特集レポート
【マーケット・フラッシュ】原油価格高騰でメリット、デメリットを受ける株をチェック
投資情報部 鈴木 英之
サウジアラビアの石油施設への攻撃のニュースを受け、9/16(月)の原油価格は急騰しました。米国のWTI原油先物価格は、一時63.34ドル/バレルと9/13(金)の54.85ドル/バレルから15%強値上がりし、約4ヶ月ぶりの高値をつけました。1日の値上がり幅としては1991年の湾岸戦争以来の大きさでした。これを受けて株式市場はNYダウで142ドル下落しましたが、エクソンやシェブロンなどの石油株は買われました。
報道によれば、サウジ外務省は同国の原油生産量が半減したと発表しています。またサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは、迅速な生産再開は難しいとの見方を強めており、施設の全面復旧には数週間から数ヶ月かかかるのではとの見方が市場には広がっています。サウジの減産分は世界の石油供給量の5%に相当するうえ、サウジ以外に大きな供給余力を持つ国は無いうえ、今後の中東情勢にも大きな懸念が生じたため、今後の原油価格は高止まりあるいは上昇する可能性も膨らんできました。
そこで、原油価格上昇でメリットを受ける業界(企業)、逆にデメリットを受ける業界(企業)をまとめてみました。
<メリット組>
(1)原油産出会社;原油価格上昇がすぐに製品価格の上昇に結びつくためメリットが大きいと考えられる。
企業名:国際石油開発帝石(1605)、石油資源開発(1662)、富士石油(5017)、JXTGホールディングス(5020)、三井物産(8031)、三菱商事(8058)など
(2)石油開発関連会社:プラント建設会社が受注増加のメリットを受ける可能性があるが、時間はかかる可能性が大きい。
<デメリット組>
(1)航空会社;燃料価格上昇がコスト高に直結する可能性が大きい。
企業名:日本航空(9201)、ANAホールディングス(9202)
(2)海運会社、陸運会社(トラック);同様にコスト高となることが多い。
(3)電力、ガス会社;同様に一時的にコスト高となるが、その後は電力、ガス価格の上昇で補える可能性がある。
(4)重油多消費型産業;紙パルプ、化学など。
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