、3月決算企業にとって今期は年度最初の四半期に過ぎないため、好業績でも業績予想を上方修正しないケースが多い傾向にあります。
日経平均採用銘柄の市場コンセンサスでは、予想純利益が今期24%程度増、来期9%程度増としています。
なお、来期はサービス、小売、陸運などの業種で“リベンジ消費”が本格化し、業績増益の継続が期待されます。
図表7 日経平均株価と予想PER
※日経平均株価データをもとにSBI証券が作成。 期間:2016/8/1~2021/7/26
図表8 主要な日経平均採用銘柄の決算発表予定日
発表予定日 | コード | 銘柄名 |
7/28(水) | 2413 | エムスリー |
7751 | キヤノン(12月) | |
7/29(木) | 6954 | ファナック |
6702 | 富士通 | |
6752 | パナソニック | |
6503 | 三菱電機(13時) | |
7/30(金) | 4502 | 武田薬品工業 |
6902 | デンソー(11時) | |
8316 | 三井住友フィナンシャルグループ | |
4568 | 第一三共(13時) | |
2914 | 日本たばこ産業(12月) | |
8411 | みずほフィナンシャルグループ | |
4503 | アステラス製薬(12時) | |
9022 | 東海旅客鉄道(16時) | |
7月下旬 | 9433 | KDDI |
6501 | 日立製作所 | |
8月上旬 | 7267 | 本田技研工業 |
8/2(月) | 8306 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ(16時) |
8/3(火) | 6367 | ダイキン工業 |
8058 | 三菱商事(14時) | |
4689 | Zホールディングス | |
8031 | 三井物産(13時) | |
4452 | 花王(12月) | |
8/4(水) | 7203 | トヨタ自動車 |
6758 | ソニーグループ | |
9434 | ソフトバンク | |
8001 | 伊藤忠商事(13時) | |
4543 | テルモ | |
8/5(木) | 4911 | 資生堂(12月) |
8035 | 東京エレクトロン | |
8/6(金) | 9432 | 日本電信電話 |
8766 | 東京海上ホールディングス | |
8/10(火) | 9984 | ソフトバンクグループ |
5108 | ブリヂストン(12月) | |
8/11(水) | 6178 | 日本郵政 |
8/12(木) | 6098 | リクルートホールディングス |
8/13(金) | 4901 | 富士フイルムホールディングス |
※各種報道、当社Webサイト等をもとにSBI証券が作成。 ※銘柄名横に時刻がある銘柄は15時以外に発表予定の銘柄です。また、「12月」とある銘柄は12月決算銘柄です。その他、記載のない銘柄は3月決算です。 ※記載の予定日時等は変更されることがありますので、ご注意ください。
相場が大きく動いたら?
SBI証券なら多彩な商品群で取引チャンスを逃がしません!
- 国内株式
レパレッジ型ETFを活用すれば、日経平均の急な動きにも対応可能!
- 外国株式
米国株式、中国株式を含めた9ヵ国に投資!海外ETFで分散投資も可能です!
- 投資信託
日本の株式市場の動きを予測して短期でハイリターンを狙えるファンドがあります!
- FX
約5,000円から取引できる!ほぼ24時間取引&手数料はもちろん0円!
- 先物・オプション
日経平均に少ない資金で投資できる!レバレッジを効かせて、大きな利益を狙え!
- CFD
先進諸国の株価指数がほぼ24時間取引可能!特徴を理解することが勝利への道!
- ワラント
ダイナミックな値動きがeワラントの特徴!商品の魅力を知るなら必見!
- 金・プラチナ
有事の際の金・プラチナでリスクヘッジも!ほぼ24時間リアルタイムで取引可能!
先物・オプション取引
先物・オプション取引を
はじめるには
先物・オプションのお取引には、先物・オプション取引口座の開設が必要になります。
※PCでのお手続きを推奨しております
当社の総合口座をお持ちでないお客さま
先物・オプション取引関連ページ
信用取引のご注意事項
-
-
・信用取引に関するリスク
信用取引は、差し入れた委託保証金額の約3倍の取引を行うことができます。そのため、現物取引と比べて大きなリターンが期待できる反面、時として多額の損失が発生する可能性も含んでいます。また、信用取引の対象となっている株価の変動等により、その損失の額が、差し入れた委託保証金額を上回るおそれがあります。この場合は「追加保証金」を差し入れる必要があり状況が好転するか、あるいは建玉を決済しない限り損失が更に膨らむリスクを内包しています。
追加保証金等自動振替サービスは追加保証金が発生した際に便利なサービスです。 -
・信用取引の「二階建て」に関するご注意
委託保証金として差し入れられている代用有価証券と同一銘柄の信用買建を行うことを「二階建て」と呼びます。当該銘柄の株価が下落しますと信用建玉の評価損と代用有価証券の評価額の減少が同時に発生し、急激に委託保証金率が低下します。また、このような状況下でお客さま自らの担保処分による売却や、場合によっては「追加保証金」の未入金によって強制決済による売却が行われるような事態になりますと、当該株式の価格下落に拍車をかけ、思わぬ損失を被ることも考えられます。よって、二階建てのお取引については、十分ご注意ください。 - もっと見る 閉じる
-
・信用取引に関するリスク
先物・オプション取引の免責事項・注意事項
-
- ・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社、および情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製、または販売等を行うことは固く禁じます。
-
・必要証拠金額は当社SPAN証拠金(発注済の注文等を加味したSPAN証拠金×100%)-ネット・オプション価値(Net Option Value)の総額となります。
・当社SPAN証拠金、およびネット・オプション価値(Net Option Value)の総額は発注・約定ごとに再計算されます。
・SPAN証拠金に対する掛け目は、指数・有価証券価格の変動状況などを考慮のうえ、与信管理の観点から、当社の独自の判断により一律、、またはお客さまごとに変更することがあります。
・「HYPER先物コース」選択時の取引における建玉保有期限は新規建てしたセッションに限定されます。必要証拠金額はSPAN証拠金×50%~90%の範囲で任意に設定が可能であり、また、自動的に決済を行う「ロスカット」機能が働く取引となります。
・先物・オプションのSPAN証拠金についてはこちら(日本証券クリアリング機構のWEBサイト)
・指数先物の価格は、対象とする指数の変動等により上下しますので、これにより損失を被ることがあります。市場価格が予想とは反対の方向に変化したときには、比較的短期間のうちに証拠金の大部分、またはそのすべてを失うこともあります。その損失は証拠金の額だけに限定されません。また、指数先物取引は、少額の証拠金で多額の取引を行うことができることから、時として多額の損失を被る危険性を有しています。
・日経平均VI先物取引は、一般的な先物取引のリスクに加え、以下のような日経平均VIの変動の特性上、日経平均VI先物取引の売方には特有のリスクが存在し、その損失は株価指数先物取引と比較して非常に大きくなる可能性があります。資産・経験が十分でないお客さまが日経平均VI先物取引を行う際には、売建てを避けてください。
・日経平均VIは、相場の下落時に急上昇するという特徴があります。
・日経平均VIは、急上昇した後に数値が一定のレンジ(20~30程度)に回帰するという特徴を持っています。
・日経平均VIは、短期間で急激に数値が変動するため、リアルタイムで価格情報を入手できない環境での取引は推奨されません。
・指数オプションの価格は、対象とする指数の変動等により上下しますので、これにより損失を被ることがあります。なお、オプションを行使できる期間には制限がありますので留意が必要です。買方が期日までに権利行使又は転売を行わない場合には、権利は消滅します。この場合、買方は投資資金の全額を失うことになります。売方は、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。また、指数オプション取引は、市場価格が現実の指数に応じて変動しますので、その変動率は現実の指数に比べて大きくなる傾向があり、場合によっては大きな損失を被る危険性を有しています。
・未成年口座のお客さまは先物・オプション取引口座の開設は受付いたしておりません。
・「J-NETクロス取引」で取引所 立会市場の最良気配と同値でマッチングする場合、本サービスをご利用いただくお客さまには金銭的利益は生じないものの、SBI証券は取次ぎ手数料をSBIジャパンネクスト証券から受取ます。
・J-NETクロス取引の詳細は適宜修正される可能性がありますのでご留意ください。 - もっと見る 閉じる